![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/148617600/rectangle_large_type_2_b8dc583371bb2b4a0e20466be25c1f6e.png?width=1200)
魂の見えた日
スーパーに行こうと外に出る。
近所のアパートの敷地を横切ると、ミミズがいた。
暑いのに頑張って動いているな~、と思って見ていた。
スーパーからの帰り、信号待ちの交差点でどこから流れてきたのか
わからないしゃぼん玉が一つ、風に吹かれて漂っていた。
「お前は一体どこから来たんだい?」
そう尋ねるでもなしに見ていたが、強風に吹かれた一瞬で消えた。
なんだか惜しい気持ちになった。
そのしゃぼん玉はしゃぼん玉特有の膜によって、青やピンクに光る
ということがなく、ただ白色の光のみによって
己が輪郭を描いていた。
普通のしゃぼん玉とちょっと違う気がした。
行きと同じ道をたどって家に帰ろうとすると、
先ほどのミミズが動きを止めて力なく横たわっていた。
あのとき最後の力で動いていたんだね、と思った。
雨も時々降る、夏の日。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?