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ATEM Mini Pro ISO登場で全3機種!用途別に最適な機種をまとめてみました。

先日(2020年7月31日)ATEM Mini シリーズの最上位機種ATEM Mini Pro ISOが突然発表されました。これでATEM Miniシリーズは発表された順に、

ATEM Mini(2019年11月~)
ATEM Mini Pro(2020年4月~)
ATEM Mini Pro ISO(2020年7月31日~)

の3機種となりました。
ATEM Miniシリーズはわずか1年の間に3機種もラインナップされたことになります。

いかがお過ごしでしょうか。ぐっでぃテレビのモーリーです。
昨今の社会情勢からWeb会議やウェビナーが急速に普及したことで空前の大ヒットとなったATEM Miniシリーズ。
ATEM Mini Proの発表からわずか4か月もせずに最新機種であるATEM Mini Pro ISOが発表されたことで、どの機種を手に入れればいいのか迷っている方も多いはず。

今回は私なりに、用途別に最適なATEM Miniシリーズをまとめてみましたので、ATEM Miniシリーズの購入を検討されている方は参考にして頂けましたら幸いです。

ATEM Miniとは、自己完結型の放送品質スイッチャー!

ATEM Miniとは、映像と音声をミックスしてPCやモニターに出力ができる機材で、一般的に映像スイッチャーといわれるものです。こんなにコンパクトなボディですが放送局なんかであるスイッチャーと同じ役割をはたします。

上の説明だと「そんなの映像をしている人しか、興味ないでしょ」って言われてしまいそうですが、なぜこんなに大ヒットしているかというと、複数入力した映像と音声をミックスしたものをWEBカメラとして認識できるので、ZOOMやSkypeでも使えちゃうからなんです。

以前にATEM Miniについてまとめたnoteがございますのでよかったらこちらものぞいてもらえると嬉しいです。

ATEM Miniシリーズ3機種の違い

ATEM Miniシリーズがどんな機材かわかって頂いたところで3機種の違いを簡単にまとめてみました。(あまり細かく機能を書くとわかりづらくなるので大まかな機能をまとめた感じです。)

ちなみにATEM Miniシリーズは上位機種になっていくほど機能が追加されている形で下位機種が上位機種に勝っている機能はありませんのでご安心を。つまり予算がある方は最上位機種を買っておけば現在発売されている範囲ではすべての機能を使えることとなります。


ATEM Mini 35,980円 (税抜価格)

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ATEM Miniシリーズの基本形となります。
ざっくり説明すると4つのHDMI入力(映像+音声)と独立した2つの音声入力を自由にセレクトしミックスしたものを、HDMI or USBから出力することが出来ます。いわゆるワイプと呼ばれるP in Pやトランジションエフェクトを加えたスイッチングなども出来ます。

ATEM Miniがオススメな人

ワンマンのプレゼン目的で使用。手元でプレゼン資料をスイッチングしたい人向け。

ATEM Miniがオススメな人は、youtubeやfacebook Liveなどでのライブ配信はあまりすることがなく(もちろんyoutubeやfacebook Liveもできます。ただOSBを使る必要がある分1ステップ増えるだけです。)用途はZOOMなどのビデオ会議アプリでのプレゼンやウェビナー登壇での使用がほとんどだという方にオススメです。

プレゼン用のPCをATEM Miniに接続しwebカム化してZOOMなどで使用すると画面共有を使う必要がなくなります。つまりパワーポイントなどで作ったプレゼン資料は手元のATEM Miniで切り替えながら表示できるのでプレゼンが非常にスムーズになります。またATEM Miniに繋いでいる映像入力は手元のPCや自分を映すカメラの為マルチビューがなくても大丈夫です。機能は他の2機種に比べ限られますがATEM Miniは値段が約4万円と非常にお手頃なので、値段とトレードオフということでATEM Miniを選ぶのもアリです。


ATEM Mini Pro 67,980円 (税抜価格)

