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オーディオのお話(4)レコードのカートリッジについて

世の中、レコードブームだそうですね。

私は、中学生の頃からレコードに親しんできました。その後、音楽メディアの主流が完全にCDになっても、レコードもプレーヤーも手放しませんでした。なぜなら、同じ音源をCDと聴き比べるうちに、レコードならではの音の魅力から離れ難くなったからです。

それから40年が過ぎました。

今日は、レコード再生に不可欠な「カートリッジ」について書きたいと思います。どちらかと言うと、初心者向けの記事となります。

レコードプレーヤーのカートリッジとは、「レコード針とその附属部品」のことです。上の写真のレコード盤に接している白い部分と黒い部分が「カートリッジ」です。

それを上から支えている取っ手のついた艶消しのシルバーの部品を「ヘッドシェル」と呼びます。このヘッドシェルに、カートリッジをネジで固定しています。

これをレコードプレーヤーの「トーンアーム」という棒状の部品に取り付けて、ようやくレコードが聴けるようになります(但し、安価な製品の中には、もっとシンプルな構造のものも存在します)。

カートリッジには、それぞれに適切な「針圧」が指定されています。クルマに乗る方は、装着しているタイヤに、指定の空気圧があることをご存じでしょう。それに似ていますね。トーンアームにカートリッジが装着された状態で、いったん「ゼロバランス」をとり、更に、針圧のメモリを適正針圧に調整して、ようやくレコードをかけてよい状態になります。

レコードの音溝からカートリッジの針先が拾い上げた微弱な信号が、レコードプレーヤーからフォノイコライザーに送られます。レコードに刻まれた音は、低音が圧縮された状態なので、フォノイコライザーは、これを補正する役割があります。

フォノイコライザーで補正された信号が、プリメインアンプアンプで増幅されて、スピーカーやヘッドホンから音として出てきます。

フォノイコライザーは、アンプに内蔵されている場合とそうでない場合があるので、レコード再生の時は、それを確認する必要があります。

カートリッジは、レコードと直接触れる箇所なので、その性能によって、音がガラリと変わります。この違いはレコードを聴き始めたばかりの初心者の方にもハッキリわかると思います。

現在使っているカートリッジよりも、良い音で聴きたいと思って、ワンランク上のカートリッジで聴いて、その違いに感動してしまった人は、オーディオ沼に膝くらい浸かったと思ってください(笑)。

カートリッジには、大別して、MM(ムービング・マグネット)型とMC(ムービング・コイル)型があり、私が所有しているのは、比較的安価なMM型にあたります。以下に述べる通り、これに関して、メーカー各社は違う名称を使っていますが、MM型と同じ使い方ができます。

音質そのものはMC型が有利ですが、MC型カートリッジは価格が高額で、針交換はその都度メーカーに送らねばならず、そのコストも高額なので、MCカートリッジは全て手放してしまいました(すえきちは庶民派オーディオファンであります)。

また、針先の形状も様々です。最も安価なものが「丸針」。それよりもレコード溝に接する面積の広い「楕円針」です。私は持っていませんが、これより高価なものとして、「シバタ針」や「マイクロリニア針」などがあります。また、形状が同じでも、素材の違いで音質を向上させているものなどがあります。

私のコレクションの中には、自分が生まれる前に製造されたものもあります。よほど酷い状態でなければ、数十年前のレコードも再生できるのです。これってすごいですね。

今となっては、カセットテープ、オープンリールを再生するのは難しくなりました。映像については、仮にVHSのテープとデッキがあっても、4K放送対応のテレビで再生しても、画像が荒くて見る気にはなれまいでしょう。

しかし、レコードだけは、今聴いても感動的です。デジタル音源に慣れた耳には、音の生々しさと濃密さに驚くことでしょう。

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