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救いは清平ではなく家庭にある:後編

前編はこちら

教団公認の霊能者は二人いた

清平に19年君臨した金孝南の更迭は、呆気ないものでした(本人の挨拶文はこちら)。
ところが公認霊能者が突然不在となったのに、時間が経っても「二代目訓母」が選ばれることはありませんでした。
つまり以降の清平役事や先祖解怨は、霊能者の働きがない中で行われたことになります。

ところで文鮮明師が聖和される以前、教団公認の霊能者が二人いました。
清平の金孝南と、全く独立して霊通していた金英順女史です。
金英順女史は36家庭の李相軒先生(統一思想研究院)が聖和した後に、霊界からの膨大なメッセージを受け取ったことで知られています。
メッセージは十数巻の本として編纂され、文師の指示でワシントンタイムズに広告掲載されたこともありました。
なぜ文師は、二人の霊能者を別々に任命されたのか?
(推測ですが)暴走したブラック興進(興進様の黒人再臨)の苦い教訓を得て、相互にチェック&バランス機能が働くことを期待されたのではないかと考えます。

金孝南が更迭されて2年後、金英順女史が受け取った「お父様からの霊界メッセージ」が物議を醸しました。

オモニはメシヤの妻の位置を離れた。私が話さなくても皆さんがオモニの人生を見て来て、今見ているのだから! 金栄輝、李載錫、お前たちが真の父が地上で生きた時、その教えの核心が何であったかをそんなにも分からないのか? 真のお父様の御言に「手をつけるな」とあんなにも明確に教えたのに、真のお母様と共にすること、それが天法なのか?何故真のお母様のためにお前たちはその教えを明確に明らかにできないのか?
お前たちが天上に来る時、メシヤと共にいるのか?あの下流層に行くのか?地上がそんなに重要なのではない。
そしてオモニが「原罪」がないだと・・? サタンと関係ない独生女として、生まれる時から原罪がないだと・・?
食口の皆さん、36家庭、協会長、公職者、そして統一家の皆さんは真の父と真の父の胸をこのように真っ青にあざが出来るようにする、私の子供たちよ! 真の母の御言葉をおいて、何故正邪を見分けられないのか?今すべての公職者、36家庭、協会長、誤った生涯を皆悔い改めて整理して天上に来なければいけません。

お父様の霊界からのメッセージと言うものが送られてきました

金英順女史はこの時、洪順愛大母様からもメッセージを受け取っていました。
すると教団本部は、公式見解で即座に反論しました。
「金英順女史の霊能者としての有効期限は過ぎている、これはサタンのメッセージだから読むな」という内容です。

本来であればもう一人の公認霊能者、金孝南が反論すれば良かっただけの話です。
「そのメッセージを送った洪順愛大母様は私の傍にいる、金英順女史にメッセージを送ってはいないと、ここでおっしゃってる」と。
しかし悲しいことに、金孝南は更迭された過去の人でした。

清平役事の実証性

公認霊能者が一人もいないということになると、以降の清平は何をもってその実証性を示せば良いのでしょうか
一つの大きな指標が、旧清心病院(現HJマグノリア国際病院)の治療成績です。
全盛期の金孝南がこの病院を建設したコンセプトは、「圧倒的な治療成績によって霊界の実在を証明する」ことにありました。
統合失調症のような難治性疾患に対する優れた治療成績を見せることで、精神医学界に革命を起こそうというのです。

既存の精神医学は、唯物論のパラダイムの上に構築されています。
清心病院の治療成績が既存の病院よりもはるかに優れたものなら、懐疑的な唯物論者であっても認めざるを得なくなります。
何より患者にとっては治ることがすべてなのですから、評判の霊界治療を求めて、全世界から清平を訪れるようになるでしょう。

ところが何年が経過しても、そのような素晴らしい評判は聞こえてきませんでした。
清心病院は早々に「医療観光ビジネス」に舵を切り、(日本食口を含めた)海外の富裕層に顧客ターゲットを絞ったからです。

節操のない方針転換を裏付けるかのように、清心病院は問題を起こしました。

清平は、精神病を霊的な病気とみなし、霊的治療を行なえば治癒する。そのように日本のシックに密やかに喧伝してきた
その霊的治療を娘に受けさせるために、家族で清平にやってきた。
ところが、当の治療対象者が投身自殺。ヤブ医者が患者を殺したようなものだ。

速報-清平での投身自殺は事実だった!

