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彦根で一番有名な猫に出会う場所

出会いの広場・四番町スクエア

彦根城・京橋からキャッスルロードを数分歩くと、左手に、「四番町スクエア」があります。「スクエア」は英語で「広場」の意味があり、彦根で一番有名な猫・ひこにゃんとの出会いの広場でもあります。
 
彦根城に住んでいるひこにゃんの趣味は、彦根城周辺のお散歩です。ひこにゃんは、時々、お城を抜け出して、ここ四番町スクエアにお忍びで散歩にやって来ます。
 四番町スクエアは、ひこにゃんmeetスポットとして、地元の人に、旅行客に、とても人気があるエリアです。

彦根の城下町・四番町スクエアには、かつて「彦根の台所」として、大正末期から賑わった市場商店街がありました。平成17年(2005年)に大正時代の町並みをイメージしたスポットとして生まれ変わりました。

水と音と祈りの場所

彦根は琵琶湖のほとりに位置し、古くより水運や農業が盛んでした。そんな彦根を象徴するように、四番町スクエアには、豊かさを表す「水」が流れる場所が多くあります。
 
また、彦根は、彦根薪能に代表される豊かな音楽文化を有し、そして、祈りの場所として、由緒あるお寺や神社が点在しています。

四番町スクエアでは、世界初の「音」を使った街作りの取り組みをしています。
 
高周波を再生できる特殊なスピーカーを約50個設置し、熱帯雨林で録音した鳥のさえずりや、虫の羽音などに、超高周波を含む音が出せるアナログシンセサイザーを加えて流しています。この音を聞くと、ゆったりした気分になれるそうです。

日本では、古くから、浄化のために「水」と「音」が使われてきました。伊勢神宮などで行われている「禊」の儀式においても、「水」と「音」は重要な役割を果たしています。
 
「禊」とは、心身を清めるために行われる神事のことで、川や海に入って水を浴びたり、鈴を鳴らしたりすることで、悪い気を払い、身を清めるとされています。
 
四番町スクエアは、「水と音と祈りのまち」として、「水」や「音」を通じて、訪れる人の心身を浄化し、癒しを提供する場所なのです。

心がほどける広場

四番町スクエアの中央付近に、「出会いの広場」と呼ばれている広場があります。実は、この広場はひこにゃんのお気に入りの場所で、時々、お散歩にやって来るそうです。

ひこにゃんは、彦根市のPR活動やチャリティ活動など、あちこちから引っ張りだこです。
 
そのため、運が良ければ、お散歩しているひこにゃんに会うことができますが、残念ながら、私は、今回はひこにゃんに会うことが出来ませんでした。
 
残念に思いながら、「出会いの広場」の周辺を見渡すと、彦根市観光協会の前にひこにゃんが!

更に、彦根市観光協会の隣のお店の窓に、ひこにゃんを発見!
 
ここは、ひこにゃんに出会える広場。リアルひこにゃんに会えなくても、心がゆるくなり、心がほどける広場なのです。

ひこにゃんに出会うお店

「出会いの広場」の前のお店の窓から覗いているひこにゃんが、まるで、私を手招きしているように感じたので、お店に入ってみました。さすが、元祖・招き猫のひこにゃん!
 
私が入ったお店「ケーキとアフタヌーンのお店 conecone.(こねこね)」は、四番町スクエアに2022年6月にオープンした、四番町では比較的新しいお店です。
 
四番町スクエアから道を渡ると、足軽組屋敷が多く残るエリアがあります。ここの古民家をオフィスとしている「株式会社いろあわせ」の代表取締役・北川雄士さんが、conecone.のオーナーということで、お話を伺いました。

北川さんは、一人一人の個性、つまり、一人一人の「いろ」を生かしたキャリアプランを応援し、地元を盛り上げている起業家です。
 
北川さんは、当時、彦根で人気があったカフェのケーキがとてもお気に入りで、常連客として、カフェに通っていました。しかし、オーナーの都合でカフェが閉店したため、北川さんは美味しいケーキが食べれなくなったことを、とても残念に思っていました。

カフェが閉店して数カ月たったころでしょうか。北川さんは、偶然、そのお店で働いていたパティシエのAさん(以後、店長さん)に会ったのです。
 
一見、偶然のように思えますが、実は、この運命的な出会いが、大きな動きに繋がって行くのです。

一人一人に寄り添って、その人の「いろ」、才能を引き出す専門家の北川さんが、店長さんの悩みを聞くと、悩みとは違う本当の想いが引き出されました。店長さんが本当に叶えたかった夢が見つかったのです。
 
それはまさに、「いろあわせ」の名前のとおり、店長さんの「いろ」と、北川さんの「いろ」が出会い、新しい「いろ」として掛け合わされた瞬間でした。

夢が叶うとき、不思議なぐらい、すべてがトントン拍子に進むということを経験したことはないでしょうか?
 
