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ドサクサ日記 10/3-9 2022

3日。
土産物屋で売っているビールのIPAやペールエールの割合が高いように感じる。なかには美味しいものもあるが、ホップの香りが強いので好みが分かれる。それがたまらなく好きという人もいるだろうし、苦いと思う人もいるだろう。俺は苦いと思う一派の末席に座っている。もちろん、嫌いというわけではない。しかし、それ以外のビールも増えて欲しいなと思う。宇奈月ビールのケルシュは美味しい。

4日。
スタジオの機材の故障が続いている。代理店に連絡して修理の算段をつけるのは、面倒くさい。同じ機材をシミュレートしたプラグイン(PCソフト)はバグや不具合があったとしても故障しない。問題があったときにはオンラインサポートが受けられる。とても便利な時代になった。しかし、モノへの愛着もある。そこには音楽録音とテクノロジーの歴史が記録されている。様々な発明と改良の歴史の川下で、その時代の音楽へのリアクションが機械化される。現物としての録音機材がなければプラグインもなかった。現在はプラグインの機能が実際の機材に反映されるという現象も起きているから面白い。コンピューター上の「こういう機能いるよね」が機械に導入されるのだ。どちらにも良いところがあり、悪いところというよりも足りないところがある。不便だが個性がある。それが実機のいいところ。

5日。
横浜の大きなスタジオで録音。アジカンのドラマーの潔のすごいところは、当日の準備段階でまったく曲を覚えている様子がないというところだ。しかし、本番になるとビシッと決まる。鍛錬の賜物だろう。しかし、再現性が低いところが玉に瑕で、時折「さっきどう叩いてたっけ?」と皆に問いかけることがある。それを覚えておくのがアナタの仕事だろう。ベースの山ちゃんは粛々と仕事をする。

6日。
歌の録音の日は、午前中のうちに少しだけ炭水化物を摂って、そのあとは食事をしない。もうこれ以上はテイクを重ねる必要がないとわかった段階で軽食を摂ったりはするが、基本、夕食だけがガッシリとした食事の機会になる。そういう場合は卑しいことだが、失敗したくないと思ってしまうのが人間の心の有り様だろう。この日はメキシコ料理の出前を取った。エンチラーダという料理で美味しかった。

7日。
ボイストレーニングにタクシーで向かったところ、雨の影響で都内の一般道が恐ろしいほどに渋滞しており、30分も遅刻してしまった。まったく動かない車内では運転手さんが恐縮していた。俺はと言えば、イライラしていた。「参ったなぁ」と独言を言ったり、自分向けではあるが軽い舌打ちをしたり、乗客として態度が良かったとは言えない。運転手さんの恐縮度合いは目的地に近づくにつれて高まり続け、到着の際に随分と謝られてしまった。俺はというと、もう間に合わないと悟った瞬間からそこまでの自分の態度を反省し、誰のせいでもないのに体内で盛り上がった怒りを鎮めるようにゆっくりと呼吸をしていた。途中で少し咳などもしたかもしれない。遅延を謝るタクシー運転手には「運転手さんは少しも悪くありません」と伝えた。サービスを受ける側に立ったときこそ、イケてる人間でありたい。

8日。
宇都宮へ。駅前の餃子屋は行きも帰りも長蛇の列だった。さすが餃子の街。楽屋のお弁当の横にも餃子が用意されていた。「正嗣(まさし)」という店の餃子だった。歌唱前の食事としてどうかとは思うが、ニンニクが効いていて美味しかった。自宅で手作りしてみると、意外と餃子は難しい。フライパンの熱し方が不十分で、餃子の底の皮がフライパンに根こそぎ張り付いて台無しになったときの絶望感よ。

9日。
久々にビュッフェ負けした。ビュッフェ負けとは、読んだ通りビュッフェで負けることである。はっきりと少食であるにもかかわらず、サラダランチビュッフェなるものに参加して、その設定料金よりも食べられるはずがない。一通りお皿に盛り付けて食べ始めたはいいが、ものの数分で満腹になり、本来楽しんで食べるはずのメインディッシュすら半分苦行のようになってしまう。次は誰か止めてほしい。

 そう言えば、Around The Planet Folksを更新したので、ぜひ。