また入院患者ではありませんが、日韓家庭の婦人が清平の敷地内で、殺人事件を起こしたこともあります。この婦人は精神疾患を患っており、聖和1周年記念行事で渡韓した教区長を、シンナーを浴びせて焼き殺そうとしたのです。この時は被害者のみならず加害者もまた命を失うという、凄惨極まりない事件でした(教団は第2の自爆テロに気をつけろ!)。

昨年小川さゆりさんは、国会と世論を動かし日本中の注目を浴びました。
かつて精神的な持病を抱えていたことがご両親より明らかにされていますが、それが治癒したのは40日修練ではありません。離教した後に、結婚相手の支えによって現代医学の恩恵を受けたからです。

精神疾患に苦しんだ食口のエピソードから導き出される結論は、役事も先祖解怨も精神疾患に対して無力で、霊界が働いている証拠はどこにもないということではないでしょうか。

いま食口は清平に何を求めるのか

私はかれこれ10年以上、清平を訪問してません。
公認霊能者もおらず、治療効果がないことが実証されている清平に、なぜ大多数の食口は惹きつけられるのか、ここからは推測でしか書けません。

愛の法則によれば、その地を一番愛する人がその地の主人となります。
清平の場合、韓鶴子総裁は金孝南の最強の後ろ盾となり、影に日向に清平の発展を支えました。
金孝南が更迭された後、韓鶴子総裁が清平の主人となるのは必然だったのです。
気がつけばそこは世界本部となっており、日本家庭連合が解散命令で打撃を受けたとしても、最後の砦になると言われています。

実のところ、食口にとって霊界云々はどうでも良いことで、韓鶴子総裁を愛するがゆえに清平を訪れ、彼女と運命を共有できる栄光こそが、喜びと満足の源泉ではないかと思えます。

しかしもしそうであれば、誰も検証できない霊界を持ち出す必要はないはずです。
かつては任意だった先祖解怨が430代、夫婦8系統まで拡大され、天国入籍の必須条件に挙げられるようになりました。
「先祖解怨なんて自己中心だ、母の国の食口なのだから無条件で、(見返りのない)摂理献金を捧げるべきだ」と指導した公職者も、方針を180°翻したのです。
普遍的に大切な教えなら、トップの方針転換でコロコロ変わるのはおかしいとは思わないのでしょうか。

文鮮明師が聖和して11年、私は変遷する教団を眺めながら「猫メシア崇拝」という仮説を立てました。
食口にとって「実証性」のような中身は重要ではなく、韓鶴子総裁という「宗教権威」のみが歓迎されるのなら、韓鶴子総裁の後継者として「飼い猫」を任命されたらどうなるのか?
「お母様の愛された『猫様』に侍りましょう!」と、食口は無条件に敬拝するのではないか・・・

これはモノの例えであって、侮辱したいのではありません。
中身のない権威主義とはそういうことであり、「ひとり娘が愛する清平を私も愛する」という美しい信仰は、自分が考えているほど神様が喜ばれないかもしれないのです。

永遠の世界を目指す我々の救い

少し皮肉が過ぎました。大切なのは権威ではなく実質です。
清平摂理が狂い出したのは、「自分自身の特別解怨」などを謳って地上の責任を軽視するようになってからです。
私が清平に通わなくなって悟ったことは、霊的に重かろうが蕩減があろうが、他の誰もその人生を背負ってはくれないということでした。
それは解怨された先祖すら例外ではなく、神様ですら愛の責任には干渉できない原理を忘れていたのです。
そして自分の夫婦関係、親子関係の課題から逃げずに取り組むことで、神様の祝福は現実生活の中に、私の家庭の中にあることに気付くのです。

私たちが天一国主人として盟誓し、祝福中心家庭として自分の名前で祈るのは、無意味な形式主義ではありません。
メシアによって与えられた祝福に生涯掛けて取り組むことで、私の家庭が真に救いの中心となっていくからなのです。

清平役事に関する記事はこれまでもたくさん書いてきましたが、「お母様を批判する人はサタン」という差別によって、まともに取り合ってもらえませんでした。
しかしこれは「ひとり娘か第4アダムか二代王か」という宗教権威の問題ではなく、「永遠の世界を前に、人間の救いとは何か」という人生の根本問題に直結しています。

文鮮明師の聖和から11年、「真の父母様につながっていれば大丈夫」という姿勢は最も本能的で、不安を和らげる効果があったかもしれません。
しかし呆れるような混乱から目を背けず、奥深くにある良心の声に耳を傾けることで、真の救いと解放が得られるかもしれないのです。

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