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「CAMEO」全曲解説! vol.2

【04 湾岸線のって】


──4曲目は「湾岸線のって」。またガラッと世界が変わって、甘〜い世界に突入します。振れ幅がすごい。さっきまで海賊だったのに(笑)。

これはね、まさにラブソングですよ。かなり純度の高いラブソング。結婚式でかかっても大丈夫なラブソング。実はGOODWARPにはそんなになかったんです。「Sweet Darwin」(2016年)はそうかなって言われたんだけど、あれは友情の曲だから。これは思いっきり振り切ったラブソングです。


──これまでなかったのに突然の激甘ラブソング誕生、なにかあったんですか?

いや、なんだろう、たぶん前向きな気持ちだったんでしょうね(笑)。めちゃくちゃ個人的な話なんだけど、最近妹たちが立て続けに結婚して、初めて家族の結婚式というものを目の当たりにして、それで親類も増えて・・・っていう環境の変化が絶対関係してると思う。なんとなく、自分の周りがポジティブバイブスに満ちていて、自然と「好きだ!」っていう歌が出てくるのかな。


──ポジティブバイブス!その影響だとすると、素敵ですねえ。

そう考えてみると、全体的に今回のアルバムはポジティブバイブスが溢れてますよ。前向き!元気になれます!


──なんで「湾岸線」なんですか?

ラブソングといえば、湾岸線でしょう!(笑) 大切な人と、いい感じに夜のドライブでもしながら、たわいもない話をしつつ聴いてほしい。歌詞的にも曲調的にも「wolf tap」の後に持って来たかった。この「CAMEO」は曲順もメンバーとたくさん議論して決めたんだけど、1曲目の「ラブシティ」からこの「湾岸線のって」までの流れは特に気に入ってます。是非続きで聴いてほしいな。


【05 Smile】


──ここから後半戦! 5曲目は「Smile」。怪しくて、チャーミングで、楽しい曲です。

タイトルの通り、「笑ってよ!」っていう曲。「wolf tap」と同じで、この曲もひとつの物語のイメージから生まれました。
薄暗いバーみたいなところで、女性がひとりたそがれている。そこに忍び寄る怪しいケダモノ。明らかに胡散臭い。女性を見つけてここぞとばかりに口説き始めるケダモノ。下心アリアリなんだけど、悲嘆に暮れている女性を笑わせたいてことは本気で思ってる、粋なところがある。そんなケダモノの姿に、初めは相手にしていなかった女性もだんだんと心を開き始めて・・・
と解説はここまで!あとは聴き手のみなさんの想像に委ねます。


──そんなストーリーが。なんだか「ケダモノ」がかわいく見えてきます!

でしょ。サビで甘すぎるダサめなキラーワードを連発してるんですが、そこでの調子乗り具合が気に入ってます。


──「CAMEO」は新体制のもとで新たな境地にチャレンジしている作品だと思うのですが、この「Smile」は良い意味でこれまでのGOODWARPっぽいなと感じました。

それは初めて言われたけど、嬉しいです!確かに、明るくて、ちょっとバカっぽいというか、カラッとした曲にしたかったんです。でも、とにかく明るいだけじゃ嫌だったから、少し不気味にしてる。胡散臭さを最後のスパイスに振りかけてます。あ、それと、朋生が「もう我慢できん!」とばかりに弾き倒しているギターにも注目!


【06 yeeeyeee】


──さて、次は「yeeeyeee」。みんなが聞きたいであろうことをまず聞きますけど、イーイーっていうのはどういう意味なんですか?(笑)

これは、「ヒューヒュー!」ですね。はやし立てるときの掛け声っていうかね。盛り上げるときにひゅー!って言うじゃん。それです。「準備は“いい?”」って問いかけてる歌なんだけど、そこに「yeeeyeee」って続くのが面白いなって。


──「Ready or not ?」っていう問いとセットなんですね。

そんな感じです!周りに同調しないといけない現実世界で、「脱走しよう」「壁を壊そう」って決意したい時ってありますよね。そこに手を添えるっていうか。「用意はいいか?」みたいに突きつける曲。


──この「yeeeyeee」は、フィジカルで気持ちいいリズムや繊細で美しい音のきらめき、それらが生み出すアーバンな空気感・・・といった「Souvenir」「BOY」以降の要素がさらに進化して詰まっていて、実は新生GOODWARPを象徴する曲かも、なんて密かに思いました。

おお、そこまで言いますか!(笑)この曲はチャーがアレンジの突破口を開いてくれた曲。でも、たしかに奥行きのある曲にはなっているんじゃないかなあ。そこは僕が大切にしたいと思って目指している“GOODWARPらしさ”にもつながる部分。

どういうことかって言うと、自分たちがリスペクトするアーティストは、みんなそこが凄いと思うのですよ。たとえば僕の大好きなエアロスミスにしたって、最初はカッコいいメロディや感動的なバラードで心をつかまれるんだけど、どんどん聴いていくと、背景にあるロックとかブルースとか、彼らが影響を受けてきたルーツの世界へと引き込まれていくっていう。

派手なところだけじゃない、そういう世界にまで連れていかれる体験というのは、とても幸せな経験で。そういうのはGOODWARPで意識してます。口ずさみやすいメロディから入った人が、だんだんチャー(Ba)のベースラインが気になってくるとかさ。「yeeeyeee」でやりたかったことはまさにそうで、入り口はポップだけど次の扉がある。そんな曲にしたかった。


──なるほど、それは難しいバランスですね。

そうなんです。メンバー全員、その絶妙なバランスづくりのために、実はいろいろな調整をすごくやってる。音量ひとつとっても、爆音で聴いたあとに、超小さい音で聴いてみて、Ikomanさんと一緒に細かくアジャストしたり。

まあでも、ニッチな工夫はたくさんやってるんだけど、あくまで見え方としてはど真ん中を登りたい。だからメンバーみんなも、「声」「歌」を中心に置いて考えてくれてます。その上で、踊らせたいとか、キラキラさせたいとか、これまでGOODWARPが大切にしてきた哲学みたいなものをMIXしていく。そういう作り方になってます。なんていうか、ありがたいことですけど。



(vol.3に続く)

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