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私を救った音楽(4)モーツァルト!

喉の渇きに一杯の水が必要なのと同じように、心の疲れにはモーツァルトが必要です。

うつ病で自宅療養中、私は何時間、モーツァルトと過ごしたかわかりません。天気の良い日、近隣の公園のベンチに座りながら、iPhoneでモーツァルト。バスの中で車窓からの景色を眺めながらモーツァルト。疲れて家で寝ているときも、枕もとでモーツァルト。買ったばかりのスピーカーを、最初に鳴らす音源もモーツァルトでした。

交響曲は、ヨゼフ・クリップス指揮コンセルトヘボウ管弦楽団や、ハンス・グラーフ指揮ザルツブルク・モーツァルテウム管弦楽団の演奏がお気に入りです。

ピアノ協奏曲では、内田光子、アンネローゼ・シュミット、アンドラーシュ・シフの演奏をその日の気分でセレクト。

ピアノ・ソナタはアリシア・デ・ラローチャ、マリア・ジョアン・ピレシュ(1回目の全集録音)の全集を何度も聴きました。

その他、カプリッチョレーベルからリリースされたシャンドール・ヴェーグのセレナーデ集も、手放せません。

モーツァルトの周囲にいた人々は、彼の行状に閉口したことでしょう。言動に振り回されたこともあるかもしれません。貸したお金が返ってこなかったこともあるでしょう。

しかし、彼の音楽は人を傷つけません。たとえ、彼がどんなに嘲笑の対象になろうとも。

うつの症状が悪くなった時でも、モーツァルトを聴いている時は、「ああ、いま生きていて良かった」と感じました。

「明日もモーツァルトが聴きたい」

モーツァルトは心の支えでした。

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