見出し画像

明日にも規定打席到達!新人王候補に推したいドラフト1位ルーキー小深田の活躍

こんばんは、ごしまです。

今季初の2週連続ビジターウィークを終え、5勝5敗2引き分けでなんとか借金なしで終えることができました。
真夏のメットライフドーム6連戦がありながらよく耐えたと思います。
ここまでよく健闘していますね。
来週からホームで頑張れ。

さて本日はここ1ヶ月スタメン起用が続き、今やチームに欠かせない存在となりつつあるドラフト1位ルーキーの小深田の活躍をデータの観点から振り返っていきたいと思います。

最初に強調しておきたいのは、現在WAR1.0はチーム野手5位(浅村茂木ロメロ島内に次ぐ5番目、鈴木6位)、パリーグ野手20位、新人王有資格の野手ではトップの貢献度である

走攻守に分けて活躍の振り返りと課題を考えていきたい。

1-1. 打撃成績

画像6

ここまで50試合に出場し、打率.272, OPS .718とリーグ平均並(打率.250, OPS .721)の数値を残しており、昨日規定打席にも到達…と思ってましたが、1打席足りませんでしたね。
明日には規定到達するでしょう。

規定未達ではあるが、ここまでは期待値以上の成績を残していると言っていいだろう。
打席あたりの得点創出の多さを評価するwRC+は112。
つまりリーグの平均的な打者の1.12倍の効率で得点を生産する打者であるといえる。

加えて言うならば、小深田の場合ポジション特性も考慮して評価したいところだ。
パリーグの二遊間の平均打撃成績を見ると、

パリーグ ポジション別打撃成績
二塁手 : 打率 .252   OPS .704
遊撃手 : 打率 .247   OPS .644

浅村茂木を含めた平均がこの程度であるので、他球団の平均的な二遊なポジションより多くのプラスを生み出している。
常々言われていることではあるが、二遊は他のポジションと比較すると若干打撃力に劣るポジションであり、守備負担が大きい中でこれほどの成績を残せている点は高く評価したい

茂木浅村の二遊間の攻撃力は球界トップであり、間違いなく楽天ストロングポイントである。
チームの核となるこの2選手の負担を減らしつつこれほどの成績を残していることは、打線が開幕から高い攻撃力を維持できている要因の1つとなってることは間違いないだろう。

1-2. 打撃の特徴を探る

画像6

これはパリーグで規定打席以上の33選手を対象にSwing%とContact%をマッピングしたものである。
かなりイメージに近いと思うが、小深田は積極的に振りにいかない待球型で、かつコンタクト能力に優れた選手である。
規定到達選手の中で空振り率は日ハムの近藤選手に次ぐ2番目に低い3.9%で、K%は3番目に低く優秀な部類である。
(楽天で言うとバットコントロールの上手い銀次選手の空振り率が例年4%台と言うと楽天ファンとしてはイメージしやすいだろうか)

1-3. 開幕直後とスタメン定着後の比較

◎開幕からの1ヶ月

画像3

開幕から1ヶ月(6/19-7/18)、スタメンは7試合のみで半数は代走や守備固めでの起用となった。
打率 .156, 出塁率 .333,OPS .521と四球奪取能力が高く出塁率こそ稼げていたが、1軍クラスの投手へ適応できず苦しい打撃内容が続いた。
特にストレート打率 .105と打ちあぐねており、投球の6割がストレートを占めるという異常なストレート攻めを食らっていました。
未だにストレートが50%以上を占める打者が12球団で小深田しかいないことからも、いかに極端な攻め方をされていたかが分かる。
ここが課題だなと感じていた。

◎スタメン定着後1ヶ月

画像7

チーム事情もあり7/23から約1ヶ月のあいだ連日スタメン起用され、その中で結果を残し続けている小深田。

その7/23以降は打率 .303, OPS .772と主力級の働きを見せている。
四球が減り三振が増えているが、その分打ちまくっている。
特に前述のようにストレートへの対応力が上がったことが成績向上の一因である。
7/30にストレートへの対応が課題であることを述べたが、その翌日から劇的に変化が起きた。(もちろんただの偶然だが散々ネタとして使わせてもらっている)

画像7

7/30までとそれ以降で比較してもSwing%などの指標的変化は見えないが、ストレート打率 .129→.444、長打率 .194→.622とそれまでと一転しストレートを打ちまくり、打撃成績を大幅に向上させた。
それまで6割ほど占めていたストレートだが徐々にその比率を下げており、相手も警戒し始めている。

