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架空デート日記



皆さんはじめまして、
照琅(てらし ろう)です。

普段は株式会社エレファンテというシナリオ制作会社に勤め、様々な物語を考える仕事をしています。

死ぬほど入りたかった第一志望の会社に入り、最高の上司にも恵まれ、いまだに連絡を取り合う高校・大学時代からのマブダチもおり、毎日充実しているのですが、そんな照琅には一点だけ不満があります。

それは……


>>>>>恋人がいない<<<<<

照琅には、恋人がいません。男女問わず、恋人がいません。

2?年間、生まれてこの方、人に恵まれまくって生きてるのになーーーんでか知らんが恋人は出来たことない。なんで?
(マッチングアプリもやったことが一応あります。アプリに関する面白話もあるので、それはまた別の機会に)

もはやあまりにも恋愛に縁がなさすぎるあまり、恋人という存在がまぼろしのポケモンとかトトロとかそういったモノにさえ思えてしまう。

今は恋人がいてもいなくても幸せになれる時代ではありますが、それでも私は思うのです。

「恋人……「つくり」たいな」、と。

そこで、ふと思いつく。

恋人がいないなら、「創れば」いいじゃないと。

ふーん? おもしれー発想。
じゃあ、「創る」、か。恋人を。

ということで、私は頭を働かせに働かせ、理想の恋人を創ることにしました。
第一回目のブログタイトルの伏線が回収されましたね。

今回私が行うのは、以下の2つです。

①理想の恋人のプロフィールを創る
②その恋人と「夏デート」を楽しむ。

さて、ジャンジャンやっていきましょう。
まずその①から。

己の性自認とか性的指向とかそういう難しい話は一旦置いておいて。
私は昔からの欲望として可愛い女の子とこれはもうイチャラコチャラとデートをしたい、そんな思いがありました。

ということで、今回デートする対象は「女性」とします。

さて、今から理想の彼女を創っていきましょう。



カリカリカリ……



カリカリカリカリ……

これを基に、カタカタカタ……

出来た!!!

狂気の充電残量は気にしないでください



最後の1行が不穏ですね。まあ良いでしょう。

それでは、その②。その恋人と「夏デート」を楽しむ。

ということで、白鳥なつ未ちゃんと夏デートに行こうと思います。
なつ未ちゃん、よろしくね!

はは、なつ未ちゃんは可愛いな。身に纏っている白ワンピースがキュートだぜ。
みんなには見えていない、その一点だけが残念ですね。

さて、今回なつ未ちゃんと行うデートは……

ドン❗️





夏の定番、お祭りデート!!!!!

(※この記事書くかと決めた瞬間に近場の夏祭り会場を調べて、即見つかったからマジでビックリした。絶対神様が私の味方してると思う)

さ、行こうかなつ未ちゃん。え、今日ペットのチロは連れて来なかったんだ!
じゃあ……2人きり、だね。ふふ。

どちらからともなく手を繋ぎ、鳥居をくぐる。
白いワンピースの裾が汚れないように、ちょんと手でつまみながら階段を登るなつ未ちゃんは可愛い。

なつ未ちゃん、お祭りといえばやっぱり屋台飯だよね。何か食べたいものはある?
なつ未ちゃんが白い指をそっと屋台へ向ける。その先には……

あんず飴屋さん!


令和にまだあんず飴ってあったんだ!?
最近はりんご飴ばっかり見かけてあんず飴なんて全然見かけなかったわ。
驚き桃の木山椒の木。

なつ未ちゃんにあんず飴を買ってあげると、「一口どう?」なんて聞かれちゃったのでお言葉に甘えて食べてみる。

あーん

手にバチゴリ飴付いてんな……




ヌチャ ニチャ😋

あっ、ふーん……こんな感じなんだ……。ありがとう、あとはなつ未ちゃんが食べていいよ。そういやなつ未ちゃんはねり飴すきだったよね……

ごめんけど照はりんご飴派かもしれん……とりあえず他の店行こっか。

さて、次に見つけたのはかき氷屋さん。こりゃ行くしかない。



「おう、そこの人! 可愛い姉ちゃん連れてんね!」

へへ、オラの彼女可愛いッすよね笑 

「そこの二人には特別にシロップかけ放題だ!」

え! いいんすか!

「幸せにな!」

へへ、あざす笑

さて、イカしたおっちゃんのおかげでかき氷のシロップかけ放題の権利を得た我々。

ドン!

冷たくてうまーい!



照をイメージした情熱の赤と、癒し系のなつ未ちゃんをイメージした緑のシロップを掛けた概念かき氷。
一つのかき氷をわけっこして食べて……派手に染まった舌を見せ合って……
ああ、今デートしてる! 幸せ! な気持ちになるのでした。

かき氷を食べながら、今度のテストヤバイ💦とか、数学のヤマセンが息子溺愛してるらしいとか、そんな話をする。私も将来お嫁さんになりたいんだよね……誰のかは、ヒミツ。なんて言うなつ未ちゃんにドキドキ。

その後も、チョコバナナに……



10円パンに……(余談ですが、10円パンなのに10円じゃないんだね! とむすっとしたなつ未ちゃんはとても可愛かった)


わたがしに……


袋、ちょっと子どもっぽくない? なんて笑う君が可愛くて。


歩いて、食べて、少し休んで、また歩いて。
時々なつ未ちゃんと、好きな映画やペットのチロの話をして。
楽しい時間はあっという間に過ぎていきました。



さて、そうこうしているうちに、
もう帰らなければならない時間です。

なつ未ちゃん、今日は本当に楽しかったよ。

……なつ未、ちゃん?



振り返ると、さっきまでそこにいたなつ未ちゃんがどこにもいません。

私は、なつ未ちゃんを探すべく走りました。

なつ未ちゃーん! なつ未ちゃーん!

ルールルル……。

走って、走って、走って。

けれど、彼女は見つからなくて。

休憩スペースに座り込んだ私は、さっきまで彼女が大事に掴んでいた綿飴の袋を、開けてみました。ほとんど、何かに縋るような、そんな気持ちでした。

……これは――

袋を、開けてみる。
そこには、1枚のメモ書き。



「サヨナラ……」

メモに書かれていた字は、紛れもなくなつ未ちゃんのものでした。

……なつ未……ッ

初めての呼び捨ては、あまりにもほろ苦い響きで。
つい握りしめたメモ帳からは、ほのかに彼女の肌の匂いがして。

私は夕陽が落ちてゆく空を眺めながら、一筋の涙を零すことしか出来ませんでした。

きっとこれから先、夏祭りの度に彼女を思い出すのでしょう。
なつ未という、一人の少女のことを――

以上が、この夏、照琅が体験した出会いと(一方的な)別れです。
皆さんもぜひ、架空の恋人と一緒にデートをしてみてはいかがでしょうか。

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