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上記のATEM Miniに加え、大きく変わったのは下記の3点。
【マルチビューに対応】
マルチビューとは簡単に説明すると、HDMIで入力した最大4つの映像を各映像毎にモニタリングできる機能です。また音声レベルなどもモニタリング出来るようになったので非常に使いやすくなりました。

【youtubeやfacebookでライブ配信用エンコーダー内蔵】
ATEM Mini Proのみでyoutubeやfacebook Liveが行えるようになりました。(下位機種のATEM Miniの場合OBSなどのソフトを使うか、LiveShell Xなどのハードウェアエンコーダーを使う必要がありました。)

【USBディスクへの収録が可能】
また最終出力された映像(ミックス済みの映像)をUSBディスクへの外部収録できるようになりました。

見た目上では右側にVIDEO OUT系のボタンが6つ付き、RECORDとSTREAMボタンが2つずつ付きました。

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ちなみにマルチビューとは上記のような画面です。HDMI出力をモニターに繋ぐとこんな画面が表示されます。上の画像ではCamera1にカメラ(画像上では白い壁が映っています)Camera2にはPCを接続しているのでPCの画面が、Camera3・4については何も接続していないので黒く表示されています。スイッチングする際はこの画面を見ながら1~4を切り替えることになります。

ATEM Mini Proがオススメな人

登壇者としてではなくオペレーターとして使用。配信やウェビナーを裏方としてサポートする人向け。

ATEM Mini Proの最大の魅力はマルチビューが付いたことですべての入力映像+音声を視覚的に確認することが出来るようになった点です。

登壇者(演者)がオペレーターを兼ねている場合(ワンマンでの配信やウェビナー)切り替えくらいの単純なスイッチングがメインとなりますが、登壇者(演者)+オペレーターの2名体制になることで少し凝った絵作りが可能となります。テロップを入れたり、オープニング・エンディングを表示したりなどする際はマルチビューが非常に便利です。

またATEM Mini Pro自身に配信用エンコーダーが内蔵されているので、youtubeやfacebook Liveも簡単に行えます。様々な場面でオペレーターとしてサポートする方でマルチビューが使いたいが費用を抑えたいライトユーザーにはATEM Mini Proがオススメです。


ATEM Mini Pro ISO 106,800円 (税抜価格)

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上記のATEM Mini Proに加え、大きく変わったのは下記の2点。
【入力・出力合わせて5つのストリームを収録機能】
ATEM Mini Pro ISOの最大の魅力は5つのストリームを個別に収録できる点です。以前のATEM Mini Proはミックスアウトした映像1つのみ収録可能(わかりやすく言うと録画)でしたが、ATEM Mini Pro ISOは上の1~4に入力した映像+音と4つとミックスアウトされた映像1つを映像データとして収録出来ちゃいます。

このことで生のライブ配信でスイッチングや音声レベルをミスった場合でも、1~4の映像データ+ミックスアウトの映像データが収録されているので、アーカイブとして発表する際は容易に修正がききます。

しかも右上にあるRECORDボタンを押すとすべての映像データの収録が始まるので後で編集上で同期※をとる必要もありません。
※同期とはわかりやすく言うと映像の時間的タイミングを合わせること。

これが出来ることでライブ配信やウェビナーでの使用だけでなく、マルチカメラによる収録を目的にATEM Mini Pro ISOを用いることも考えられるようになりました。

【DaVinci Resolveとの連携を強化】
1点目の内容に連携するのですが、収録した映像と共にDaVinci Resolveのプロジェクトファイルも保存されるので、DaVinci Resolveで編集作業をする場合はもうすでにタイムライン上に映像や音声が同期も取られたうえで乗っている状態となります。つまり保存されたプロジェクトファイルをDaVinci Resolveで立ち上げるだけでスピーディーに収録した内容に編集を加えることが出来ます。