北川さんと話すことで見つかった店長さんの夢は、「ひこにゃんに出会うお店を作る」ことでした。一方、北川さんは、これまで、「人の夢を形にする」ことを支援する仕事に携わってきました。その中で、「いつか、自分も形あるものを作りたい」という気持ちがありました。
 
北川さんのその気持ちが、店長さんの夢と出会ったとき、北川さんは即座に「一緒にやりましょう!」と、カフェをやることを決めたのです。

conecone.に込められた思い

カフェの経営は未経験の北川さんにとって、すべてが手探りの状態でお店作りがスタートしました。実は、2022年4月1日に、北川さんがSNSで「飲食店を始めます!」と宣言されているのを、私は、偶然目にしていたのですが、それは、エイプリルフールお決まりの冗談ではなく、リアルな宣言だったのです。
 
北川さんがお店の物件探しを始めてすぐ、四番町スクエアの物件が空いたという情報を入手しました。その物件の場所を聞いて、北川さんはびっくり!なんと、その物件は、彦根観光協会の横で、かつ、ひこにゃんのお散歩スポット「出会いの広場」の真正面の物件ではありませんか!加えて、「株式会社いろあわせ」のオフィスからすぐの場所だったのです。
 
こんな理想的な、最高のロケーションの物件が見つかるとは、まさに奇跡!店長さんとの偶然の出会いから、見る見るうちに点と点が繋がって行きます。運命的なものを感じた北川さんは、迷わず、この場所でカフェをやることを決められました。

conecone.というお店の名前から何をイメージしますか?
 
生地をこねる(cone-ru)
彦根(hi-cone)と縁を繋ぐ
猫(co-neco)と縁を繋ぐ
関係性=コネクション(conne-ction)、繋がりを深める
ドット:点と点を繋ぐネットワーク
 
お店の名前には、様々な想いが込められていますが(こねられている)、ひこにゃんファンは、「neco」にピンと来たかもしれません。
 
四番町スクエアという最高のロケーションで、彦根との関係性、そして、ひこにゃんとの関係性を深める場所、様々な個性、「いろ」を掛け合わせる場所、それが、conecone.の使命なのかもしれません。

心がほどける時間

「水と音と祈りのまち」である四番町スクエアで出会うひこにゃんは、「水」と「音」のように、訪れる人の心身を浄化し、癒す存在です。
 
「水」や「音」と同様に、ひこにゃんのボディカラーの白は浄化の色であり、首に付けている黄色い鈴の音は、悪い気を払い、心を浄化してくれるはずです。
 
心が浄化され、心が癒されたとき、人はすべてのしがらみから解き放たれます。つまり、ひこにゃんと出会うときは、「心がほどけるとき」なのではないでしょうか?

ひこにゃんのお友達・しまさこにゃんをイメージしたケーキ

四番町スクエアの「出会いの広場」の前にあるお店、conecone.
 
運が良ければ、お忍びで、四番町スクエアに散歩にやって来るひこにゃんを、お店から見ることが出来るかもしれません。また、リアルひこにゃんに会えなくても、お店の中は、店長さんのひこにゃんへの想いが溢れています。
 
ゆったりとしたお家時間もいいけれど、歴史的な場所には、そこにしかないエネルギーが溢れています。彦根の城下町・四番町スクエアにあるconecone.の深いブルーの落ち着いた空間には、ゆったりとした時間が流れています。
 
それは、ひこにゃんとあなたとの関係性を掛け合わせる時間、心がほどける時間なのかもしれません。

地元の食材と旬のフルーツを使ったアフタヌーンティー (要予約)

四番町スクエアのconecone.に、彦根で一番有名な猫・ひこにゃんに会いに来ませんか?美味しいケーキやアフタヌーンティーを頂いて、心がほどけたとき、新しい自分の「いろ」に出会えるのかもしれません。

ケーキとアフタヌーンティーの店 conecone.
滋賀県彦根市本町1丁目12-6
四番町スクエア・彦根観光協会ヨコ
Instagram https://www.instagram.com/coneconedot/
 
営業日、営業時間はInstagramでご確認ください
 
ひこにゃんのお散歩スケジュールは、彦根市の公式サイトでご確認ください
 
(写真・文 若林三都子)