福島へ〜2〜

車を走らせる僕は、友達がいる東京へ向かった。
そこで2泊を過ごして福島へと進む。

高速道路を走っていると見慣れぬ電光掲示板が目に入った。
mSv、0.1や0.2
そんな数値が表示されていたと思う。(2年前の記憶なので違ったらすいません)

放射線か。

気づいたとて何かが変わった様子はなかった。
高速からは大した景色は見えないし、車も通っている。

ナビが高速を降りるように指示をする。
従って降りたのは自分の車だけだった。

そこは福島県双葉町。
中浜海岸と郡山海岸を目の前に位置する場所。
津波と原子力発電所事故により全町住民が避難を余儀された。2022年8月には、避難指示が解除され住民の帰還が始まっている。

大通りを走るとそこかしらに封鎖された道があった。どこにも曲がれずただひたすらに真っ直ぐの道しかない。小道は全部封鎖されていた。街の中心部に近づくにつれ、家が目立ち始める。
空っぽの家、形はあれど魂がないみたいだった。
そんな風景が窓越しに流れていく。
人は歩いておらず、たまに見かけても何かの業者だった。
今回の目的地である東日本大震災・原子力伝承館に着き、車を降りた。