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Salesforce×人材紹介事業は相性が良い。Professional Studio と Goofy が作った「超」業務効率化の仕組みとビジョンを2社が語る

Goofy では SFA Hands-on というサービスを展開しています。 この度、経営幹部候補人材と有望スタートアップのマッチングなどを行っている人材紹介会社 Professional Studio に伴走しながら Salesforce を活用した開発・構築をいたしました。このシステムにより Professional Studio は売上が飛躍的に増え、人材紹介事業のDX化に成功したと言える結果に。

 Professional Studio と、これまで多数の Salesforce 開発・構築実績を積んできた Goofy だからこそできたシステムであり、人材紹介企業が抱えている課題を解決できるものと自負しております。

その開発に至る背景などを Professional Studio 執行役員の遠藤さんとGoofy代表 山本が対談いたしました。

ー聞き手:Goofy 広報担当 柴田佳奈

遠藤 祥浩
Professional Studio株式会社 執行役員 Head of Career Agency
東北大学大学院修了後、システム開発や人材紹介業に従事。ワークポート、JACリクルートメントにて、キャリアコンサルタントとしてIPO前後のSaaS企業や大手DX推進領域の各種エンジニア職を中心にハイレイヤー〜CxOクラスの転職/採用支援を行う。その後、マネーフォワードにてHead of Talent Acquisitionとして、年間数百名規模の採用活動を推進。2023年2月より参画。

山本 恭平
株式会社Goofy 代表取締役-founder
順天堂大学卒業後、リクルートG,Medley,hubbleにて一貫して営業責任者を経験。その後SFA/CRMを活用した営業体制の構築に価値を感じ、2019年に株式会社Goofyを設立。累計実績150社のSFA/CRMの構築運用、コンサルティング実績を元に企業における本質的なシステム導入及び運用サービスを提供。

Salesforceは人材紹介業と非常に相性が良い

ーー いきなり直球の質問ですが、Salesforce(以下SF)は費用が安くはないですよね。それでもたくさんの企業が導入しています。それだけ良いってことなのでしょうか?

Goofy代表 山本(以下山本):たしかに高いという面はありますが、活用次第で非常に効果が出ます。SF導入したものの活用しきれずに途中でやめてしまう企業も多いのですが、めちゃくちゃ勿体無いですね。

Professional Studio 遠藤(敬称略 以下遠藤):SF、私も良いと思っていますね。私が今の会社に入社していちばん最初に感じた課題が「情報が点在している」という点でした。ベンチャーだとあるある話ですが、少人数だと阿吽の呼吸で理解しあえるので、情報管理を徹底する必要を感じにくいのです。しかし急成長する前に情報管理はしっかりしたほうが絶対にいいですし、特に人材紹介は情報のアップデートも激しいので手動では限界があります。それらを叶える最適なツールは何だろうとリサーチし、比較検討してこれだと思ったのがSFでした。

山本:SFの良いところはカスタマイズが容易なところですね。SFって超有名なので名前は聞いたことある、なんだったら導入もしたことある、でも実際どういうものかわからない、という人も多い。説明が難しいですが、本当に何でもできるシステムです。ちょっとした企業が数年かけて作れるレベルのシステムじゃないので、レベルはめちゃくちゃ高い。活用しない手はないってぐらいなんですが、自由度が高すぎてハードルは高いです。でもだからこそ、細かく構築できてその企業に合うものが作れる。

遠藤:まさに、業務にアジャストできるシステムなのが個人的にも非常に良いポイントだと思います。人材紹介会社向けのシステムっていくつかあるんですが、自社の業務フローに適していないケースが多々あるんです。「こういうフローでやってね」と、そのシステムに業務フローをアジャストさせる必要があるのが既存のもの。これって本末転倒だと個人的には思っています。「今うちではこういうフローでやってて、これを加速させたい」「ここがスタックするからこれをなくしたい」が一番の業務改善になると感じるんです。

山本:人材紹介のシステムで、一般的にSFはあまり想起されません。導入企業は多いのですが、活用できている企業が少ないからかもしれないです。でもじつは、遠藤さんの言うとおり自社のフローに合わせて細かく作れるので、SFって人材紹介事業にすごく向いていると思います。

人材のプロであるProfessional StudioとSF開発のプロ Goofy のタッグ

山本:SF導入企業は、現状営業管理や顧客管理はできていないが、これから実施していきたい。ただどんなツールがいいのかわからない、というような管理自体のプロセスがない企業様と、既にエクセルか何かなどで管理はしているが、効率化,業績向上の為にツールに置き換えたい。ただどんな事ができるかまではわかっていないという企業様の2パターンが多いんですが、Professional Studioさんはどちらでもなく、ある程度仕組み化できていた上で「SFを使ってこういうものが欲しい」と理想のフローがハッキリしていました。技術に対してのリテラシーが高い人がいる人材紹介企業がそもそも少ない印象なので、最初は驚きました。これは、遠藤さんがもともとエンジニアだったということも大きいですよね?

