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展示会って何なん?

僕は洋服屋さんが嫌いだ、というか苦手だ。「洋服を買いに行く為の洋服がない」みたいな笑い話はよく聞くけど、実際にそんなこともあると思う。別にそんなつもりはないのだろうが店員さんの目線が品定めされているような気分になってしまうし、「何かお探しですか?」って聞かれても何かを伝えられるほどの知識を持っていない。漠然とした「パンツ」が欲しいとか「Tシャツ」が欲しいくらいしか伝えられない。それに素材の説明とかされてもよくわかんないし、「ハズし」とか言われてもそもそもの型もない。

ただ、そんな僕でもファッションに興味がないわけではない。ただ対面で接客をされる洋服屋さんならびに店員さんが苦手な傾向にあるので、買い物はもっぱらZOZOなどのオンラインショッピングになる。そのため、思ってたサイズ感と違うことも多々ある。そういう時に限ってセール品で返品不可なので、「え、ハズしですけどなにか?」みたいな顔して着ることにしている。

そんな滅多に店で買い物をしない僕だが今日は本当に久しぶりに店に立ち寄った。行ったこともない恵比寿でどうしても今週に済ませないといけない用事があり、天気も良かったから人通りのあまりない道を適当に用事のついでに散歩をしていた。

すると、C.E.L STOREというお店を見かけた。以前、「好井カナメクト」というお笑い芸人と構成作家?のひとがやっているファッション系のYouTubeで名前が出ていて、気になったのでブックマークに保存してちょいちょいオンラインショップを見ていたお店で、かっこいい商品もあったし、恵比寿にもそう何度も訪れることもないだろうと思い、勇気を出して入ってみた(ちょっとでもお洒落な店には入るだけでもすごく気力がいる)。

「いらっしゃいませ。」と多分言っていた。その聞こえるか聞こえないかの声量も、なんだかオシャレな店のイメージそのものだった。肩肘はってない感じとの対比で、勇気を出してお店に入るというその行為自体をみずほらしく感じさせる。

お店自体にはそれほどの広さはない為、商品全体を簡単に見て回るくらいならば10分程度で終わった。可愛らしいサンダルやバケットハットがあり、これから暖かくなるしちょっと欲しいなと思うものもチラホラあった。その時に、店の端っこに置いてあるラックの横に人が通れるか通れないかくらいの隙間があるのを見つけた。最初は鏡に写っている店内だと思っていたがよく見ると、こちらのスペースにはないポスターが貼られていたり、違う商品があるように見えた。

ただ、人が通る前提にしてはスペースが狭いような気がしたので、レジにいる店員さんに一応入っていいところなのか聞いてみることにした。

「あの、すみません。」
『はい。』
「あのラックの向こう側って行っても大丈夫ですか?」
『あぁ、無理っすね(笑)。』
「あ、ストックとかのスペースですか?」
『いや、展示会やってるんで(笑)。なんかお探しのアイテムとかあれば取ってきますよ?(笑)。』
「あ、特にそういうわけじゃないんですけど。」
『っす(笑)。』

店員さんは終始半笑いだった。お探しのアイテムも何も、何があるのかわからないから行ってみたくなったんだけどなぁって思った。

気になっていた帽子やサンダルもあったけど、なんだか息苦しくなって、店員さんに軽く会釈をして早足でお店を後にした。初めて二郎系のラーメン屋さんに行って注文方法が分からないだけでイライラされた時の気持ちを思い出した。

僕はきっと二度とあの店には行かないだろうし、行けない。そして、今後ちょっと気になっているなぁと思っている店の前を通ったとしても、そのお店に足が向くことも減ると思う。

僕がもう行きたくないと思う自由があるように、お店の側にも来て欲しい客と来て欲しくない客を選ぶ権利があると思う。ただ、今後僕が同じような場面に遭遇した時にちょっとでも、自分を守る為の道具になるかもしれないのでききたいのですが、展示会って何ですか?

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