【小説】「天国のこえ」序章・私とスピリチュアル
私、木村朝子は子供の時から、「おまじない」が好きだった。
小学生の時は、「意中の人を射止めるおまじない」「友達と喧嘩しないおまじない」などと書かれた本を、たくさん持っていた。
今思えばそれは、本当に願いが叶って欲しいと言うよりも、「おまもり」のような役目を求めていたのだと思う。
当時の少女漫画の付録には、小さな「タロットカード」が付いていて、それの為だけに分厚い少女漫画雑誌を購入したこともあった。「おまじない」が好きな私には、とても魅力的なアイテムだった。
天然石も好きだった。いわゆるパワーストーンと呼ばれるもの。
旅行に行った先の神社で出会った、小さな水晶のストラップを手にした時の高揚感は今でも覚えている。キラキラしていて美しい上に、「おまもり」になってくれるなんて。子供の頃の私は感激し、それ以来、子供でも買える天然石があったら、買って集めるのが趣味になったものだ。
私自身は、霊的な能力というものがない、と自覚している。
それゆえ、「見えない世界の不思議なモノ」には、強烈に憧れを抱いていた。
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