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オンラインレッスンの品質を上げる方法【第2回 音声編】

ダンススタジオやピアノ教室、英会話教室などで今オンラインレッスンを検討しておられる教室主催さんも多いはず。ぐっでぃテレビ 映像クリエイティブLabでは数回にわたって、映像クリエイターが映像や音声といったシステム的観点で、オンラインレッスンの品質を上げる方法を紹介したいと思います。第2回の今回はオンラインレッスンを主催する際の音声編です。

「映像」と「音声」あなたはどちらが重要だと思いますか。

さていきなり問題です。
オンラインレッスンを行う上で、あなたは「映像」と「音声」どちらのほうが重要だと思いますか。
「そりゃビデオ会議(通話)を利用しているんだから映像でしょ!」って考える人も多いはず。
しかし実は「音声」のほうが重要なんです。

もちろん「映像」はとても重要な情報ですが、もし一つ選ぶなら「音声」の方が重要です。
想像してみてください。もし「映像」の画質が悪くても「音声」が滑らかでクリアに聞こえていたらさほど視聴にストレスを感じませんが、「映像」がきれいで「音声」がプツプツ切れた状態だととてもストレスを感じます。

極端な例ですが紙芝居や絵本の場合、絵(映像)は止まっていますよね。でも本や紙芝居を読んでいる声(音声)が感情豊かに聞こえると、絵は止まっていても聞き手はどんどん頭の中で映像を作り上げていきます。
それと同じで「映像」は少々画質が悪くても「音声」が聞き取りやすくクリアだと「映像」は頭のなかで補えるのです。

【よくある不具合】zoomやskypeで音声がところどころプツプツ切れる現象の原因は音声を雑音と認識しているからかも!?

zoomやskype、Lineなどで音声がプツプツ切れる原因の一つとして考えられるのが、ノイズを極力相手側に伝えないように、不要な物音のなどを自動で消去するノイズ処理機能の仕業によるものです。

イメージしやすいのが、騒音の中でzoomやskypeで通話すると、どの音が必要で、どの音が騒音なのかアプリは区別がつかず、騒音を消す処理と共に、騒音にかぶった声も共に処理してしまいます。これがプツプツと声が途切れて聞こえる原因の一つというわけです。

つまり出来るだけ騒音やノイズをマイクに入力せず、認識してほしい音声だけをマイクに入力出来れば音声がプツプツ切れる現象を減らすことが出来ます。

【問題を解消するには】マイクを口に出来るだけ近づけよう。

音声を入力するマイクに環境音(騒音や生活ノイズ)と音声(声)をはっきりと区別させることが重要です。マイクを出来るだけ口に近づけることで音声(声)を大きく入力させ環境音(騒音や生活ノイズ)を小さく入力させることが出来ます。

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上記の写真の男の子のマイクを見てください。舞台挨拶の時などにタレントさんが、この男の子のようにマイクをあごに当てて話している姿を見たことがありませんか。これはかっこをつけているのではなく、マイクに入力する音を出来るだけ均一に安定させるため、あごにマイクを固定することでマイクと口の距離を一定に保っているのです。

PCやスマホの内蔵マイクでオンラインレッスンをされている方は、ちょうどこの男の子の状態と反対で、根本的にマイクに近づいて話をすることが出来ないのでノイズを拾いやすくなります。

またマイクにはそれぞれ指向性というものがあり、多くの場合マイクの向いている方向が最も音を拾うエリアとなります。
※厳密には色々な指向性を持ったマイクが存在するのですが、今回の場合ざっくりとマイクの向いている方向がマイクの音を拾うところと考えても大丈夫です。

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実はスマホの外部マイクって、スマホの本体下についていることが多いです。つまりスマホの内側カメラを見ながら話をしているということは、マイクが下向きになっている状態で話をしていることになります。ということは口ではなく下向きの音をよく拾うということになってしまい、環境音(騒音や生活ノイズ)をメインに入力しそこに音声(声)がかぶっている状態になってしまします。

