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[「今どうしてますか」インタビュー]北九州 生き方のデザイン研究所 「今たりないのはじぶんの力量?人?と教えてくれるAIがあったら心強い」

いつもの暮らしとちがった風に過ごす必要があるなかで、いま、まいにちの活動はどうされていますか?

北九州にある“生き方のデザイン研究所”のスタッフ赤嶺さんにお話を聞きました。生き方のデザイン研究所はいまある先入観をふきとばすための「障害のある人との出会い」をメインテーマに、学校や企業で啓発活動などを行っている団体のみなさんです。

生き方のデザイン研究所
生き方のデザイン? 少し聞き慣れないことばですが、“デザインはカタチあるものに対してするだけではないよね”ということで、この団体名には、

ー“障害があることで我慢したり、諦めたりせず、むしろ障害があることを強みに感じながら自分らしい生き方をデザインするー
という想いが込められているそうです。

障害のある人が「生き方デザイナー」として「生き方のデザイン授業」という出会いの授業の講師活動をしたり。障害を正しく理解し、合理的な配慮ができるプロの理解者をそだてることを目的とした企業研修や、障害がある人もない人も安心して集える誰でもウェルカムな交流サロンも行っています。

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新型コロナウィルスが急速に広まった去年4月のスタッフミーティングのようす。開所し続けるのか、続けるならばどうやって安心・安全を確保するか話し合い中。

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12月、北九州市立響ホールでの「サポートの必要なお客さまのホスピタリティーガイド研修」のようす。二重三重に感染対策をして、慎重に行ったそうです。 (*写真は緊急事態宣言がふたたび発出されるまえです)

GJ: 新型コロナウィルスがひろがってから どうされていましたか。

 赤嶺さん:去年から本来の事業である啓発活動への依頼が激減し、中止もあいつぎました。一時はほぼ収入ゼロの状況が続き、運営そのものが危機的状況です。

去年いちど緊急事態宣言が解除されたときは、すこしずつ本来の活動がもどりつつありましたが、感染を避けるために、おやすみが続いているメンバーもいます。

じょじょに問合せ・依頼がはいるようになってきたんですが、3密をふせぐ観点から活動が成立しないこともおおくて。

GJ:大きく変わったことなどはありますか?

 赤嶺さん:集うこと、実際にふれ合うことが主体の活動が多いので、あたらしい生活様式にあわせた活動の実施が難しいですね。

GJ:そこに対処しようと、あたらしく始めたことなどあれば教えてください。

赤嶺さん:作業所に来られない人たちとのつながりが切れてしまわないために、Zoomを利用したオンライン朝会をしています。緊急事態宣言解除後も、集える人はリアル、来られない人はオンラインでハイブリッドなつながり方を継続しています。 

他のイベントにおいても、こういったハイブリッド式を導入したので、これまでは近隣に住んでいる人しか参加できていなかったのが、関東など遠方の人も参加できるようになってきています。

GJ.ハイブリットでやられて、やりやすさとかどうでしたか。

赤嶺さん:密を防ぐためにもリアル参加の人は席をはなします。発言をするときは、誰がしゃべっているかがわかるように、パソコンを回したりするんですけども、やはり音の入りやすい場所とかあったりするので。ちょっとした角度によっては声が入らなかったりとか、そういうこともありましたし。

あと、現場のこっちでは盛り上がってるんだけど、おうちで参加してる人は少し温度が測り切れないというか…。「何が起きてるんだろう?」みたいな。

GJ:空気までは伝わらない感じですかね。

赤嶺さん:そうですね。あと、わたしがよかったなと思うのは、自分の調子に波があるメンバーもいて、わざわざの連絡がプレッシャーやストレスにならないようなタイミングがはかりづらくて、静かに見守るしかなかったんです。今は毎週、通所人数の調整連絡をする必要があるので、「こんな感じで活動しているよー」とかいう言葉が定期的に届けられています。そこはプラスに考えているところです。

「微妙な体調なので外出できない。」っていうメンバーもいるんだけど、そういうメンバーも「今日は外出できないので、オンライン朝会には参加します。」とか。I Tを使うことでつながりが増えた面もありますね。

Q.オンラインの方が参加しやすいという声も聞きます。

赤嶺さん: うーん。うちのメンバーだとパソコンを持っていたり、家にWi-Fi環境があるメンバーは繋がりやすいんですけど、スマホしか持っていないメンバーは、パケットの問題があり、自由には繋がりにくいです。プラス、スマホを持っていても、障害の特性上、U R L付きのメールは拒否設定するような高いセキュリティーを必要とするメンバーには参加を呼びかけることができないとかいう、そういう壁にも今ぶち当たっています。

Q.参加者をつのる活動は「きてもらったらわかる」とお話しされていましたが、やっぱり実際に参加してもらうことでの反応は大きかったですか。

赤嶺さん:そうですね。―障害のある人に対しては、やっぱり先入観があって。「何か世話をしてあげないといけない人」とか、「何もできないひと」とか。でもそういうのではなく。それぞれの人がそれぞれの強みを生かして活動している姿を実際見てもらうことで、ライブというか魅力を直接伝えることができるとイメージが変わっていきます。

そういういつでも集っていい場所があることで、きっかけが常につくれていたんだけど、今はきっかけを作りたい一方で密は防がないといけない。そのバランスを取るのが一番難しいところですね。

Q.事前アンケートで、(*このインタビューは事前に各福祉系団体さんに事前な簡単なアンケートを行っています)
赤嶺さんのお答えはこんな感じだったんですが:

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GJ:やはり資金的には打撃をうけられていますか。

コロナ禍前から厳しい現場で。厳しい状況がさらに厳しいですね。

時間に関していうと、先程の±で言えばプラスには考えているんですけれども感染予防対策でやる業務が増えている。さらに時間を削られている現状です。

GJ:あと、ここに書かれているのが業務量に対して必要な職員の人数を割り出してくれるAI ...! (面白そう!)

今は仕事を楽しくやってるんだけれども、やっぱりオーバーワークになれば自分の体も壊すし…。何か足らなかったときにこういう仕事をしていると、すぐに自分の力が足りないからと思いがちなんだけれども。

―力も確かに足りていないんだけど人も足りてないんだよ。―
って、いうのを計算してくれるようなAIがあると、なんか心強いというか 笑

ああやっぱり力が足りないんだ。じゃあこういう勉強して頑張ろう。とか、やみくもに自分を責めずにすむかなみたいな。

GJ:笑

しごと量の適正を“見える化”してくれるAIのアイデアは、福祉施設もふくめ人手不足で頑張っている場所では重宝されそう。オーバーワーク防止の職員同士のコミュニケーションツールにもなりそうです。

ご多忙の中、インタビューに応じてくださった赤嶺さん、また代表の遠山さんどうもありがとうございました。


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急な告知になりますが、2月19日(金)と2月20日(土)に「コロナ禍における障害のある人の新しい仕事づくり」のオンライン情報交換会を行います。事前登録不要ですので、お好きな時に、以下のイベントページのZoomボタンを押してご参加ください。今回、お話をうかがった生き方のデザイン研究所さんは20日(土)14:00より話題提供してくださいます!

↓ 前回の記事。山口の周南・光あけぼの園さんにお話をお聞きしてます。

生き方のデザイン研究所の皆さんにご参加いただいたプロジェクト。


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