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雑誌の衰退とともに感じてきたこと

2019年からワンダーフォーゲルのアートディレクションとデザインを担当してきましたが、先月発売の6月号を最後に休刊となりました。
雑誌がどんどん衰退していくのを眺めています。

雑誌で情報やトレンドを得るという流れが終わりつつあるのですが、
それでも本や雑誌の価値というのはあると思います。
雑誌が面白くなくなっていったことの1番の理由は、
新しさや斬新さがなくなっていったことではないでしょうか。
コンビニの棚を見てもワクワクするような時代がありました。今はない。
情報を得るのがネットになっていったから、ということだけでなく
作る側がどんどんと守りに入っていったことがもっとも大きな理由なのではないか、個人的にはそう感じています。

あとは広告。
去年と数年でアパレルや美容などあちこちが大打撃です。
リーマンショックの時も凄かったけど、今はもっとすごいかも。
雑誌もその煽りを受けていますね。
広告で成り立っていたところは、採算が合わなくなって入ってると思われます。
そして読者自身の景気も悪くなれば、面白くないものや中途半端なものは買わなくなりますから。自ずと売り上げが下がるのだなと。

昔の雑誌は本当に楽しかった。
チャレンジングだったし、
いろんな企画といろんなページがあるのが魅力でした。

ここ10年くらいの雑誌は極力外さないようにとすごく保守的な状態が続きました。
この企画なら安牌だと言う理由で同じような企画ばかりをやったり、
他誌と似たようなことをやったり。
そうしてるうちに個性がなくなっていったような気がします。
デザインをする私たちも「またこれやるのか」「また同じでいいのかな」
どこか沸きらない気持ちで仕事をしていたのも正直なところです。
同じ内容なのにデザインだけなんとかしてくれなどということもありました。
これは本末転倒です。中身がしっかりあってこそいい外見が生まれるのですから。

この考え方は雑誌に限りません。
日本全体が景気が悪くなるのを理由にどんどん保守的になりました。
攻撃が最大の防御という考え方はどこへいったのでしょう。
変化や成長の少ないものはいつの間にか退化しているものです。

今生き生きとして調子が良いところは、
ずっと挑戦を繰り返してきたところだと思います。
うまくいかなくてもコツコツと新しい道を開拓してきた人たち。
バランスが取れていないといけないといつも学ばされます。

「挑戦半分、守り半分」

私が特に気をつけていることです。
お金が入らなくても挑戦になることはどんどんやらせてもらっています。
おそらく今雑誌が無くなっちゃったからガツンと収入が減るはずなんですが笑、
そんなことを気にせずにいろんな人の手伝いをしています。
人のお手伝いをしていれば夢中でいられるし、自ずとご縁ができて、
手伝ったことがきっかけで次の仕事につながっていくものです。

脱線しましたが、とにかくコスメにしてもアパレルにしても出版にしても
とにかく大量に作ればいいという時代は終わったのです。
必要な分を必要なだけ作り売る。無駄なことはしない。

そう考えると個人で安く作ってそれに興味があるひと同士で流通するというのが今のご時世一番スマートです。
個人で売ったりやりとりできる場所もサービスもたくさん増えました。
間に入る会社や人が少なければ少ないほどコストが抑えられるのは皆さんもご存知の通りです。
現に私の周りではそういう依頼が増えています。
出版社から個人からの発注に移行しつつある。
そして出版社からのくるお仕事もフォロワー数の多い人気の個人を取り上げた企画ばかり。
まさに個の時代。個人のパワーはこれから益々強くなるでしょう。

大きいところに属す意味や価値をきちんと理解して働かないと正直無駄なことばかりです。
私自身デザインも事務所にいないとできないと思っていました。
雑誌を作ったり出力したり家で一人でできるのかなと。
しかしやってみたらなんてことありませんでした。
なんでも自在な時代です。
出力だってコンビニでできるし、ネットがあれば打ち合わせもデータの送付もなんでもできます。
一緒に働いてくれる子だってわざわざ一緒の空間にいる必要がないのです。

私は個人になったことで、私の価値を改めて認めてもらえるようになりました。
会社の状況や意見を気にすることなく仕事もできます。
会社にいては出会えない人の縁もあります。これは辞めてみないと本当にわからない。

今会社にいてもやっとしている方々。
一人になってその個人の価値を生かしていく道を探れば、
自ずとやりたいことと仕事がマッチしていくと思います。
うまくいってるのは私だからだと周りは言うけれど、そんなことはないです。
私より経験の浅い後輩たちも辞めた子からバンバン活躍しています。
一人になったことでみんなと助け合って生きてるのをすごく感じます。

一人一人みんなに価値があるんです。
助け合えるように凸凹があるんです。
お金のためだけにボツ個性で生きるのはもうやめましょう。

結局何が言いたかったかと言うと雑誌の話にかこつけて「みんな守らず挑戦していこうよ」ってことが言いたかったみたい。
言いたいことを気持ちのままに書いちゃいました。
読んでいただきありがとうございました。


おわり

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