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ノートPCは画面上部のカメラレンズの両サイドにマイクが位置することが多く、スマホに比べると方向的にはまだましですが、マイクに近づくとカメラに寄りすぎてしまい、よい画角で映像を撮ることが出来ません。
というわけで物理的にマイクを口に近づけるためにはマイクを用意するのが一番手っ取り早いです。

【どんなマイクがいい!?】答えは難しい・・・求めるものによります・・・

マイクの性能を上げ、音質を向上させるのは、もちろんいい方法なのですが、よいマイクを導入すると、それに伴う付加的な投資や、よい環境を用意することも大切となります。
コンデンサーマイクなどは音質も良く、感度もいいので、良い状態で音声を拾うことが出来ますが、その分ちょっとしたノイズも拾ってしまうので、扱いは難しくなります。もちろん部屋のノイズを減らしたり環境から変えていけばどんどん音質は向上しますが、そのあたりはどこまで突き詰めるかという話になります。

※下記のようにコンデンサーマイクを使って音を拾えば音質向上となりますが、その分マイクを固定するショックマウントを購入したりと環境を整える必要があります。音楽系のレッスンなどをお考えの場合、マイクや環境づくりを配信したいものに合わせていくつかの方法を検証しながら考えていくのが音質アップの近道かもしれません。音声って意外と奥が深く、何がいいかのかって絶対性がありません。この辺はどのレベルで手を打つかという話になりますが・・・

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【というわけで】一番簡単なのはヘッドセット。

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話は少し脱線しましたが、マイクと口の距離を安定させるために最も簡単な方法はヘッドフォンとマイクが一体型になったヘッドセットを使用する方法です。
価格帯もそれぞれですがまずはお試しに何か一つ買ってみるものいいかもしれません。
各社様々な価格帯で色々なものが売っていますがオーディオテクニカやゼンハイザーといった音響機器メーカーのものが私は好きです。
※もちろんその他のメーカーでもいいものがあると思います。

ちなみに入力端子が3.5mmミニプラグのものとUSB端子のものがありますが、USB端子のもののほうがノイズが少ないことが多いようです。

↑↑このあたりのヘッドセットがコスパが良さそう・・・

【最後に】結構音声って大切です。まずは音声向上を目指そう。

オンラインレッスンを始めるとき、きれいな映像を生徒さんに見せたいって考えがちですが、まずは音声向上から始めるのがオススメというお話でした。

音声向上も凝り始めたら、マイク一つをとっても様々なものがあり、聞かせたいものやシチュエーションによってマイクを選ぶ必要があります。
ですが、まずは音声入力の基本である、「伝えたい音にマイクを近づける。」ということを少し意識して映像配信のシステム構成を考えると音声クオリティを上げるカギになります。

お話が中心の講義型のレッスンはヘッドセットは有効ですが、お話以外の音を聞かせたい場合(ピアノやダンスなど)はまた違うシステムが必要になる場合もあるかと思います。この辺りは配信したい環境や伝えたい音の大きさなどから検証も必要となってくると思うので私たちもまた様々な実験を行っていきたいと思います。
2回にわたってオンラインレッスンの品質を向上させる方法についてまとめる予定でしたが、思いのほか音声の内容が多かったので、今回を音声編とし次回は映像編としてまとめてみたいと思います。


オンラインレッスンや映像配信などお困りのことがありましたらお気軽にコメントください。私たちも出来る限り、知恵を振り絞り、実験してみたりして一緒に良い道を見つけることが出来ればと思っています。
少しでも皆様のお役に立つ頃が出来れば幸いです。
ありがとうございました。

#いま私にできること

読んで頂きありがとうございます。 『映像制作をもっと身近に、もっと気軽に』という思いでnoteを始めました。 noteでは映像制作に関するtipsや話題をはじめ、ぐっでぃテレビの中の人たちによる他愛のないお話まで幅広く綴っていきたいと思います。