見出し画像

自分の納得した生き方を―POOLO JOB 2期生インタビュー・りょうた(みそ)さん

皆さんこんにちは。旅ライターのヤマです。

 今回取り上げるのは、POOLO2期生のりょうたさん。またの名を「みそ」(以降みそ)。テーマパークのアトラクション、ヴェネツィアン・ゴンドラにてゴンドリエ(キャスト)を経験。現在では自身で起業し多方面の分野で活躍しています。自身にとって原点となる旅で得た気づきは、仕事にも活かされているとのこと。
 ゴンドリエを経て学んだもの、旅を通して気づかされたもの、そして今後。熱く語っていただきました。

ゴンドリエ ー ゲストに手を振るキャストになりたかった

ーいきなりですが、ゴンドリエになった経緯を教えてください

 大学へ入った当初はファミレスやイベントスタッフなど、テーマパークには関係のないバイトをしていました。だけど、サークルの友達の友達がキャストをしていることを聞き、ノリで受けてみようかなと。実は、大学受験の際、キャストをやってみたく、テーマパークの近くの大学も志望していたんです。
 結果としては違う大学へ進学することになったから諦めていたんですけど、そのキャストをしている人が、茨城県から通ってるということを聞いて、えっ、自分も出来るじゃんって。それに、母が元々テーマパークの社員だったんです。そんな母を見ていたので、キャストになることへの抵抗も人より少なかったのかもしれませんね。

ーそれで受けたら受かったんですね

 そうなんです。けれど、最初にオファーがあったのは潜水艇に乗るアトラクションからだったんです。
 僕は、ゲストとしっかり関われるキャストになりたかったんです。ゲストに手を振りたかった。だから、そのオファーは断りました。

ーそして次に来たオファーがヴェネツィアン・ゴンドラだったと

 そうです。一転してテーマパークキャストの中でも随一の、ゲストと関わるキャストになりました。


人気のアトラクションの一つ。筆者も行くと必ず乗っています。

ーいざやってみて、どうでしたか

 ほかのアトラクションと違って、1回として同じシチュエーションが無いんです。全部が自分に掛かっている、そんな感じです。風が吹いた時点でもうその次の行動とかを瞬時に考えて、どっちに船の武器を向けるとか、どの位置に持ってくとか、もう常に動きまくるわけですよ。風や船の動きなどの周りだけを見てればいいわけじゃなくて、船の中も見ないといけないし、肘を出していたら危ないからちゃんと入れてもらう必要があったり。それに、周りに手を振ってるゲストがいるわけですよね。だから360度どこからも見られている。
 そんな気を使うことが多い場所だったけど、シンプルに楽しかったですね。自分には本当に合っていた。どんなに朝が早くても、起きるのは嫌だったけど、バイトへ行くこと自体は嫌だと思ったことは一度もなかったです。だから、あそこで働けて本当に良かったと思っています。

ヨーロッパ周遊 ー 原点となった旅

ー初海外だったヨーロッパ周遊、自身にとって旅の原点ともなったこの旅について教えてください
 
 大学の卒業旅行として、14泊16日で行きました。

ーやっぱりべネツィアへ?
 
 それがそうでもなかったんですよね。どうしても行きたいとは思わなかった。同じような環境で普段働いているし、比べることに興味がなかったんです。でも、周りから絶対行けよと言われて行くことにしました。
 これはべネツィアに限らずなんですけど、テーマパークでよく見る景色が、実際にそこにあったんです。
 べネツィアへ行った時も、ゴンドラっていうより、テーマパークで見た景色がそこにあったって感じが強くて、完成度の高さに驚きました。ゴンドラは確かに綺麗だったし、感動しました。けれど、こっちには目もくれず前後で話したり、適当に漕いでいたりと、そこが日本とは大きく違っていました。自分もこれぐらい適当にやりたいと思っちゃいましたね。
 そしてそれよりも、もっと強い思い出があって。行った時が、ちょうど何十年かに一度の大水害で。もう、道がないんです。全部水に浸かってて、レストランとか宿も水浸し。これが水の都かって。めったにできない体験だったんで、あれは面白かったですね。

水かさが歩道ぎりぎりまできている。なかなか目に出来ない光景。


町中のレストラン。完全に浸水している。

ー旅のハイライトはそこだったんですか?

 いや、違うんです。綺麗な景色とかは正直あんまり記憶に残っていないというか、自分の中で占める割合がそこまで大きくないんです。ヨーロッパにいると、 5日目ぐらいから景色が同じに見えてきちゃうじゃないですか。海外へ行くとあるあるだと思うんです。最初着いた時は新鮮に見えてた景色が、 なんかもう日常すぎて。1週間経ってくると、もう普通の街並みに見えてくるから、いちいち感動できなくなってくるんです。
 なので、一番自分の中で大きかったのは、ポストカードかな。現地のポストカードを買って、そこへ挨拶や街の名前などを書いてもらい、一緒に写真を撮るというものです。 勇気を振り絞って、ポストカードを書いてもらう、あの声を掛ける直前のドキドキとか、書いてもらった喜び、そして、一緒に写真も撮ってくれて。撮るときはみんな笑顔でいてくれる。あの瞬間は数々の絶景よりもずっと感動が大きかったですね。

