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10,886人を対象にした大規模研究でわかった睡眠の新事実5つ

こんにちは!
睡眠の専門家・しょうです。

睡眠といえば、私たちが活動するためには不可欠ですが、その詳しいメカニズムや役割はいまだに謎に包まれている部分が多くあります。

そんな中、2018年に発表された睡眠に関する論文が、世界最大級の規模で研究を行っていることが注目されています。

今回のnoteでは、世界最大級の関する論文をもとに、睡眠についての新常識や新事実について、5つのポイントをご紹介していきたいと思います。

2018年に行われた世界最大の睡眠研究

今回紹介したいのは、2018年に公開された睡眠に関する大規模な研究です。

論文の原題は"Dissociable effects of self-reported daily sleep duration on high-level cognitive abilities"となっており、要するに睡眠と認知能力との関係性について調べたものになっています。

この研究が特徴的なのは、総勢40,105人が研究に応募し、16,812人がアンケート・テストに回答、そのうち極端な数値やデータ不足を除いた10,886人の参加者を対象としていることです。

国籍も多種多様で、アメリカ・カナダ・イギリスを中心に、インド・オーストラリア・パキスタンに住む人も参加しています。

日本人は対象とはなっていませんが、私たち日本人にも当てはまる可能性が高い研究結果と言えるでしょう。

英語の論文を読んでみたい方は、下記のリンクからチェックしてみてください。

次からは、論文で紹介されている結論を5つに要約しながら解説していきますね。


睡眠の新事実①脳のベストパフォーマンスは7〜8時間睡眠で発揮

1つ目の新事実は、脳のベストパフォーマンスは、睡眠時間が7〜8時間の時に最大化するということです。

こちらのnoteでは、理想の睡眠時間は個人差によるところが大きいことを紹介しましたが、認知能力の観点からは、7〜8時間が理想となるようです。

その根拠には、研究の中で12種類の認知テストを実施した結果、7〜8時間睡眠よりも少ない、または多い参加者は、テストの結果が悪かったことが挙げられています。

特に推論能力や言語能力は、睡眠の影響が特に大きかったと言います。

一方で、短期記憶への影響は少なかったのだそう。

十分な睡眠が取れていない、または日常的に寝過ぎている場合には、思考力や文章力、コミュニケーション能力などが低下している可能性があるので注意が必要でしょう。

すべての人に7〜8時間の睡眠がベストとは断言できないかもしれませんが、少なくとも1日6時間以下の睡眠しか取っていない方は、7〜8時間睡眠を目指すことをおすすめします。


睡眠の新事実②過眠・不眠どちらも脳には悪影響

睡眠への影響というと、悪者は「睡眠不足」であるというイメージがあるかもしれません。

しかし研究では、「7〜8時間よりも多い」睡眠時間の人も、認知テストの結果が悪かったと報告されています。

つまり、適切な睡眠時間よりも多く寝ている人も、脳のベストパフォーマンスを発揮できていない可能性が高いわけです。

たとえば、忙しい平日は6時間睡眠、休日に9時間睡眠をとって寝溜めをするなど。

もしくは睡眠の質が著しく低く、10時間以上寝ないと疲れが取れないこともあるかもしれません。

このように、睡眠不足だけではなく睡眠過剰も脳のパフォーマンスを落とすことになるため、できるだけ一定の睡眠時間を保てるように工夫してみましょう。

どうしても日中の眠気が取れない場合には、パワーナップを取り入れたり、寝具の見直しをしてみるのがおすすめです。


睡眠の新事実③睡眠不足が続くと脳の老化が8年進む

続いての新事実は、1日4時間しか睡眠を取らないなどの極端な睡眠不足は、脳の老化が8歳進んでしまうという報告です。

たとえば、今32歳の方が1日4時間しか寝ない生活を続けていると、脳の認知能力は40歳並みにまで落ち込んでしまうということです。

よく睡眠時間を削ってまで努力することが美談のように語られることがありますが、さすがに8歳も認知レベルにハンデを抱えることになるなら、すっぱりと仕事を切り上げて寝た方がマシに思えてきますよね。

さらに、たった1日の睡眠不足であっても、アルツハイマー病を引き起こす有害なたんぱく質が増加して、私たちの健康を害することもわかっています。

私たちの脳を老化させ、アルツハイマー病を患うリスクを挙げているわけですから、睡眠不足には思った以上に深刻なデメリットがあると言えます。


睡眠の新事実④たった1日7〜8時間睡眠を取るだけでパフォーマンス向上

認知能力の観点から言えば、認知テストの前日にたった1日7〜8時間睡眠を取るだけでも、パフォーマンスは向上したことも報告されました。

普段は睡眠不足な状態で過ごしている人も、1日だけ7〜8時間の睡眠を取ったことで、認知テストの成績が改善したそうです。

ということは、試験の前日や重要な仕事の前日など、高い集中力を発揮したい日の前の夜は、一夜漬けの詰め込み学習をするよりも、さっさと寝てしまうことが有効ということになります。

短期記憶には睡眠不足はあまり影響しないとのことで、知識の記憶はできるかもしれませんが、翌日の思考力や集中力は、大幅に下がってしまうでしょうから。


睡眠の新事実⑤18〜100歳のどの年代でも理想の睡眠時間は同じ

最後に紹介したいのが、18〜100歳のどの年代でも理想の睡眠時間は同じであるということです。

すべての年代で、認知テストの成績がもっとも良かったのは、前述した7〜8時間睡眠のグループだったそうです。

一般に、加齢によって睡眠時間は短くなる傾向にあると言われています。

しかし実際には、何歳になっても7〜8時間の睡眠が理想であり、歳を取ってから睡眠時間が短くなるのは決して良い兆候ではないということでしょう。

もしかすると、歳を取ってからも充分な睡眠を取ることにより、アルツハイマー病や認知症などの予防につながるのかもしれませんね。


おわりに

今回は2018年の大規模研究をもとに、睡眠に関する新常識をご紹介してきました。

いくつかの新事実を解説してきましたが、中でも重要なのは「7〜8時間睡眠がどんな世代であっても理想の睡眠時間である」という点でしょう。

6時間睡眠や9時間睡眠が習慣になっている方は、質の高い睡眠が取れるように就寝環境を見直してみてはいかがでしょうか。


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