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「夜の大人、朝の子ども」

6月に心療内科に通っていた頃、時間潰しで入った本屋で見つけて、購入した本。



パラパラとめくって、下記の台詞を読んだときに、自分の心に引っかかるところがあった。

「子供に戻りたい」

大人になってからの現実、子供時代の思い出が入れ替わりながら物語が進んでいく。

主人公は、元々家族3人で暮らしていたけれど、諸事情があって離婚し、ひとり暮らし。

うまくいかない現実を過ごしながら、落ち込むこともしばしば。
そんな毎日を過ごす中、懐かしい人達との再会を通じて、新たな気づきを得て、ゆっくりと前進していく。

家族を失った人、ちょっと気になっていた人、本を通じて交流した人、身近な家族など。

主人公と歳が近いからか、読み進めるうちに、主人公に伴走している気持ちになる。

幸せそうに見える人にも、悲しい過去や、傷はある。本を読むと、改めて東日本大震災が与えた影響は大きく、形は違えど、それに翻弄された人はたくさんいると実感する。

最初の章と最後の章のタイトルは、どちらも「わたしの花束」
 最初の章から最後の章とを比較すると、主人公に大きな変化が生じていることがわかる。


さまざまな再会を経て、主人公はそう変わったのか、主人公のいう、1輪の花と花束が持つ意味合いが、どう変わったのか。
どうかこの本を読んで、確かめてほしい。

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