ポストカードをきっかけにした出会い

海外への憧れ ー きっかけはとあるテレビ番組 

ー色々な国を旅していますが、旅をしたいと思ったきっかけを教えてください

 元々、イタリアのアマルフィに憧れがあったんです。NHKで、「世界ふれあい街歩き」という番組があって、そこでアマルフィを特集していて。それを見て、海外への憧れを抱きました。他にも、深夜にやっていた旅の番組とか見て、純粋に景色とか町並みとか、生で見てみたいなって。
 
ーそれを見て、ポストカードをやってみようと

 よく、世界一周してる人とか、旅の番組とかで、現地の子供に囲まれている光景があるじゃないですか。あとはみんなと写真を撮ったりとか。あれ本当に凄いなって思うんですよね。自分もやってみたいなって思ったんですけど、やれる自信がなかった。
 そこで思いついたのがポストカードだったんです。あとで見返すと、その時の情景が浮かんできて、やっていてよかったなって思いますね。

旅先での臨場感ある一枚

ーヨーロッパの旅以降はポストカードがメインの旅にしたんですか
 
 ってわけではないんですが・・・。やはり景色や食べ物を求めて旅をしています。だけど、記憶に残っているのはやっぱり人との関わりなんです。僕自身、英語も、ヨーロッパ圏の言語も、ロシア語も韓国語も出来ない。それでも、どこへ行ってもみんな笑顔で写真を撮ってくれたんです。それって本当に凄いことだなって思いました。

 ロシアへ行った時のことなんですが、とあるお土産屋さんで、プーチン大統領のグッズを買い占めたんです。そのお土産屋さんの人にポストカードを書いてもらったんですけど、そうしたら、スタッフほぼ全員が集まってきちゃったんですよ。5人ぐらい。で、全員で写真撮って。その店員さんのうちの1人は個人のスマホを取り出してきて、これでも撮ってって。 だから僕、多分ロシアのsnsに載ってるんですよ(笑)
 旅人って、現地の人々とがっつり関わるじゃないですか。それって本当に凄い。当時の僕にとってはできる最大限の関りをしたなと思っています。

店員さん大集合

ーこうやって聞いていると、人との関りがみそさんの旅を形成していると強く感じます
 
 そうですね。旅って、知らないことを知ることだと思っているんです。知らない人と話すと、知らないことを知ることができる。だからつまり、旅って人なんだなと思います。裏を返すと、日本にいても、今住んでいるところにいても、知らない人と話したらそれは旅なんじゃないかなと思いますね。
 

POOLO JOBへ入った理由 ー 以前の経験に裏打ちされた確信


ー現在、既に複数の仕事をしていると思うんですけど、そこでさらにPOOLO JOBへ入るというのは、凄くエネルギッシュというか、貪欲さを感じます。

 現在やっている仕事が、そろそろSNS発信が必要な時期に入ってきたんです。SNS凄く苦手で・・・。
 POOLO JOBって、旅を仕事にして場所にとらわれないことを目標としている人が多いと思うんですけど、現状を考えた時に、自分ってもう自由だなって思ったんです。
 
ーそこに気づいてもなお、POOLO JOBを選んだ理由は

 大学二年生のころ、TABIPPOの旅大学とかに参加していたんです。やっぱり旅を仕事にできたらいいなと思ったので。そのうちのメンバーの一人が、ちょうど同い年で、就職せずに画家を目指していたんです。その人には、以前会社を辞めようと思ったときに相談したこともありました。なんか、その出会いが自分の中で大きかったんですよね。そして、そのきっかけになったTABIPPOなら間違いないだろうと思って検索したら、POOLO JOBがヒットしたんです。しかも、締め切りの3日前。内容を見たら、ちょうど欲しかった内容だった。
 だから、なぜ入ったかというと、必要だったと同時に、僕にきっかけをくれた場所が主催をしているものなんだから、絶対プラスになるだろうっていう謎の確信があったんですよね。
 

思い描くその先 ー 全てが繋がっていく

ー最後に今後どうしていきたいかを聞かせてください
 
 実は今、仕事の時間と趣味の時間をあんまり明確に分けていないんです。それこそ旅をしながら働けたらいいなと思います。
 凄くシンプルな話で、 自分のやってく事業と、自分の旅は関わると思ってるんですよ。一つになっていくと思っていて、今は複数のことをやっているけど、それをなんかまとめていくイメージです。つまり、繋げちゃってるんです。仕事もプライベートも。

フラダンスにかかわる仕事での一コマ

 仕事面で言うと、ひたすら楽しみですね。自分の好きな人を応援して、笑顔にする。それって、凄く素敵なことじゃないですか。自分がまず楽しいって思える場所にいたいし、そういう場所を作りたい。さらに、自分が応援したいって思う人の仕事とかを、応援し続けられる自分になりたいですね。

 最後にみそからでた言葉は「自分の納得した生き方をしたい」
 彼の今まで歩んできた生き方を聞いていると、なるほどその信念を端々で強く感じました。仕事とプライベート、それらが一つに交わった時、彼が、そして関わる人々がどれだけ笑顔になれる場が待っているのか、期待が膨らむばかりです。

#POOLO #POOLOJOB #旅 #フラダンス #ベネツィア #TABIPPO


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?