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ドサクサ日記 11/11-17 2024

11日。
心身ともに疲れたので豚骨ラーメンでも食べようかなとラーメン店の前まで行くも、月曜定休だった。豚骨から煮出した汁にはホメオパシー的な効果があるように思うが、摂取に失敗。気を取り直して、スタジオの古いiMacからM2のMacBook Proに移行。HDXやRMEが繋がらなくなったり、アプリケーションが壊れていたりと、いろいろ問題があったので汗だくで対処を行う。はっきりと面倒だった。

12日。
気合いを入れて大阪までトム・ヨークを観に行った。難解とまではいかなくても、メランコリックで人懐っこくないメロディがここまでシェアされたのは、トムの声色によるところも多いだろう。いつ聴いても、彼の声は本当に美しいなと思う。コンサートは素晴らしかったが、願わくば椅子のないアリーナやフロアで踊りたかった。そのほうがもっと親密で、誰もが気兼ねなく踊れたことだろうと思う。

13日。
ラーメン屋とホストクラブとキャバクラがひしめく通りを抜けて、歌舞伎町のZeppへ。いい夜だった。思えば世に出た頃は、一体誰が自分たちの音楽を支持してくれたり、あるいは無用に非難しているのかが分からず、猜疑心のような、ネガティブな気持ちを抱えて、方々を転がっていた。ライブツアーをしながら、空っぽのように感じられた熱狂は確かに存在していて、本当に多くの人たちがアジカンの演奏を心待ちにしていてくれることがわかった。それがどれほど、自分たちの助けになったか。そういう恩を返すためのツアーなんだなと思う。藤枝ではじめた活動も、同じように音楽に恩返しをするための活動だと考えている。病めるときも健やかなときも、十分に支えてもらった。だからこそ、これからは何かを場に返すように活動していきたい。多くの人の支援で俺は生きている。ありがとうと言いたい。

14日。
新宿2日目。150名の小さなライブハウスから、1万人以上収容できるアリーナ公演を経て、このサイズの会場に戻ってくると心身ともにあるべきところに落ち着く感じがする。自分たちの音楽が心地よく届く規模には適当なサイズがあって(バンドの状態にもよるけれど)、というかそれを定めたり意識したりする必要があって、今のアジカンだとZepp規模のライブハウスや、中ホールが丁度いいなと思う。

15日。
LOSTAGEの五味兄、エンジニアの岩谷君と藤枝を歩いた記事が公開になった。奇しくも、3人のうちふたりが緑の帽子を被っている。インディロックを拗らせていくと人は緑の帽子を被るのかもしれない。五味兄は独自のやり方で、インディシーンの地平を拓くというよりは、自分たちのバンドと人生の歩みを進めている。自ら考えて工夫する。順風満帆の何かではなく、必要に迫られて行ってきたことで、無用に称揚されても苦笑いをするだろうけれど、多くのバンドたちにとってはロールモデルのひとつだと思う。岩谷君もスティーブ・アルビニの精神を受け継ぐように、インディの現場を支えている。彼らの横に立って、あるいは一緒に街を歩くときに、恥ずかしい気持ちにならないような活動を続けるということが、自分にとってはとても大切な指針になっている。彼らの近くに居ることができて嬉しい。

Music Inn FUJIEDAの構想図。今回のクラファンでは、土蔵スタジオと3Fコミュニティスペースの工事を行う予定。その後は2Fのゲストハウスを完成させて収益化を計って、その利益で継続的な運営を行えたらと考えている。3階の奥も、費用の工面ができたら、実現させたい。

16日。
タクシー配車アプリでタクシーを呼ぶと、時折、この車は昭和とか平成の初期からやって来たのかというボロボロのセダンがやって来て驚く。運転手は爺さんかと思いきや、大概の場合は新人のような覇気のない若手で、車のボロさも相まってむちゃくちゃ不安な気持ちになる。しかし、これを不運と決めつけると人生の何かしらが割り引かれるので、むしろラッキー、幸運の予兆として考えることにした。

17日。
ポスター配布に協力してくださった魚時さんでお刺身定食を食べ、建設会社と土蔵の建設契約の打ち合わせ。見積もりの内容、工事についての細かな説明を受けた。その後は藤枝で行われている「お茶の香ロード」というイベントを見学に行ったが、運悪く何もかもが片付けの最中だった。途方に暮れていると、劇団を主宰する山田先輩と遭遇して、演劇イベントの打ち上げに誘っていただいた。楽しかった。