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山の上の風景

先日、通っているヨガのクラスでサットサンガを行うことになった。サットサンガとは、自分が体験している苦しい事をグループでシェアするという実践らしい。私は初体験である。

私以外のクラスの参加者は家庭を持っている女性だけである。何人かは泣きながら、この2020年の苦しい体験、思いを話してくれた。いつものクラスでの振る舞いからは想像もできないような話ばかりだった。

本人達は自覚していないのだろうが、話を聞きながら感じていたのは、むしろ彼女達の強さだった。それぞれの苦境と向き合いながら、皆、希望を捨てずに耐えているように観えた。そして、当然というべきか、彼女達にとって、ヨガは単なるエクササイズ以上のものになっていた。

自分にとって、「強さ」や「力」は大きなテーマである。ここ数年、武術を通して、このテーマについて考えていたつもりであったが、2020年は武術との繋がりが良くわからなくなってしまった。かねてから敬意を払っていた武術家達が、「強さ」とはほど遠い言動を示したからである。私は、確信が持てないまま、一部の人間からは離れることにした。

このサットサンガで私は、自分の疑問に答えが与えられたような気がしたののだ。思い通りに勝負を運ぶことだけが強さではない。嵐に揺れても折れない中にも強さがある。その気づきを得るために、私は自分が慣れた場所から離れる必要があったのかもしれない。山の上での風景は予想以上に美しかった。

Photo by JOHN TOWNER on Unsplash

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