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大人として、女性としての身だしなみ、模索中の話_12(女性である事を大事にしたいと思った事)


私は昔から自尊心というのが低かった。
自分自身というか「女性」としての自分自身にずっと自信がなかった。

年齢が一桁の時から思いがけずいじめの洗礼を受けた。
特に中学時代に受けた言葉の暴力にひどく苦しめられた。

「こっち見るな」「お前を見ていると目が腐る」「死ね」

これらの言葉を毎日シャワーのように浴び、そしてスクールカーストの最底辺で、クラスの女の子達に除け者にされる日々。
部活では吹奏楽部できちんと練習していたので、きちんと1メンバーとして受け入れられていたけれど、同じ部活にいる可愛くて、実力もエース級のメンバーと比較すれば、大したことはない。
「どんなに頑張っても彼女のようにはなれないんだ。」
そんな訳で早く高校に進学したかった。

幸いずっと自分が入りたかった学校に入れたので、全体的に楽しい高校時代を送ることができた。ただし見た目は冴えないのは、残念ながら変わらなかった。大学時代は友達ができて、勉強もバイトもフルにやった。その中でメイクを覚えたものの、垢抜けた感じは当時の写真を見ても、あまり感じられない。

心の奥には見た目のコンプレックスと、周りからの拒絶の記憶がへばりついていた。だからあまり周りに心を開かず、友達も少なかった。少なくとも、中学までの友達は誰もいない。

社会人になってからも基本的に変わらなかったが、卒業して半年弱立った頃だろうか。なんとなく大学時代の仲間達に会いたくなった。
誰に声をかけようと考えた時、卒業式の時に一緒に行動を共にした何人かの友人の顔が5人浮かんだ。せっかくだから連絡を取ってみよう。
その友人達は仲良くなったルートがバラバラだったので、一部のメンバーは話すのが2回目だったという事もあったが、皆楽しかったと言ってくれた。
そのことが嬉しかったから、幹事を何度もやっているうちに定例化し、メンバーの結婚や出産を祝いながら、今まで続いている。

また最初に入社した会社では「しっかり育てて助け合う」という事が根付いた部署に配属されたせいか、先輩達や同僚にたくさん助けてもらった。助けてもらったりするうちに「自分も皆の力になりたい」と思うようになった。自信はなかったけど、自分で勇気を出す事が増えた。

そういうことを経験しているうちに、「人」としての自尊心は回復してきたものの、女性としての自信回復はなかなかできなかった。

「こういう女性になりたい」
「こんなふうに変わったらいいだろうな」
そう思う事があってもどうしたら良いかわからなかった。

そんな中で読んだのが「女の子よ銃を取れ」だ。


自分のコンプレックスを抉られているようで夢中で読んだ。
この中で見つけたフレーズを、たくさん書き留めた。
一番印象に残っているのが、以下の言葉だ。

「私は自分が嫌いでしたから、自分からかけ離れたものにばかり憧れ、そうなろうとしてきました。けれど、私にとって「美しくなる」というのは、そういうことではなかったのです。
自分が自分であることを認め、自分の美点を見出さなければ、
自分の美しさなど表現できるはずもありません。
嫌いな自分を美しくしようとするのは、基礎工事をしていないところに家を建てるようなものです。
誰も決して自分自身から逃げることはできないし、自分から離れたところに美を創り出すことはできない。
そう気づいたのは、皮肉にも数々の失敗を繰り返して「自分以外のほかの誰かにもなれないとわかって初めて、私は「自分を受け入れる」ことをやってみようと思ったのです。」(P.219~220)

自分のことを言い当てられているようでショックだったけど、一方でこんなふうにも思えた。

「自分が他人に好かれないのは、自分に救いようのない欠陥があったからだ。だから誰も私には見向きもしないと思っていた。
そして見た目を整えられなくても良いという言い訳になっていたかもしれない。
辛い過去はなかったことにできないし、コンプレックスは消せない。でもこれまで勇気を出したり、他の人からの支えがあったから、少しずつ回復していったんだ。
自分の行動を積み重ねて、そこから勇気と自信をもらおう。
人に好かれること以上に、自分が気持ちいいことをしよう。」

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そんな想いとともに模索をしていた中で、数年前、市の婦人科検診で子宮と卵巣に腫瘍がある事が発覚した。
その年は転職してから数年経過していて、少しストレスが多い時期だった。前年度は特に異常がなかったので、結構ショックだった。

今はいわゆる低用量ピルを服用しながら、経過観察中だ。
3ヶ月毎に通院して3ヶ月分の薬をもらいに行くのだが、行く病院は普通の産婦人科だ。そこは妊婦さんやママ、そして付き添いのご主人、お子さんがたくさんいる。その中で順番を待っている時に、ふと落ち込むことは多い。
でも一方でこの事がきっかけで、「自分の女性としての部分をもっと大切にしたい」と思ったのも紛れもない事実だ。

比較的最近読んだ本の中で、このことを再実感したので、一番印象に残ったフレーズを書き残しておく。この本の著者は先ほどの「女の子よ銃を取れ」と同じ雨宮まみさんだ。

「自分を守るために、自分が女であることをまず最初に受け入れないといけない。
そうしなければ、いつまでも弱いその部分を誰かにつつかれ続けるのです。サバイバルするためには受け入れるしかない。」
(「女子をこじらせて」P.178)



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