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【超短編小説】ジョブズの帰還

人の欲求は永遠に満たされることはない。
革新的な発明をしたとき、人は今まで煩わしかった作業が減り、幸せに満たされる。
もう、こんなことやらなくていいんだ。
こんな便利で面白いものがあるんだ、といった具合に。

しかし、それも長続きはしない。
なぜなら、人には慣れというものが生じるからだ。
最初は満足したとしても、時間が経つにつれ、それが当たり前となり、やがて更なるものを欲しようとする。
もっと便利なものはないか。
もっと面白いものはないか。

欲深い生き物である。
でも、そんな深い欲をも満たしうることに、私は成功した。

私はあの世でずっと考えていた。
どうしたら、人の欲望を継続的に満たすことができるのか。
そして、私は開発した。
iPhone one hundred を。

これには、22世紀のすべてが込められている。
おかげで、人類は欲の怪物となることを免れた。
すべての人が毎日を幸せに満ち溢れた生活を過ごすことができる。

ようやく、私の欲望を満たすことができた。

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