ATEM Mini Pro ISOがオススメな人

オペレーターとして、また制作者として使用。マルチカメラ収録したものを後で編集を加えクオリティの高いコンテンツとして仕上げたい人向け。

ATEM Mini Pro ISOの魅力は4入力+1ミックスの映像データを収録できるところです。これによってライブ配信やウェビナーとしての用途だけでなく、収録したものを後でしっかりとしたコンテンツとして仕上げることも容易となりました。

特にマルチカメラでライブ配信する場合、リアルタイムにスイッチングを行うのでどうしても繊細なスイッチングは難しくなります。これまでならカメラごとに収録されていた映像データをミックスした映像にパッチワークのように必要な個所を張り付けることで修正してアーカイブコンテンツのクオリティを上げていましたが、ATEM Mini Pro ISOを使うとすべてのデータが同期をとった状態でそろっているのでめちゃくちゃ簡単に行うことが出来ます。

さらにDaVinci Resolveを使えばタイムラインにデータが乗った状態なのでワンタッチレベルで修正出来るのはもちろん、テロップやタイトルなどを整備しブラッシュアップした形の高品質なコンテンツをスムーズに制作することが出来ます。

ATEM Mini Pro ISOはもはや、ライブでのスイッチング機材の枠を超え、マルチカメラの収録機材としても使用が出来そうです。

まとめ

ざっくりまとめるとこんな感じです。

ATEM Mini 35,980円 (税抜価格)
ワンマンのプレゼン目的で使用。手元でプレゼン資料をスイッチングしたい人向け。

【ポイント】
低価格が魅力。プレゼンなどでPC画面入力中心のウェビナー登壇者にはこれで十分。
ATEM Mini Pro 67,980円 (税抜価格)
登壇者としてではなくオペレーターとして使用。配信やウェビナーを裏方としてサポートする人向け。

【ポイント】
ATEM Mini Pro ISOに比べ低価格。配信やウェビナーした内容を後で編集で手を加えないならATEM Mini Proで十分。
ATEM Mini Pro ISO 106,800円 (税抜価格)
オペレーターとして、またコンテンツ制作者として使用。マルチカメラ収録したものを後で編集を加えクオリティの高いコンテンツとして仕上げたい人向け。

【ポイント】
後で編集するか、しないかによって、ATEM Mini ProかATEM Mini Pro ISOを選ぶかの分かれ道になる。後で編集を加えコンテンツとして仕上げたい人はATEM Mini Pro ISO一択。配信やウェビナーなどのライブでのスイッチング目的の枠を超え、マルチカメラ収録機材としても使用できるので、小規模な音楽や演劇ライブなどでライブ配信するさいにATEM Mini Pro ISOを使い、のちにライブ映像としてコンテンツ制作するといった用途でも使用できる。

ATEM Miniシリーズは冒頭でもお伝えしたように、下位機種にしかできないことがないので、予算に余裕のある方はATEM Mini Pro ISOの導入で間違いないと思います。

ATEM Mini Pro ISOは106,800円 (税抜価格)し少し高く感じられるかもしれませんが、ATEM Mini Pro ISOほどのことが出来る機材はつい最近までなら下手したら一桁違う値段で売られていてもおかしくないくらい破格の安さです。

最後に私的には、もし今から導入を考えておられるのならATEM MiniATEM Mini Pro ISOのどちらかかなぁって思ったりしてます。
ATEM Miniはなんといっても価格が魅力的なので用途が限定されている方にはオススメ出来ます。

ATEM Mini Pro
ATEM Mini Pro ISOの登場で立ち位置が中途半端になっちゃったかなぁって感じてたりします。ATEM Mini Pro ISOはまだ実際に使っていないので使用感などは分からないのですが、ATEM Mini Proまで予算を出して買うなら、もう少し頑張ってATEM Mini Pro ISO買っちゃた方が後悔しないんじゃないって思っています。

いかがだったでしょうか。機材選びって本当に難しくもあり、楽しくもありますね。少しでも皆さんの参考になれば幸いです。


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