新規事業・プロダクトの3つのつまづきポイント
新規事業やプロダクトを起こしていく上で、つまづきやすいポイントをまとめました。
つまづきポイント①
今できることからこじつけた非実在ペルソナ
製品は20代のアニメ好きがターゲットだ
↓
20代のアニメ好きはこんな人物だろう
きっとこの製品を使うはずだ
↓
その想定でアンケートしたら好評だった
↓
製品化しよう
最初に自分たちのターゲットとなるペルソナを決め打ちするパターンは危ないです。これによってペルソナの行動が「自分たちに都合がよく」「現実にはありえない」ようなものとなってしまいます。
「このペルソナは、この場面でなんと喋る?」
に答えがだせない場合、そんなペルソナはいないのだと思います。
非実在ペルソナにしないために
まず、アンケートはリサーチではありません。
デモグラフィックで切リ分けられるような
課題は現代においては、
たいてい解決されています。
よりリアルな経験をもとにする場合、UXリサーチの方法論に則って、すすめるべきです。リサーチには探索型と検証型があり、探索するのに検証の手法をつかってもミスリーディングとなるからです。また定量調査では「声の量」は見えるかもしれませんが、
「声の重さ」までは測れません。ステークホルダー毎に重み付けを行い、定量調査をする必要があると思います。
つまづきポイント②
フレームワーク至上主義、線形進捗絶対
大量生産商品のように 論理的にプロセスに沿って 行えば正解が出る!
フレームワークがアイデアを生む!
大量生産品のようにプロセスに沿うことで、アイディエーションやプロトタイプのフェーズが進むと考えるパターンも危ないです。
アイディエーションやプロトタイプのフェーズは、一方通行でもなく、かならず前進するとも限りません。実施した結果、もといた場所に戻ったり、元いた場所よりさらに過去の地点にさかのぼったりすることもありえます。
それを従来の漸進的に進むプロセス評価手法で管理すると、アウトカムが発生しないこととなるため、プロセスの評価がおかしなこととなってしまします。
順次進まないことが許容されうる組織、評価設計とする必要があります。
また、「人間中心だから」「デザイン思考だから」 成功に近づくということではありません。フレームワークそのものが、0からアイデアを生むわけではないのです。
よって成果物がキラキラしていたりするのは危ないです。
ペルソナはボロ雑巾のように
使い倒してなんぼですし、ストーリーボードは、理想の1日を描いて清書するのではなく、その地点での動作がこのペルソナにはあり得るか?の確認に使うものですね。
つまづきポイント③
デザイン置き去りの要件定義
機能を先につくってしまう。
その機能の説明に「デザイン」を使う。
デザインを「スタイリング」の意味だけでとって、最後の仕上げ、と考えるパターンは、大変危ないです。
「構造を設計する」意味のデザインを置き去りにすることは、その製品や事業の要素のうち半分を置き去りにしていることにほかなりません。
大事な理由は、人が認識するのは機能ではなく形であり、形から何ができるかが類推されるからです。(メンタルモデル)
その類推と実際の期待とすり合わせるプロセスが、プロトタイピングになります。
プロトタイピングを「試作」や「先行公開」と位置づけるのも危ないです。
プロトタイピングの目的は、体験を先につくり、全員で共有し、それが実際の期待とどう違うのか?を検証することです。
「どれだけ早く成功できるかは、いかに高速に、大量に失敗できるかにかかっている」のです。
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