見出し画像

特別支援学級の先生が薬説明?!

1年生の終わりころ、2年生から特別支援学級に異動する前に、担任と支援級主任との面談がありました。

熱心な先生でいろんな説明をスライドでしてくださいました。途中から専門的な脳の仕組みなどの話になり、発達障害の子の脳のメカニズムのようなことを脳科学の観点から図や表などを使って解説してくれました。

学生の頃から知的障害や発達障害のある子どもたちと関わる仕事をしていたことや、自分の子どもがそうだとわかりさらに専門書などの書籍も多岐にわたり読んでいましたが、実際育てている上では、脳の仕組みなどは現実には必要が無かったのでそのような内容の個所はあってもさらっと見て終わる程度でした。

ただ、その先生はこのような感じの専門的過ぎるともいえる内容のスライドを何枚も用意していて、途中でどうしてこんなに丁寧に細かく説明するのだろうと思っていたところ次のような発言がありました。

脳の機能をスーズにするための薬がいくつかありますが、この薬は中毒性がある麻薬のようなものなので、今は使われていませんとか、この薬は即効性がありますとか、これはじわじわとしか効かないので長く飲む必要がありますとか、さらには、副作用についても説明されました。

そこで、ああそういうことか。支援級に来る前に服薬を開始してほしいということでこの脳機能の説明をしていたのかと納得しました。

もう何年も前から、児童精神科を受診していて薬を始めるにしても子どもも親も納得した上でということを主治医とも話していたので、まだ受け持ってもらっていない学校の先生からこの説明をされたことには戸惑いを覚えました。

その時に、今の状態だと支援級に来てからが心配であること、実際にちょっかいを出されて、今から嫌がっているお子さんもいることや、支援級の先生の中にも特性を理解してない方もいるということでした。

その時は、翌年度の学校統合・学級の変更・校舎の場所の移動と多くの変化があるため、少しでもそこのストレスを減らすために、週1回支援級で練習をさせてもらっていました。そこでの彼の行動や態度を引き合いに出し、嫌がっているお子さんや、特性を理解していない支援員もいると言ってきた先生の真意はわかりませんが、とにかく服薬にて状況を変えてほしいということだったと思います。

服薬してから劇的に変わって学校生活を穏やかに楽しんでいる子の例が出されたりしましたが、服薬を開始して数年経過した今思うのは、そういう子は多くは無いということです。周囲でも薬の力を借りて前より状況がかなり変わったという話よりは、少し良くなったかもしれないけど本当に薬効いているのかなと言った話が多いことや、主治医も服薬調整は難しいと言っていることからも服薬でかなり改善されるというのは本当に薬が合う場合のみであってなかなかそんなに簡単ではないということも今ならわかります。

当時の担任からは授業は座っていられて他の友達の妨害をしていないが、休み時間にはコミュニケーションがうまくとれずお友達とうまく遊べなくて手が出てしまうこともあるということを聞いていました。

担任から支援級の先生にその時の状況は伝わっていたと思いますが、授業中はよいとして、休み時間のコミュニケーションの問題は支援級に異動したら多くても6人の学級で担任と支援員が一人か二人いるのだからそこに関しては支援と学びでこれから学んでいくことではないかと思っていることを伝えました。

さらに、特性を理解していない支援員がいるというのを聞いたときにはあきれました。それでどうやって支援ができるのかということです。支援級に入ってくださっている支援員は確かに資格も何も必要ありません。募集のチラシに子ども好きな方というような文言もあるくらいで、実際のところ子育てを終えたお母さんや障害児育児中のお母さん、他に夢があって週3くらいで仕事をしたい人、シルバーの方など様々でした。

そのようなこともあり、全く知識がない人たちが支援員をしているという前提だと、先生方が一人一人の子どもたちの特性を事前に説明して知らせることが重要なはずです。さらに、理解していないのではなく理解しようとしないならまさに支援員とは名ばかりになってしまいます。ただ、実際がそういう状態であるからこそ、服薬を暗に勧められたのだと思います。

誰でも最初は子どもに服薬をさせたいとは思わないと思います。当時は私もそう思っていた一人だったので慎重に考えていましたし、お友達とのコミュニケーションは発達がゆっくりなことや特性所以で時間がとにかくかかるということは経験を積んで少しずつできるようになるしかないということも言われていました。

それもあって面談の際にすぐに、では主治医と相談して服薬を開始しますということは言えませんでしたし、やはり服薬や薬の詳細に関しては医師や薬剤師の専門家から話を聞きたいといまだに思います。保護者同士で話す分に関しては専門家ではないけれど子どもの変化を見てるからわかることが色々あるので気楽に話せるということは実際にあります。

支援級で多くのお子さんを見ていて服薬によって状態が良くなったお子さんを見ているからこそのアドバイスだったのは、とてもよくわかりました。

しかしながら、日常生活で服薬必要性を全く感じたことのない保護者との面談の時にも、同じスライドを見せられたと聞いて、その先生は脳機能の仕組みから始まって薬の種類と効能を毎回保護者に見せているのが良くわかりました。

後々、服薬をすることにはなりますがこの時はまだ服薬を開始することはありませんでした。子どもが嫌がらずに毎日薬を飲む。親もそれを応援する環境はその後しばらくしたタイミングで訪れることになりました。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?