遠藤:それはあるかもしれないです。ただ、当初頭の中で描いていたものって、いざ作り始めたり運用に乗せたりするとイメージと違う場合があり、Goofyさんから「こっちの仕様のほうがいいんじゃないですか?」と提案いただいたりしましたね。あとは「この機能をつけて、何を解決されたいんでしたっけ?」と定期的に振り返らせてくれる質問をいただきました。開発って、だんだんと機能をつけることがゴールになる場合もありますが、Goofyさんは常に目的思考で、ブレずに開発を進めることができました。

山本:うちのポリシーである「人×テクノロジー」がうまく機能しましたね(笑)

遠藤:本当にそうですよ。開発の間ずっと、細かくディスカッションしながら作ることができたのがすごくよかったです。

山本:進めていくうちに、もっといいものを作りたい、という気持ちがお互いにどんどん高まり、当初の契約期間より伸ばしてくださいましたね。とは言ってもトータルでも半年くらい。遠藤さんのように技術に明るい方がフロントにいてくださらなかったら、開発に2〜3年かかっていたと思います。

遠藤:結構高い要望を出していたので、大変だったと思います(笑)

山本:たしかに要望のレベルは高かったですね(笑)「システムをこう作ってください」ではなく、行動変容から逆算した依頼内容で「今1時間かかっているものを10分にしたいので、ここの部分をどうにかしてSFで自動化できないですかね?」というような、なかなかにハードな要求でした。

遠藤:すみません(笑)

山本:いえいえ(笑)遠藤さんがハードな要求をしてくれたおかげで、弊社が今提供している人材紹介のパッケージシステムがあります。そのパッケージにあるさまざまな仕様は、人材のプロである遠藤さんの要望を基にしてSFで構築しました。弊社も人材紹介のノウハウはありますし、プロフェッショナルと自負していますが、遠藤さんはその上をいっていると素直に思えました。なので、「弊社はSF開発のプロ」という立ち位置を意識して進めていました。

遠藤:そう言っていただけるのは嬉しいです。ありがとうございます。

山本:遠藤さんとの開発がなければ、弊社のパッケージシステムは実現していなかったんですよ。Professional Studio 社は人材紹介業におけるフローを徹底的にやっている会社ですが、そうじゃない人材紹介企業も結構あるんですよね。そこに弊社のパッケージを使ってもらうと「なぜこのフローが重要なのか」から伝えることができ、そういった企業にとっては「超」がつくほど業務効率化できますよ。

遠藤:業界全体の生産性が高くなるのは嬉しいですね。

 

「超」業務効率化の仕組みができるまで

ーー 遠藤さんの要望内容や理想は、具体的にどのようなものだったのでしょうか。

遠藤:まずは求人の管理、求職者の管理をしたいという要望でした。基本的な部分をきちんと、わかりやすくまとめたかったんですよね。求職者の管理で言うと、その人がどんな状態で、どんな思考性を持っていて、どんなタイミングで動いてどんな動機で決まるか......など。それら全てを管理したい、ということです。

山本:人に関して数値で捉え、可視化できるようにするの、めちゃくちゃ重要ですよ。仕組みで言うと、働いている人の住所など基本情報はどの会社でもフォーマットは一緒。その下に属性データをたくさんつけました。登録項目に「現在の状況」や「ヒアリングの内容」、「転職の温度感」、「希望の職種」、「今どこを受けているか」など。記入はフリーテキストではなく、あらかじめあるものから選択式にしたい、というのが遠藤さんのこだわりでしたね。

遠藤:はい。そうすれば検索で持って来れたり、抽出することができたり、傾向値も見れるので。あとは求職者の集客は外部の媒体から引っ張ることが多いんですよね。媒体との相関性も意識して作ってもらいました。

山本:集客には複数の媒体を使うのが基本というのも、人材紹介業における管理の難しさではありますね。AさんとBさんが別々の媒体から応募すると、同じ案件であってもデータベースがまとまっていなければ2回作る必要が出てきます。2人分作り、アピールポイントもデータベースにないので手入力して。同じ案件を2人に送るだけなのに、すごい手間がかかるというのが通常です。

遠藤:同時に応募されればいいですが、1週間など時期がズレるともう大変。こういったものも含めて「求人票の作成」ですね。

ーー 求人の管理についてはいかがですか?

