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18歩 インフレはどこから始まるのか?


先日、日経平均が4万円を超えた。
S&P500も右肩上がりが続いている。
私が保有している投資信託も、怖いくらいに調子がいい。

私は5年ほど前から株式投資を始めたが
経済について、まだまだ勉強不足だと感じることが多い。勉強のために調べたことの整理も兼ねて、noteに書き留めてみる。


今日考えたいのは
インフレは、どこから始まるのか?
についてだ。

インフレにも種類がいくつかあるが
そのなかでも人々の購買意欲が高まることで需要が増えるために起きる、経済成長を期待したインフレについて調べてみた。




最近は海外旅行にも行けていないので
自分自身の実感としては日本国内の物価に限られてしまうが、たしかに食費だったりガソリン代が2年前に比べて上がったなと、家計簿をみても感じる。
先日久しぶりに手に取った本の価格から、インフレの推移を調べてみた。



書籍の価格はどのくらい変わっている?

私が株式投資を始めてみようと思いたったときに
初めて読んだのは山崎元さんが先生として出てくるこの本だった。

ベッドにこの本をおいていたら
猫に毛玉爆弾を食らったときはショックだった…



投資信託はこの本を読んでから買いはじめた。
最初に200万円分の投資信託を一括購入したときには、緊張したのを覚えている。


この本の裏表紙にある価格をみたら、1380円となっていた。このときの消費税は8%だったので、1490円で購入したものと思われる。

ちなみに本を買った時期と投資信託を始めた時期にタイムラグがあるが、なんとなく始めるのが億劫で証券口座を作るまでに2年間くらい動かなかった期間があるからだ。
今だから言える。
買ったそのときに、すぐに始めておけば…!!!と。


さて、この本の最新版を買う場合にはいくらになっているのだろうか?

Amazonで確認したところ
1738円になっていた。約1.16倍だ。
正確にいうと消費税率が変わっているので
本体価格の上昇率はもう少し低くなる。


ただこちらの本については、私が購入したときに対してかなり内容が改訂されているので、もはや別の本になっている気もする。
新NISAも始まって、投資に興味を持った方にはぜひ読んでもらいたい本のひとつだ。
今年の1/1にお亡くなりになった山崎元さんは、一般の人に向けた正しくかつ必要最低限で済む金融知識を教えてくれる、素晴らしい方だったと思う。
改めて、ご冥福をお祈り申し上げます。



ちなみに昨日のnoteに書いたハイキュー!!などの
ジャンプコミックスも調べてみた。私が1番よく購入していた2012年頃の価格は税込み420円だったが、
現在の販売価格は528円だ。1.26倍になっている。


自分にとって身近で欠かせない存在である書籍の価格は1.2倍前後になっているらしい。


とはいえ、本の価格はインフレの始まりではないのだろう。

インフレの始まりは車と家?


アメリカのインフレの推移のグラフを見ると2019年までは緩やかな右肩下がりになっているが、2021年あたりを境にして急激な高まりを見せている。
第二次石油危機以来およそ40年ぶりの歴史的なインフレになったということだ。

出典元:https://ecodb.net/exec/trans_country.php?type=WEO&d=PCPIPCH&c1=US&s=&e=


この時のインフレの要因について分析した記事によると、2021年のインフレに最も寄与したものは、自動車という分析がされている。

2021年12月の寄与度をみると、家賃と、持ち家の帰属家賃(持ち家に家賃を支払ったとみなす統計上の概念)の合計で1.4%ポイント、新車、中古車などの自動車が1.8%ポイント、米国人の生活に不可欠なガソリンが1.9%ポイント、それぞれインフレ率を押し上げた。また、その他の広範な財・サービスの合計で2.0%ポイントの押し上げ要因となった。

一方、インフレが加速した2021年4月の直前月である3月の寄与度をみると、当時は、家賃関連で0.6%ポイント、自動車が0.4%ポイント、ガソリンが0.9%ポイント、その他の財・サービスが0.8%ポイントそれぞれ物価を押し上げていた

三菱UFJリサーチ&コンサルティング 細尾 忠生 
今月のグラフ(2022年2月) 米国のインフレをもたらした要因と今後の見通し


このとき世界ではコロナによる経済活動の停止が、一時期よりも回復傾向に向かったことで需要が急増した。そのころ自動車は半導体などをはじめとした部品不足の影響により、供給が追い付かずに極端な在庫不足に陥り新車、中古車ともに価格が高騰していた。

寄与率でいうと自動車ということだが
アメリカのインフレは、家賃、自動車価格、ガソリン価格、賃金
それぞれの上昇と物流停滞という5つの要因が複合的に重なってもたらされていることらしい。

アメリカの住宅価格の推移を表すグラフを見ても201年あたりから急激な上昇傾向がみてとれる。

Investing.com アメリカ住宅指数の推移



ここで1つ疑問に思ったのが、「なぜコロナの終息によって、車の需要が急増したのか」ということだ。ロックダウンにより行動制限がされたので、新たに車の購入をことを控えてため、それの反動によるものなのかなと思ったが、調べてみたらそれ以外にも理由がありそうだと感じた。

アメリカ人は90%がローンで車を買い、日本人は57%が現金一括で買う


ガリバーUSAの記事によると、アメリカではローンで車を買うことが常識のようだ。日本人は半数以上が現金一括で購入をしているのと比べると大きな違いと感じた。


ローンで購入するものの代表例は住宅と思う。
そして、コロナによって職を奪われたとき、人々は生活費を抑えるための行動を取る。
毎月ローンの支払いがある家と車、どちらを手放すかと言われたら、おそらく車からではないだろうか。
ロックダウンなど今までに経験したことのない感染病の脅威によって車を手放し、収束に向かったことで再び車を購入しようとする消費者が増えた。そして半導体不足も重なり、供給にたいして需要が上回り近年稀にみるインフレになった。


そんなことが今回のインフレの一因にあったのかも、と自分なりに考えてみた。当たっているかは分からないが、私なりの「インフレはどこから始まるのか?」のひとつの答えだ。


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