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ここに注目したい!楽天ドラ1ルーキー早川 隆久

こんにちは、ごしまです。

本日先発のドラフト1位ルーキーの早川 隆久投手の特徴・個人的な注目ポイントについて、データの観点から紹介していきたい。

1. 圧倒的な"K/BB"

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ここまで4度の先発登板で2勝2敗ながら、平均6イニング以上の25.2イニングを投げ防御率2.10(パ5位)と、先発としてきっちり試合を作り期待に応えるピッチングを続けている。
特に前回登板では2カード連続勝ち星なしと苦しむチーム状況の中、8回1失点の快投で3カードぶりのカード勝ち越しへ導いた。
(度々ツイートしているが)着目すべきは四球の少なさである。
オープン戦では12.2回を投げ2四球のみ、本シーズンに入ってもここまで25.2イニング投げて四球はわずかに3
BB% 3.0はパリーグ規定投球回到達16選手中最も低く、両リーグ合わせた30投手の中でも中日柳投手(2.5 %)中日大野投手(2.8 %)に次ぐ数字である。
プレシーズンから一貫して四球が少なく安定的に試合をコントロールできる点は早川の魅力の1つである

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また高い奪三振能力も兼ね備えており、奪三振と四球の比率を表すK/BB 8.33はパリーグトップである。
まだ4試合で参考程度ではあるが、次点のオリックス山本投手が6.80、日ハム伊藤投手が4.75、楽天岸投手が4.40ということを考えると、早川投手の数値がいかに突出しているかが分かる。
(上図も参考に↑↑)

※参考:
昨年パリーグトップのオリックス山本投手が4.03、セリーグトップの中日大野投手が6.43
NPBで1000イニング以上投げた投手の中で歴代最高は上原浩治さんの通算6.68らしい。すごい


2. 調子のバロメーターは"チェンジアップ"

早川はここまでチェンジアップを20%以上投じており、特に右打者に対しては早川自身かなり自信を持っているボールであることは間違いないだろう。

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ここまで被打率.182、空振り率は20%over、10個の三振を奪っており、長打を1本も浴びていない点からもかなり機能していると言える。
チェンジアップのPitch Valueは全投手トップタイの 3.8(同 中日柳投手)であり、調子が良い日であればNPBトップレベルに良い球を投げているのではないだろうか。

このチェンジアップの精度がその日の調子のバロメーターになるかな、と感じている。
オープン戦からの7試合の内、4回3失点の3月7日は空振り0、4.2回5失点の3月21日は全体での空振り率こそ20%越えだったが追い込んでからの精度を欠き三振0、4失点した4月4日も空振り率10%未満で、その他の抑えた試合はいずれも20%を超える空振り率・複数の奪三振を記録している。
数字に関してはこじつけ感もあるが映像から受ける肌感覚とかなりリンクしており、チェンジアップが良い日はまあ打たれないだろうなという感覚で見ている。

3.  8回1失点の快投を生んだある変化

初回に近藤選手から被弾し立ち上がりから1点を失った前回登板だが、終わってみれば8回1失点無四球でプロ2勝目を挙げた。

この日の試合後インタビューで「より腕を振って、真っ直ぐにより近いボール」を意識したと語っている点をデータで掘り下げていきたい。

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登板日ごとの平均球速の推移を辿ってみると、前回登板はストレートの平均球速こそそこまで大きな変化はないが、カットボールの平均球速が前回登板より4 km/hほど上がり、ストレートとの球速差が詰まっていることが分かる。
特に右打者への配球割合を見ると、依存気味だったチェンジアップの割合を減らしたストレート多めの組み立てとなっている。

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4失点した4月4日と前回登板の球速分布を比べて見ると、カット&チェンジアップの球速帯が早川の言う"真っ直ぐにより近いボール"となっていることが良くわかる。

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もちろん早川自身の調子とストレート単体の威力が良かったこともあるだろうが、カット&チェンジとのコンビネーションも効果的に働き、11-0と完全に抑え込んだ。
本日の登板でもここは注目して追っていきたい。


4. 今後の課題

ルーキーでこれだけやれているのは素晴らしいが個人的に感じる課題としては、
・変化球の精度(特にカット・スライダー系)
・左打者に対する組み立て

の2点を挙げたい。
対左右別対戦成績を比較すると、
対右 被打率 .232 被OPS .572
対左 被打率 .276 被OPS .783

強力なチェンジアップを駆使し右打者に対してはアドバンテージが取れる一方、左打者に対してはやや苦戦している。
(前回登板では日ハムさんが右打者を8人並べてくれていたのは内緒)
左打者に対する軸としているカット・スライダーの精度も一因だと考えている。
前回登板で見せたカットボールの進化が、今後の対左の戦略に好影響を与えることを願っている。

最後に

注目ポイントとして

・制球力&奪三振能力 圧倒的な"K/BB"
・調子のバロメーター?チェンジアップ
・カット&チェンジとストレートのコンビネーション

について紹介させていただきました!
課題は感じるものの、素晴らしい逸材であることは間違いないですね。
これまでチェンジアップの精度が悪い日は決め球にかなり苦慮していた印象だったが、前回登板で見えた変化により更なる進化が期待できそうな予感がします。

スポナビさんなどで一球ごとに球種や球速が分かる時代ですので、観戦の際の楽しみの1つになれば幸いです!
おしまい。


データ参考 :
Sportsnavi : https://sports.yahoo.co.jp/
日本野球機構(NPB): https://npb.jp/
1.02 Essence of Baseball : https://1point02.jp/op/index.aspx


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