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11月の読書感想文:k.m.p.のぐるぐるな毎日/ムラマツエリコさん、なかがわみどりさん

k.m.p.のぐるぐるな毎日

図書館で見つけたとき、懐かしくて思わず手に取ってしまった。
小学校に入る前か、入った直後の年齢のときにk.m.p.の本を読んでいた。
まだ文字が分からないので雰囲気で読んでいたけど、絵の可愛さやゆるさが好きだった。
ワクワクして読み返してみると、あれ…?記憶にある内容とちがう…?

調べてみると、多分こちらの本だったのかな?
親戚で集まったとき、食べたいケーキを選ばせてもらえず、「お姉ちゃんでしょ」と妹やいとこが優先され我慢した話が印象的。
私は末っ子なので言われたことないけど、兄・姉はそうなのかな?と当時思ったり。
また、幼稚園のプールの時間で、みんなの前で裸で着替えるのが嫌だけど分かってもらえない話に、幼いころ、そうそうそう!と思ったり。

当時の私にとって、絵本というのは空想の世界の話だったので、私の気持ちが描かれてる!なんで?とびっくりしたのだ。

当時と同じ本ではないけど、久しぶりにk.m.p.を読むのも楽しみだなぁと、本をペラペラめくってみると、驚いた。

「え!まんま私の気持ちやん!」

※ここからはネタバレ含みます※

   ○○○

そう思うようになったのはいつからだろう。
大人になっても成長し続けていたいと思っていた。
成長というと大げさだけど、ぼーっとして生きていたくないというか。
ただ家と会社の往復で何も考えずに生きていたくないというか。
1年前の自分と比べたときに、変化があってほしいと考えていた。
会社で必要な資格を取得でもいいし、教養で何かを勉強したとかでもいいし、新しい趣味ができたとかでもいい。

P10の「ぐるぐる、ぐるぐる、くりかえし」のお茶の時間のなかでの、ふたりの会話が
まさに私の思いが言語かされていて驚いた。

ムラマツエリコさん=(厶)
なかがわえりこさん=(な) 以下敬称略
~中略~
(厶)でも、いちいち全部自分で考えて、選んで納得して生きていきたいって思うから、どうしてもムズカシく考えちゃうんだよね。

(な)何を選んでもいいし、どんな人生があってもいいけど、「自分で選ぶ」ってことは、「生きる」ということを自分でやってる、って実感するために、すごく大切だと思うな。

(厶)意識しながら生きたら、良くも悪くも刺激がすごく増える。そしたら、しあわせーって感じることも、もっともっと増えるんじゃない。

P10「k.m.p.のぐるぐるな毎日」

たしかに!!と何度もうなずいた。
受け身的で行動するのは、自分の責任が小さくなり楽かもしれないけど、ムラマツさんが書かれているように、 
全部自分で考えて、選んで納得して生きていきたいって思う」から、私は考えることをやめたくないんだなと思った。

そしえ私があれもこれもやってみたい!と欲ばりに考えてしまうのも、この生きていくために選択肢を増やしたいと考えているからかもしれない。

このあとのなかがわさんの発言もすごい。

今あるちょっとのしあわせも、感じることができなかったらないのとおんなじ。

P10「k.m.p.のぐるぐるな毎日」 

考えて発言したり行動するのは、批判を受ける可能性もあるし、その逆もあるかもしれない。どうなるかは分からないから、ネガティブに考えてやめてしまうよりも、えいっ!と行動していきたい。
でも失敗したらどうしようと考えてしまったときは、ムラマツさんの言葉で勇気をだしたいと思う。

そうなるために今、やりたいことをさがして、見つけて、それをやりつづけたいんだよね。
いつを結果とすればいいかなんてわかんないし、楽しいって感じた瞬間全部が、結果とも言える。はっきりした結果が出た時にやっとはじめて、それまでの人生は成功でした、結果が出なかったらつらいだけでした、なんて人生はやだよ。

P10「k.m.p.のぐるぐるな毎日」

毎ページ、気の抜けないほど心に響くおふたりの会話

こちらはもともと、女性誌「optim」で連載されていたもので、内容から仕上げまでおふたりが考えて作られたもの。
あとがきで、テーマも限定されず、内容も自由だったと書かれているように、仕事の話・モノづくりの話・幼少期の話・結婚の話・旅の話…などなど、色々なお話が掲載されている。

内容・企画・文章・漫画・絵・レイアウトなどk.m.p.が全て1から考えられて作られているので、おふたりの思いがギュッと詰め込まれている。

それが今の私の心に刺さるのだ!
学生のころならちゃんと理解できなかったと思うけど、社会人になり多少責任を持つようになり、ここでは文章を考えたりしている。

そうそう!これが言いたかった!
あ~もっと私も頑張らないとな…。
あのとき、この言葉を誰かに言ってほしかったのかも。など、読んでいてたくさんの思いが溢れ出してくる。
この本を読んだことある人に、どこが心に響いたのか聞いてみたい。
それほどに、いい言葉が書かれているのだ。

でもこれは、ただ耳障りのいい言葉が書かれているんじゃない。
ふたりが努力して、楽しんで、頑張って実践されてきたからこその言葉の重みなのだ。

P85~88『「はじめての」本の出産』では、上記の本を作るために、2回エジプトを訪れている!
1回目旅行をして、この旅で感じたことを誰かに伝えたいと思い、でもそのときの記録だけでは記憶が頼りない。だけど、本をつくりたい。
じゃあ、もう一回行って、旅のエジプトを伝える本を、本格的につくってみようともう一度旅をされて、こちらの本が出来上がった。
すごい!すごすぎる!
自分のやりたいことに向かって、妥協せずに取り組むこと。
旅の本だけでなく、k.m.p.の創作物からはその本気度が伺えるので、こちらも背筋が伸びる。
それに、おふたりが本気だからこそ、読んでいる方もおもしろい!
だからこそ、何かに本気に取り組んでいる方にとっての叱咤激励の本になるのだと思う。

もちろん、絵も可愛いしおもしろい。

真面目な内容だけど、するっと心に入ってくるのはゆるくてかわいい絵のおかげかも。
章ごとに、今日のお客様。として絵が本のなかを走り回っていて(!?)本当にかわいい。
ナンチャッテイカ、ナマーズ、ナンダちゃんが特に好き。
そしてところどころにある、遊び心が面白いし楽しい。ぜひページ数には注目してほしい。

今を頑張っている人みんなに読んでもらいたい一冊


大人になってからもう一度k.m.p.に出会えてよかった。
もっともっと他の本も読んでみたい!
きっとこれからも私にとってのお守り本になるだろう。

最後にこちらの文章を紹介したい。

ぜんぶやりたい。
ーぜんぶやった。

P87「k.m.p.のぐるぐるな毎日」

この言葉を言えるように、本気でやりたいことに取り組んでいきたいと考える。

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