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【note】スロースリップという地震

 地震というと、突然大きな揺れが起こるものを思い浮かべるかもしれません。しかし、実は地震にはいろいろな種類があります。その中には、私たちが気づかないほどゆっくりと地下の岩盤が動くものもあります。それが「スロースリップ」という地震です。

 スロースリップは、普通の地震とは違って、ひずみエネルギーを少しずつ解放する現象です。そのため、地震波をほとんど放射せず、地震計ではほとんど捉えられません。しかし、GPSやひずみ計などの高精度な観測機器で、地殻変動を測ることで、スロースリップの発生を知ることができます。

 スロースリップは、地震の発生メカニズムを解明するために重要な現象です。特に、南海トラフや東北地方太平洋沖など、巨大地震が起こる可能性の高い場所で、スロースリップが発生していることがわかっています。スロースリップが巨大地震の発生にどのような影響を与えるのか、今後の研究が期待されます。

 この記事では、スロースリップという地震について、その特徴や発生場所、観測方法、巨大地震との関係などを紹介します。スロースリップは、私たちの足元で静かに起こっている不思議な現象です。ぜひ、最後まで読んでみてください。

スロースリップとは何か

 スロースリップとは、スロー地震と呼ばれる現象の一つです。スロー地震とは、通常の地震よりも断層がゆっくりと滑る現象の総称です。スロー地震には、低周波地震、低周波微動、超低周波地震、短期的スロースリップ、長期的スロースリップなど、多様な時定数をもつ低速な断層すべり現象が含まれます。

 通常の地震は、プレート運動などによって地下の岩盤に蓄積されたひずみエネルギーが、断層が高速でずれ動くことで解放される現象です。通常の地震では、断層が1秒間に約1mの速さで動きます。そのとき、地震波を放射し、私たちはその揺れに気づきます。

 一方、スロースリップは、断層が1秒間に約1cm以下の速さで動く現象です。そのとき、地震波をほとんど放射せず、私たちはその揺れに気づきません。しかし、スロースリップは、数日から数年にわたって続くことがあります。その間に、断層が数cmから数mも動くことがあります。つまり、スロースリップは、普通の地震と同じくらいのずれ量を、ゆっくりとした時間で起こす現象なのです。

スロースリップの発生場所と観測方法

 スロースリップは、世界中で発生していますが、特に海溝などの沈み込み帯でよく見られる現象です。沈み込み帯とは、海洋プレートが大陸プレートの下に沈み込む構造のことです。沈み込み帯では、プレート同士の境界面の一部が密着して固定され、固着域と呼ばれる領域が生じます。固着域は、長年ひずみを溜め込んで動かず、地震の時に一気にずれ動きます。そのとき、巨大な地震が起こることがあります。

 スロースリップの発生を知るためには、高精度な観測機器が必要です。スロースリップは、地殻変動として観測されます。地殻変動とは、地表の動きのことです。地殻変動を測るためには、GPSやひずみ計、傾斜計、海底圧力計などが使われます。これらの機器は、地表の位置や傾き、ひずみ、水圧などを測定します。スロースリップが発生すると、その周辺では通常とは異なる地殻変動が生じます。それにより、スロースリップの発生や進行状況を把握することができます。

 スロースリップに伴って、低周波地震や低周波微動などの地震活動が見られることもあります。これらの地震活動は、地震計で観測されます。地震計は、地震波の振動を記録する機器です。低周波地震や低周波微動は、地震波の周波数が通常の地震よりも低いという特徴を持ちます。そのため、高感度の地震計が必要です。地震活動によって、スロースリップの発生や地下深部の状況の変化を知ることができます。

スロースリップと巨大地震の関係

 スロースリップは、巨大地震との関係が注目されている現象です。スロースリップは、固着域の周りで起こるため、固着域に影響を与える可能性があります。

 スロースリップが巨大地震に与える影響は、スロースリップの発生場所や規模、周期、持続時間などによって異なります。また、固着域の形状や強度、ひずみ状態なども影響を受けます。そのため、スロースリップと巨大地震の関係は、一概には言えない複雑なものです。

 しかし、スロースリップの観測や解析によって、巨大地震の発生メカニズムや予測に役立つ情報が得られることが期待されます。


 この記事では、スロースリップという地震について、その特徴や発生場所、観測方法、巨大地震との関係などを紹介しました。

 スロースリップは、私たちが気づかないほどゆっくりと地下の岩盤が動く現象ですが、地震の発生メカニズムを解明するために重要な現象です。スロースリップの観測や研究によって、地震の予測や防災に役立つ知識が増えることを願っています。

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