遠藤:例えば「ある職種の求人をつくりたいです」となった場合、システム上に求人出力のボタンがあって、クリックすると求人票が出ます。まず、これがすごい。そして、ここからも画期的なんです。求人票を1つ1つ出力する機能や、出力した求人票をローカルにダウンロードしてGmailとかに添付し送信するのは他社のシステムでもできるんですが、開発した仕組みのすごいところは、システム上からメーラーを立ち上げてテンプレを入れ、求人票を添付したらそのまま送付することができるんです。毎日たくさんの求人票を送るので、ローカルに落とす必要がないのはかなり時短になります。しかも、1人に対して求人票を複数選択し送信もできる上、複数の求人票を複数人に対しても送信できます。実はこの作業は大変手間がかかるのでこの時短は実利につながります。

ーー (実際に画面を見せていただきながら)え、すごい。

遠藤:本当にすごいんですよ!

山本:このあたりの開発、めちゃくちゃ頑張りました。ちなみに「この求職者グループ100人に送る」などもシステム上でできます。複数の求人票を複数人に送る、1人に複数の求人票、複数人に1つの求人票も、もちろんできます。これ、SFを使って開発したというのが重要なんですよね。求人票の送付の仕組みだけじゃなく、他にもたくさんやりたいことがあったので。マッチングや稼働、ステータス管理、KPI管理、データ分析など。それらはSFが元来持っている強い部分なんです。それらを人材紹介に寄せて開発した、人材特化システムです。

遠藤:ステータス管理も今までは手入力していたので、自動なのが非常に便利で、正確になりました。

求人票作成が60分から5分に短縮

ーー すごく効率的なことはわかりました!しかし、人材紹介会社で働く人たちは、熱い想いを持っている人が多いため「1つ1つ想いを込めて」とか「この求職者に合うものを自分が選んであげたい」というような考えもあるのかな、とも思います。人材紹介事業は自動化に向いていないと感じている人もいるかもしれません。

遠藤:そうですね。そういう面もあるかもしれませんが、大手の人材紹介サイトなどは求職者に情報を検索させて見つけてもらう仕組みで、これもある意味、自動化のひとつです。人材紹介業界は、このようにシステムを使いこなす大手と、人の紹介だけで成り立つ小規模企業とが混在しています。

山本:「◯◯さんが紹介する人なら信頼できる」とか言われる場面ですね。リファラルもそれに近くて、優秀な人が採用できるという面は確かにあります。個人レベルではそれも成り立ちますが、組織でやっていくことを考えると、僕は人材紹介こそ自動化が向いていると思います。だって企業情報は同じで、求人票を作るために1箇所ずつコピペしてる。コピペは手書きよりはもちろん早いです。でもコピペするような情報なのであれば人間がやらず自動化していいですよね。

遠藤:はい。実際、今回Goofyさんと開発したシステムでは送付する部分だけではなく求人票をつくる時間が劇的に改善しました。エグゼクティブ向けなので、それこそ丁寧につくっていて、以前は60分以上かかっていました。それが、今は5分以下です。

ーー もともとはどのあたりに時間がかかっていたんですか?

遠藤:データベース化されていなかったものを目視して、おすすめポイントや年収情報とかも手書きして......そこに時間がかかっていました。今は全部データベース化、必要応じてカスタマイズして抽出できるようになったので、その求職者に合いそうな企業の抽出が、あっという間にできるようになりました。最も良いことは、決定率も上がっていることです。

山本:ただの自動化ではなく、結果に結びつくことが重要ですね。場面によって正解は変わりますが、多くの面で「まず量を増やし、その次に質」が大切だと僕は思っています。人がやっても人がやらなくてもユーザーにとってはどちらでもいいというところはシステムで解決し、情報をできるだけ早くユーザーに届けるべきです。

遠藤:誰に、どんな情報を、どれぐらいの量送るのかを考えるのは人間がやり、自動化して時間ができると質があがります。たとえ量が必要な求職者がいたとしても、じゃあ量って一体どれぐらいなのかは求職者によって違います。このあたりを見極めるのは人間がやったほうが精度はいいよね、というのが私の考えです。