画像8

実はシーズントータルで見るとすでにストレートでの成績が大幅に上回っており、逆にここ最近は変化球への対応に苦しみゴロでのアウトを増やしている。

今後は対策された中で小深田がどのように対応していくかは非常に興味深いところである。


1-4. 打撃の気になる変化


気になる点はここ最近の異常な四球の少なさである。

画像7


ここ2週間を見ると、スタメン定着前より出塁率が下がっている。
打撃こそ安定してきているものの、四球がわずか1.7%とほとんど選べていないのだ。
1番での起用が多い中、打ててないのであればまだしも、ここまで四球が取れずに出塁率が低下しているのは少し心配である。
打撃が落ちてきた時に見極めたり、粘って四球を選び安定した出塁ができるかどうか。
この原因に関してはまだはっきりとした結論は出せていないが、序盤の四球の多さは選球眼の良さよりむしろ、運的要素と小深田のストライクゾーンの狭さとSwing%の異常な低さが合わさっただけだった、という見方もできそうなのでここは改めて評価したいと思う。
今は打ててるから四球捨てて積極的に打ってるだけかもしれないし。
課題の1つとして改善に期待したい。


2. 走塁面の評価

画像8

ここまでチームトップの10盗塁(リーグ4位)
盗塁成功率も83.3%(12-10-2)と成功率も高く維持しており、三木野球に欠かせない要素となっている。
また得点に関してもチーム3位の34得点(リーグ8位)と高い生還率も小深田の特徴である。
ここまで代走4回、四球やヒットを合わせると59回出塁し約6割近くは生還している。
もちろん後ろを打つ中軸の打撃力の高さもあるが、小深田の走塁によるところも少なくないだろう。

走塁指標BsR 3.9は西武源田に次いでパリーグ2位とリーグ内で見てもトップレベルの走塁貢献をしている。
今後もこの脚が多くの得点を生み出すことに期待したい。


3. 守備面の評価

走攻守と活躍を見せている小深田だが、現状あえて課題を挙げるならば守備である。
現在UZR -3.9(UZR1200 -13.8)、ルーキーであり不慣れな二塁守備もこなしていることを考慮するとよくやっているが課題は山積である。

・前後の動き(特に背走)
・併殺奪取能力
・適切な捕球体勢
・捕球から送球への身体の連動の悪さ
・状況判断力

ここに挙げたのは何度も確認された問題点で、同じように感じてる人も少なくないだろう。
特に正面で捕りにいく意識が強く、捕球と送球の動きが分離し弱々しい送球になることも多い。
強肩内野手であればそれで刺さないこともないだろうが小深田の肩の弱さでは厳しいものがある。

ただここ数日の試合を見る限り、守備への意識はおそらく変わってきているように感じる。
(少なくとも開幕直後に見られなかった逆シングルでの捕球意識や、捕球時のステップワークの変化が先週の試合では見られた)
また小深田にとって藤田選手という守備の教科書と呼べる存在がチーム内にいることは幸運だったと言える。

守備に関しては伸び代だらけとポジティブに捉えてるので、今後の成長に期待したい。

4. 最後に

・負担の大きい二遊を守りながら、他球団の同ポジションと比べて高い攻撃力を示しつつある
・茂木浅村らコア選手の負担を減らし、攻撃力を下げず、ここまでチームが高い攻撃力維持できている要因の1つ
・コンタクト力は球界でもトップクラス
・ストレートへの対応力が上がり、打撃成績を急上昇させた
・走塁面での貢献度も高くリーグトップクラス
・守備に課題が多い。藤田プロから学んでほしい

小深田の活躍を振り返っていかがでしたか。
ここまでよくやってくれてると思いますし、まだまだ伸び代もあり楽しみな選手。
大変なポジションを任されながらも日々課題を少しずつ消化していく姿勢が小深田の素晴らしさだと思いますし、更に存在感を高めていってくれると思います。

なかなか野手での獲得は難しいですが、新人王を目指して頑張ってほしいですね!


それでは本日の内容は以上です。
読んでいただきありがとうございました!


データ参考 :
Sportsnavi : https://sports.yahoo.co.jp/
日本野球機構(NPB): https://npb.jp/
1.02 Essence of Baseball : https://1point02.jp/op/index.aspx



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?