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今週のグッドデザインを紹介します(4/3〜 4/12)

今日は 4月1、2週(4/3〜4/12)のとれたてグッドデザイン8点をまとめてご紹介します!



4/3 収納ボックス[折りたたみキャリコ Cari+con]

居住空間に溶け込むシンプルなデザインの折りたたみ収納ボックス。前後・左右・天面に扉を配置することで、積み重ねたままどこからでも出し入れできる。

折りたたみキャリコ Cari+con

受賞者によるデザイン紹介
居住空間に溶け込むシンプルなデザインの折りたたみ収納ボックス。前後・左右・天面の5か所の開口扉から取り出しが可能。また、積み重ねたままでも側面扉から取り出せる。不要な時はコンパクトに折りたため、必要な時は簡単に組み立てて使える幅広いニーズに応えるデザインを実現させた。

審査委員からのコメント
折りたたみキャリコ Cari+conは、倉庫などで見かけるコンテナボックスを日常生活でも使用できるよう極力シンプルにシームレスに色彩も黒と白という潔さで実現されている。不透明さも空間を煩雑にしない工夫だろう。一般的なコンテナの使いにくいところを改善し、部屋に置いても無骨にならないデザインとなっている。蓋があらかじめ設置されているのでバラバラになったり紛失したりがないところが適切な配慮だ。全体として清潔感とミニマルさに好感が持てた。

https://www.g-mark.org/gallery/winners/14687

4/4 ランドセル[エアラン]

子どもたちの日常を軽やかに彩る、軽量でカラーバリエーションが豊富なランドセルの新型モデル。

エアラン

受賞者によるデザイン紹介
軽量でカラーバリエーションが豊富なランドセルの新型モデル「air ran.」。子どもたちの日常を軽やかに彩り、自分らしさを楽しんでほしいという想いのもと開発された、ナイロンと人工皮革をドッキングした軽量化ランドセル。

審査委員からのコメント
プロダクトとしてのランドセルは、軽量化や耐久性を目指すのは勿論のこと、リサイクルしやすい組み合わせ、リユースなども前提として、6年間の活用を考える必要がある。エアランは従来のファミリア製ランドセルから、新たなラインナップとして開発された。素材の組み合わせにより、ランドセルの重量問題を大きく転換したものとなっている。素材を変更してもなおランドセルに必要とされるスタンダードな形態、そして上品さをもキープしており、ファミリアらしい信頼性がカタチとなっていた。ジェンダー平等の実現といった現代ニーズにも、カラーリングへのこだわりにより応えている。歴史ある企業理念が見事にプロダクトへと落とし込まれていた。

https://www.g-mark.org/gallery/winners/17676

4/5 Smart home Cam[Premium Home Cam - Smart childcare system]

子どもの動きを追跡しリアルタイムで危険を察知する、シンプルで洗練された佇まいの見守りカメラ。

Premium Home Cam - Smart childcare system

受賞者によるデザイン紹介
親のように育児を行うスマートホームカムボットです。 子どもの行動を追跡し、リアルタイムで危険を察知します。また、本製品はバッテリーを内蔵しているため、子どもの動きに合わせて自由に動かすことができます。 メカニカルな部分はすべて隠されているので、さまざまな空間に溶け込むことができます。隠すことを前提に設計されたホームカムとは異なり、本製品はむしろインテリアを引き立てます。

審査委員からのコメント
見守り用の家庭用モニターというと何故か防犯用の監視カメラや玩具のようなデザインが多いが、本プロダクトは非常にシンプルで洗練されたスタイリングにまとめられている。トラッキングの為に様々な動きを可能にするヒンジ部が外観上全く見えず、スムーズに対象を追尾するその動きには感情を持った生き物のような愛嬌すら感じ、子供と親とのコミュニケーションを円滑なものにするだろう。一見単純な円柱で構成されているように見えるが、面やラインに微かに施された造形にデザイナーからユーザーへの優しい配慮を感じる。

https://www.g-mark.org/gallery/winners/19468

4/8 スマートリング[SOXAI Ring 1]

健康管理用ウェアラブルデバイスの最適解を追求した、24時間心地よく着用できるスマートリング。

SOXAI Ring 1

受賞者によるデザイン紹介
SOXAI RING 1は、健康課題の解決を実現するバイタルセンシング機能を搭載したスマートリングです。幅7.6mm、厚み2.5mmという世界最小サイズとラウンドフォルムを実現することで、日常の暮らしの中で装着負担をかけずに自然な形での健康管理を可能にしました。

審査委員からのコメント
常時生体バイタルを取るために、腕時計ではなく指輪という選択を行い、かつそのサイズを世界最小にして肌当たりの改善を行ったことで、この「常時生体バイタル」というコンセプトが達成できたのだと思う。常時装着がもたらす睡眠状態やストレスのスコア化が生活習慣病の改善につながりそうだ。皮膚表面からのセンシングに際して、装着感を高める接点のデザインが優れている。また、指のサイズやカラー、表面処理などの個人の嗜好性に合わせたラインナップを展開しているのも評価された。

https://www.g-mark.org/gallery/winners/18809

4/9 認定こども園[川辺幼稚園]

