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母との見えない臍の緒を切ると、自分の本音が見えてくる

〇十年前、母のお腹から、この世へ飛び出してきた私。

あの日、お医者さんがブチンとちょん切ってくれたはずの、母と私を繋いでいた臍の緒。

でも、鎖のように重たい、目に見えない臍の緒が、私と母をずっと繋げていました。

「この子は、私がいないと何もできない子」
「私がいなくなったら、母がかわいそう」

こんな幻想を真実だと思い込んで、世話を焼いたり焼かれたりする関係から逃れられずにいた、私たち母娘。

私は、目に見えない臍の緒を切らないまま、結婚しました。

元夫の転勤でイギリスで暮らしている間、遠い日本に残してきた母のことを、いつも心配していた。

夫婦で旅行していても、「お母さんを残してきて、私だけ、こんな贅沢して申し訳ない」という気持ちが、いつも心の片隅にあった。

目に見えない臍の緒で繋がった母のことを背負っていたから、いつも苦しかったのに、その苦しさ、心の満たされなさを、母のせいではなく、元夫のせいにしてた。

だって、母と臍の緒で繋がっている自分を認めるのが、恐かったから。

そして、まだまだ、母に甘えたかったから。

本来は親にたっぷり甘えるべき、子ども時代。いつからか、私は、親に甘えることを遠慮し、我慢するようになっていました。

まだ無邪気だった、ミニぐりちゃん

その反動は、私が大人になってから、元夫との結婚生活に大きく影響しました。

一つは、元夫との、セックスレス。もう一つは、PMDD(月経前不快気分障害)という、うつ病の一種を発症したこと。

月経前不快気分障害(げっけいまえふかいきぶんしようがい 英称:Premenstrual Dysphoric Disorder:PMDD)は、正常な月経前症候群(PMS)と比較して、より精神症状が重いものをいう。イライラ、変わりやすい気分、不安といった精神症状、また睡眠や食欲に変化がある精神障害である[1]。月経前の不快な気分はきわめて一般的であるため、1年間のほとんどの月経に先行して、目立った心理的な症状が重症である必要がある[1]

(wikipedia)

生理前になると、まるで悪魔に憑かれたように、元夫や母に当たり散らしたり、酷いときはモノを投げつけたり、壊したり。

家庭内暴力の一歩手前と言ってもいい、地獄ような有様でした💀

セックスレスやPMDDが、離婚原因の全てではありませんが、この問題がなかったら、違っていたかもしれません。

離婚後、色んな人の本やブログを読んで、分かったのは、セックスレスも、PMDDも、母との関係性が根っこにあったこと。

見た目だけは一人前のオンナのふりして、実は母と臍の緒の切れていない赤ちゃんだった私。

大人のオンナになりきれていないのだから、元夫が、私に興味を失うのも当然だったと思います。

離婚してからの、約二年。

子どものころに遠慮してきた分だけ、めいっぱい母に甘え、母との関係性を見つめ直してきたおかげで、PMDDの症状も、いつのまにか消えました。

だから、臍の緒を切っても、もう大丈夫。
赤ちゃんから、一人の大人の女性に生まれ変ろう。

そう決めてからも、しばらくの間は、後ろ髪を引かれそうになりました。

「やっぱり、私は、母がいないと生きていけない」「私が母から離れたら、かわいそう」と、何度もブレそうになるたびに、

「私も、お母さんも大丈夫」と自分に言い聞かせ、精神的に親離れしていくことを決め直しました。

そうしたことで、これまで自分の想いや願いだと思ってきたことは、本当は母の想いや願いだったのかもしれないと気がつくようになり、

少しずつ、自分の本音が見えてくるようになりました。



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