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最低限から抜け出せない

今の家でひとり暮らしを始めて3年。暮らしに最低限必要なものがやっと揃ってきた。我が家に最後に加わったのは、今年買ったバンブーテーブルだ。それ以降は、大きな買い物をしていない。増えたのは本くらいだ。

生活するのに困らない程度のインテリアや雑貨類が整った。ついに、少し背伸びをしておしゃれな食器とか、かわいいクッションとかを買い足すことができそうだ。

だけど、最近そういう「好きだから」でするような買い物をしてこなかったせいで、どこから手をつけていいのか、よくわからない。最近流行りの、「丁寧な暮らし」のように、ちょっと素敵な生活に憧れるのに。

セットの食器はかわいいけれど、レジにたどり着く前に、家にあるもので充分と思ってしまう。 そうして家に帰ると、なんだか寂しい気持ちになる。「新しい食器でも欲しいな」。その繰り返しだ。

床に敷いているカーペットも、少し古くなってきて色がくすんでいる。替えたいものはたくさんあるのに。

原因のひとつは、やっぱりお金だ。大きい買い物をするためには、他のところを削らなくてはいけない。その価値があるのかと考えたときに、「やっぱいいかな」と思ってしまうのだ。

そんなこと言っても、私は食器が買えるくらいの値段を本には使っている。本屋さんに行って、並んでいる本を眺め、気になった本を手に取り、背表紙のあらすじを読む。そして気がつくとレジに並んでいる。そこにお金をかけることに、ためらいはない。だって、その本を買ったら自分が楽しめるということを確信しているから。

食器はどうだろう。青やピンクのかわいい食器を眺めていると、素敵だなと思う。見た目がすごく気に入って、ワクワクすることもある。だけど、その先のイメージがない。自分がその食器を使って、楽しく食事をしているところが思い浮かばないのだ。

お洒落な食器を使ったことがないから、イメージが湧かないのだろうか。それなら、気が進まなくても取り敢えず買ってみるのも手だろう。

それとも、そんなに必要としていないから、イメージが湧かないのだろうか。それなら、時期がくるまでひたすら待ち続けるのだろうか。

まあ、何にせよ、お洒落な食器がなくても暮らしていけることだけは確かなのだ。それなら焦る必要もない。運命の出会いを待ち続けよう。

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