目の前に山や田畑がひろがる、認定こども園。7×10mの大窓により壮大な風景の広がるランチルームは、原風景としてこどもたちの心に刻まれる。

川辺幼稚園

受賞者によるデザイン紹介
目の前に山や田畑がひろがる鹿児島県南九州市の認定こども園。建築によって、何気ない風景から美しさを切り取り、原風景としてこどもたちの心に刻む。園の1日は大階段のホールから始まり、アリの巣のように壁面に広がるネット遊具や地域を象徴する漆塗りの遊び場などがこどもたちの遊びを彩ることで、感性や身体の成長に働きかける。

審査委員からのコメント
設計者は、子供施設の名手である。資料を読めば、子供たちにとってはたまらない場所がそこここに散りばめられ、その腕前には驚かされる。しかし、このプロジェクトで特筆したいのは、壮大な風景の広がるランチルームである。壮大な田畑や山並みが大きな開口部によってフレーミングされ、空間に取り込まれている。見方によっては、子供には大きすぎる空間と感じられなくはないが、設計者は子供たちにとって何気ない故郷の風景を空間化することを大切にしている。子供施設は、子供たちが過ごしている期間だけを大切にするのではなく、ここで過ごした子供たちが大人になったときに何を記憶に残せたのか、ということも同じように大切なはずである。子供たちの記憶の奥に故郷の風景が刻まれることを祈っている。

https://www.g-mark.org/gallery/winners/17275

4/10 モバイルバッテリー[学校向けモバイルバッテリー]

フックにかけられるので場所を取らず防水・防塵でタフな使用にも対応した、学校で使うPCやタブレットを充電できるモバイルバッテリー。

学校向けモバイルバッテリー

受賞者によるデザイン紹介
学校で使うPCやタブレットを充電するバッテリーになります。学校の机が小さく机の上にバッテリーを置くスペースが無く、本製品は机に吊って充電することができます。また特定の条件下で機器からバッテリーへ充電してしまう現象を防ぐ為に、出力と入力ポートを分離しています。

審査委員からのコメント
角を丸めたフォルムと大きなボタンは子供たちにも使いやすく、ハードに扱っても傷が付きにくい表面処理でまとめるなど、道具としての基本的性能をよく理解したデザインである。使用時は机のフックに掛けるアイデアも素晴らしい。カスタネットのような赤と青のカラーは、私たちの記憶にある小学校の配色を思い起こさせる。ここは個人的にも気に入った点である。使用者をよく理解した明快なデザインで好感が持てる。

https://www.g-mark.org/gallery/winners/17333

4/11 タンブラー[PAPLUS® プラスチックフリータンブラー]

アップサイクルされた古紙と植物由来生分解性樹脂から作られたタンブラー。

[PAPLUS® プラスチックフリータンブラー]

受賞者によるデザイン紹介
消費者の皆様に、アップサイクルされた古紙と植物由来生分解性樹脂から作られ、石油成分をほとんど使っていない、デザイン性の高いタンブラーを実際に使って頂くことで、紙の資源循環やバイオプラスチックの可能性を感じてもらうとともに、使い捨てカップへの過度な依存から脱却するきっかけの一つとなりたいと考えています。

審査委員からのコメント
近年では、脱炭素社会への推移に伴い、環境への配慮を優先したプラスチック代替素材が増加している。しかし一方で、環境への配慮を掲げつつも、実際には従来の石油由来プラスチックを多用した製品も多く存在する。このタンブラーは、従来の石油由来プラスチックの代わりに植物由来プラスチックを使用することで、ほぼ完全なるカーボンニュートラルな素材となるよう緻密に設計されている点を評価したい。また、廃棄時のリサイクルシステムをユーザーに公開している点にも大変好感を持った。形状に関しては、機能性に特化したミニマルなデザインにすることで、素材の手触りの良さを際立たせ、ブランドが持つ世界観とも見事に調和している。

https://www.g-mark.org/gallery/winners/20028?years=2023

4/12 包丁、専用砥石[超硬合金包丁 KISEKI:(キセキ)]

超硬合金を素材に使用した、「おいしく切れる」道具としての包丁。

超硬合金包丁 KISEKI:(キセキ)

受賞者によるデザイン紹介
KISEKI:は、単なる包丁のブランドではありません。「新しい刃物のあり方」を考えるブランドです。 三徳包丁からはじまる「おいしく切れる」道具たちと、その先にある豊かな食文化を提案していきます。 メイドイン関の誇りを胸に、世界中にまったく新しい刃物の体験とおいしい記憶、自然の恵みへの感謝を届けます。

審査委員からのコメント
料理用の包丁で、金属・樹脂・天然木という基本的な素材とシンプルなラインによって見た目の美しさを十分に示している。そして、ユーザーが握りやすい形状の柄で容易に切ることができる。食材を切る際の切り味は、今まで経験したことのない新たな体験をユーザーに与えるのに十分である。外観のスタイルだけでなく、目に見えない刃の切れ味、洗練された包装紙、砥石が1つのセットとなり、ユーザーに十分な喜びを提供できる製品である。

https://www.g-mark.org/gallery/winners/14557

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