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デザインの本当の魅力

私がデザインの力に感動したのは、大学1年生のとき。

デザインについて調べていたのは、大学で行うプレゼンテーションのためだった。そのとき行った、デザインに関するリサーチが私のデザインに対する認識を大きく変えたのである。


プレゼンの調査以前の私は、「デザイン=センスに任せてカッコいいものを作ること」という認識をしていた。

・デザインはアートの一種
・その世界にいられるのは、才能の塊を抱えている人だけ

と思っていたのだ。


そんな私の認識をひとつの事例が変えてくれた。

当時読んだ記事がどれだったかは、残念ながら忘れてしまった。しかし内容は上記のものと同様だった。

要約すると、

酔っ払いの電車ホームからの転落事故防止策として、
ホームに置かれたベンチの向きを変えるだけで転落事故が減った

というものだ。


酔っ払いの転落事故が起こるのは、明け方が多いらしい。

これは夜に酔っぱらってホームのベンチで眠ってしまった人が、朝起きるとそのまま前に歩き出して、転落してしまうからだ。(よくわからなかったら、上の記事にわかりやすい図があったので、見てみてほしい。)


このような原因を調査で突き止めた結果、鉄道会社はベンチの向きを90度変えてみたのだそう。つまり、今まではホームに並行に置いてあったベンチを、ホームと直角にしたのだ。

すると、酔っ払いがベンチで目を覚まして慌てて歩き出しても、ホームから転落することはなくなった。結果として、転落事故の数を減らすことに成功したのだ。

ベンチの向きを90度変えただけで!!
人の命が救えるなんて…。
デザインってなんてすごいんだろう!!!


この事例を知って以来、私はデザインの虜になった。

このデザインは、調査による原因究明とその解決のためのアイディアによってなされたものだった。

そのことは私のデザインに対する認識も変えてくれた。

カッコいいものをセンスに任せて作ることがデザインではない。問題解決(もしくは改善)のために原因を追究し、それを取り除くというようなロジカルな過程を経ているのが、本当に魅力的で価値のあるデザインなのだ。


そう感じて以来、私はものを見るときに、そのデザインの理由が気になるようになった。ものづくりの背景やプロセスを知るのが、楽しくてたまらない。

・これはどうしてこの形なのか
・製品Aと製品Bで、素材が異なるのはなぜなのか

知れば知るほど、そのものが好きになっていく。


デザイン(design)
[名](スル)
1 建築・工業製品・服飾・商業美術などの分野で、実用面などを考慮して造形作品を意匠すること。「都市をデザインする」「制服をデザインする」「インテリアデザイン」
2 図案や模様を考案すること。また、そのもの。「家具にデザインを施す」「商標をデザインする」
3 目的をもって具体的に立案・設計すること。「快適な生活をデザインする」

<出典>コトバンク

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