山本:人や企業は増えないのに、人材紹介会社はどんどん増えてる。だからこそ、こういった効率化をして、1秒でも早く届けないと生き残れないと思います。

遠藤:まさに。特に弊社が対象とするエグゼクティブ人材は、たくさんのスカウトが日々来ています。極端な話、1秒の差で決まるということも少なくありません。今回できたシステムを使い、スピードを上げるという業務効率化だけではなく、いちばん重要な売上がグンと上がりました。じつは面談後、候補者の方の意向度が高い状態でポジションの提案ができるかが勝負の分かれ道になったりします。。今回開発したシステムによって、その点が非常に助けられていて、売上増加に直結していると感じています。

圧倒的な業務改善で売上が飛躍的に増加

ーー 徹底的に自動化して業務を効率化した結果、売上が増加したと。

山本:僕は実際の数値でどれだけ売上があがったかを聞いたんですが、とても驚いたと共に、心底嬉しく思いました。Professional Studioさんは周囲から「エグゼクティブクラスの人材紹介なので、1件あたりの仲介手数料が高いから売上もあがりやすいんでしょう」と思われるかもしれませんが、じつはそうじゃないという点も重要だと感じてます。

遠藤:一般的なエグゼクティブ向けの人材紹介と弊社は、たしかに異なります。紹介する企業はスタートアップもあるため、年収は下がるケースも多々。その場合、山本さんのおっしゃるとおり仲介手数料は高くなりません。

山本:金額だけ考えれば、年収が上がる提案をするのが人材紹介ですから、珍しいと思います。

遠藤:弊社のビジョンは「挑戦を、もっとなめらかに」というもので、後世に強い日本を残していくことに貢献したいという想いがあります。今はそういったエクゼクティブ人材は転職時、外資系企業を含めてほぼ大企業が取り合っていますし、もともと高い年収が更に上がることが多く、その道を選ぶ人も多い。しかし、そればかりだと日本全体で見るとインパクトが少なく、GDPは低いままという課題があります。優秀な人にこそ、一時的に年収は下がっても、上場や売却を目指すスタートアップでCxOを経験してもらいたいです。

人は「人がやるべきこと」だけに集中できるように。アウトプットよりアウトカム

ーー 最後に、人材業界の課題や業務効率化についての意見を教えてください。

山本:人材業界の課題で言うと、既存の人材紹介事業向けのサービスは管理方法にフォーカスしているものが多く、自動化など業務改善ができるというものは見当たりません。人材紹介はデジタル化は進んでいるけど、自動化など業務効率化、バズワードを使うと「DX化」ができていない業界だと感じます。

遠藤:そうですね。効率化を考える際、業績を最大化する観点が重要だと思っています。人のデータを管理するのも、業績を最大化するために必要なことの一部です。管理とか自動化とか、こういう言い方をすると「人はモノじゃない」という感覚になる人もいるかもしれませんが、実際には人を支援をするのが我々の役割なので、その人のためにも理想の動線を描けるようなシステムが必要です。

山本:「人はモノじゃない」と感じる人、いますね。遠藤さんがおっしゃってるのは社内側のシステムの話であり、かつ人材紹介業なので、人についての管理や自動化が業績に繋がることは間違いないと僕も思います。自動化を進めることができれば、人材紹介をやる側の人はもっと重要なこと、例えば面談や企業訪問などをする時間を確保することができます。

遠藤:おっしゃるとおりです。本当はそういう重要なことをやりたいけど、入力作業が多くて時間がない、という人材紹介の人はたくさんいます。私もあらゆることを自動化したいのは、人は「人がやるべきこと」に集中したほうがいいと思っているからです。エグゼクティブ層ほど当たり障りない会話は好みません。業界の動向や、意見を求められることが多いです。「レジュメから見たその人の強み」や「マーケットを考えるとこういう方向性でいくといいと思う」というような内容を話す必要があるんですよね。

山本:なるほど。それだと求人票などの入力作業に時間がかかっていては、業界の動向などを勉強したり、意見をまとめる時間が取れませんよね。

遠藤:はい。面談した方々に何を返せるかが重要ですから、キャリアコンサルタントが本質的に顧客のためになることに時間をかけてほしいです。

山本:アウトプットよりアウトカムを確実に、ですね。今回開発したシステムはアウトカムを重視したものです。システムを使ったことによって業務効率化できたという現場の成功体験ってすごく重要なので、いろんな企業にまず使ってみて欲しいです。そして業界全体の業務効率が上がることを願っています。

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