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解離性同一性障害という生き方 ~100人超の交代人格と私~

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私がかかわったことのある解離性同一性障害をもつある人物の話を中心に、その他数名の話を参考程度に織り交ぜて、その人の人生と、関わりの中で知りえた驚くべき事実を全11話でお届けする前…
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記事一覧

#11【人とは】解離性同一性障害という生き方 ~100人超の交代人格と私~

私たちのほとんどは単一の人格によって形成されており、自分の意志や価値観によってあらゆる選択を行いながら過ごしている。解離性同一性障害のように多重人格があったとしても、その人格ひとりひとりは私たちと何ら変わりはない。先に書いた『ヤバい人格』達は、凶暴性の裏に大きく穴の空いた寂しさや空虚感を有しており、愛されたいという強い感情の裏返しであることがほとんどである。ゆえに、関わり方によってその価値観や考え方は変化させることはできるし、それぞれの人格を『人』として尊重し向き合うことで、

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#10【生きづらさ】解離性同一性障害という生き方 ~100人超の交代人格と私~

私たちの人生は、ある程度一貫性があって、進学したい学校があったり、就きたい仕事がある。もちろん、途中で進路変更することもあるが、基本的には夢や目標に向けて進んでいく。 解離性同一性障害を持つ場合、出来るだけ基本人格の考えに沿って進むべきですが、多数の人格が頻繁に交代してしまうと、その間の時間は基本人格にとって何もしていない状態であり、やったことも誰かと会話した内容も一切記憶にない。 要するに時間が搾取されてしまったり、意図しない人生を歩むことになってしまったりする。

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#9 【ヤバい人格】解離性同一性障害という生き方 ~100人超の交代人格と私~

解離性同一性障害の9割以上は、何かしらの虐待経験を持つと言われているが、幼少のころからの虐待に加え、反社会的組織との関りやカルト教団との関りによって、性虐待、幼児ポルノや児童ポルノなど大人の金もうけに利用されていたり、反社会的組織に売られ殺人の手伝いや後処理、臓器密売は薬物の密売、援助交際など、奴隷としての扱いを受けるケースもある。

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#8【こんなこともある】解離性同一性障害という生き方 ~100人超の交代人格と私~

ある日、交代人格の一人が慌てた様子で出てきたことがある。 なぜそんなに慌てているのか尋ねると、30人近くいた人格たちがすべて消えてしまったというのだ。これには驚いたのと同時に、何が起こったのかわからず、この先どう対応したらよいのか、思考回路が停止しぽっかり穴が開いたように少しの時間呆然としてしまったことがある。 そもそも、基本人格の生活を軸に他の人格が外へ出てこないように制御していたり、出てきても好き勝手しないように抑えていたこともあって、出てくる人格が居なくなったのなら

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#7【スゴ技】 解離性同一性障害という生き方 ~100人超の交代人格と私~

前述したように、内界にいる人格達は、視覚や聴覚を通じ、外の様子を知ることができる。 視覚に関しては、外の様子を見ようと思った時のみ見ることができるらしく、音に関しては、外の音が内界全体に聞こえているらしい。

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#6【役割】 解離性同一性障害という生き方 ~100人超の交代人格と私~

交代人格には、それぞれに役割がある。 前述で管制塔という表現を使ったが、皆が知る管制塔には責任者がいるし、その責任者を補佐する人達がいる。そして、その他のスタッフがいるわけだが、内界もまた、同様にリーダー的存在の人格がいて、そのリーダーを補佐する人格がいる。その他の人格は、身代りを主な目的として存在し、補佐役の人格たちは外の様子や基本人格の状態を監視し、いつどのタイミングで交代するかをリーダーと情報共有しリーダーが指示を出す。

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【人格交代】#5 解離性同一性障害という生き方 ~100人超の交代人格と私~

内界にいる人格たちには、外の様子が見えていたり音が聞こえていたりするが、基本人格が内界に居るときは、個室にいるため他の人格と関わることもなければ誰が交代して何をしているかも全く知り得ないのである。 もちろん、この間の記憶が全くない。 例えば、虐待が始まるとその様子は内界でも把握できるため、すぐさま適応出来る人格に交代しストレスを肩代わりする。

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#4【人格】解離性同一性障害という生き方 ~100人超の交代人格と私~

ここからは客観的な観察記録として書いていきます。 まずは、基本人格とその他の交代人格は完全に分けて考えなければなりません。 ケースとして、基本人格=主人格のケースです。その場合、基本人格(主人格)を基準に他の交代人格たちが活動します。 もう一つ、基本人格の影武者的存在として主人格が別人格として存在しているケースがあります。これは、基本人格がストレス超過になりそうな時に主人格が出て代わりに日常生活を過ごしながらフォローする体制のことで、その他人格は、主人格さえもストレス超

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#3 【診断】 解離性同一性障害という生き方 ~100人超の交代人格と私~

高校生の時、解離性同一性障害の診断が出ました。 それは、強迫性障害の症状が強くなり日常生活に支障をきたすため入院したのがきっかけなのですが、入院中、看護師たちが異変に気付き経過観察ののち診断が出たのです。多重人格という言葉は知っていました。ですので、今までの『自分じゃない自分』は、あながち間違った認識ではなかったということと、どうやら彼らのことを『人格』と呼ぶらしいことも、それぞれに名前があることも、そして、自分とは性格が全く違うということなど色々と知ることが出来て、これま

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#2 【もう一つの日常】 解離性同一性障害という生き方 ~100人超の交代人格と私~

小学校3年生くらいになると親に連れられて出掛けることが多くなっていました。平日が多かったので当然学校を休むことが増え、出かけた先には、怖いおじさんたちがいて雑用を手伝わされました。 おじさんたちの間には上下関係があるらしく、ヘマをした下っ端はボコボコに殴られ、動かなくなった人は青い大きなシートに包んでどこかへ運ばれていたこともありました。 自分もヘマをするとそうなってしまうかもしれないと、必死でいろいろなことを手伝いました。

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#1 【私じゃない私】解離性同一性障害という生き方 ~100人超の交代人格と私~

#1【私じゃない私】 父は中小企業の社長、母は看護師というそれなりに恵まれた環境で長女として生まれた私は、生後半年で乳児院に入所となりました。理由は母親による虐待でした。 その頃から、1日の中で記憶のない時間ができるようになりました。1歳になっても2歳になってもたびたび記憶がない時間があったけど、他の人もそうなのだろうと気にも留めず過ごしていました。それが異常なことだとは疑いもせず。

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#0 解離性同一性障害という生き方 ~100人超の交代人格と私~

私がかかわったことのある解離性同一性障害をもつある人物の話を中心に、その他数名の話を一部織り交ぜて、その人の人生と私の関わりの中で知りえた驚くべき事実を全11話でお届けする前代未聞の暴露ばなし。かなりきわどい話もあるので、有料版で投稿します。ぜひお読みください。 第1話【私じゃない私】 第2話【もう一つの日常】 第3話【診断】 第4話【人格】 第5話【人格交代】 第6話【役割】 第7話【スゴ技】 第8話【こんなこともある】 第9話【ヤバい人格】 第10話【生きづらさ】 第1