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貯金が減ると心臓病になりやすくなる?!(富と健康の関連性)

こんにちは、ライフバランスラボです!
今回は富と健康の関連性についての論文を解説したいと思います。

目安時間:約10分

今回の記事を読むメリット

  • 健康と経済状況の関係理解:この記事を読むことで、個人の経済状況が心臓病などの健康問題にどのように影響するかを理解することができます。

  • 自身の生活改善のヒント:経済的な状況と健康リスクの関連について学ぶことで、読者は自身の健康管理や財政計画に役立つ知見を得ることができます。

  • 意外な事実の発見:一般的な健康や富に関する直感とは異なる、興味深い事実を知ることができます。

  • 実践的なアドバイス:論文の内容を日常生活にどのように適用できるかの具体的なアドバイスが含まれています。

論文の概要

この研究は、個人の富の増減が長期的な心血管健康にどのような影響を与えるかを調査しています。一般的に、健康と経済的要因との関係を調べる研究では収入が重視されますが、この研究は「富」に着目しています。ここで言う「富」とは、単に収入だけでなく、資産や負債などを含む総合的な経済状況を指します。

研究チームは、RAND Health and Retirement Study(HRS)という大規模なデータセットを利用しました。このデータセットは、50歳以上の成人約5,579人の富の動きと心血管の健康状態を1992年から2016年まで追跡しています。参加者は初期に心血管に関連する健康問題を持っていませんでした。

研究の結果、富の減少は心血管イベント(例えば心筋梗塞や脳卒中など)のリスクの増加と関連があることが分かりました。逆に、富が増えることは心血管疾患からの保護につながる可能性があります。これは、富の増減がストレスレベル、健康行動、余暇の有無などに影響を及ぼし、それが心血管の健康に直接的な影響を与えるためです。

研究はまた、収入と富は異なるものであり、それぞれが健康に異なる影響を与えるという点を強調しています。収入は定期的に受け取るお金を指すのに対し、富は資産と負債の両方を含むものです。例えば、大きな負債を返済して富を増やすことが心血管健康の促進につながる可能性があります。

研究では富を心血管健康の重要な決定要因として積極的に測定し、考慮する必要があると指摘しています。この研究は、健康政策の策定において富の変動を緩和することが重要な焦点であるべきだと結論づけています。

参考文献

参照元: Harvard Medical School - Wealthy, Healthy

実験

実験内容:

  • 研究者たちは、富(wealth)の動きと長期的な心血管健康との関連を調べました。

  • 対象は50歳以上の5,579人の成人で、最初に心血管の健康上の問題がなかった人々です。

  • 1992年1月から2016年12月まで、参加者に新たに診断された病気についてインタビューを行い、データを収集しました。

実験結果:

  • 財産の減少は心血管イベントのリスク増加と関連していることが判明しました。逆に、財産の増加はリスク減少と関連しています。

  • 財産の減少はストレスの増加、健康的な行動の減少、余暇時間の減少と関連し、これらはすべて心血管健康の低下と関連しています。

財産の変化は、単に金銭的な側面だけでなく、健康にも大きな影響を与えることが明らかになりました。

私たちの直感に反する意外なポイント

  • 富と心血管健康の関連性: この研究は、一般的に収入と健康の関連に焦点を当てる研究とは異なり、富の動きが長期的な心血管健康にどのように影響するかを調査しています。富の増加が心血管疾患のリスク低下に関連し、逆に富の減少はリスクの増加に関連していることが分かりました。

  • 富の変動が健康に与える影響: 富の増減が、ストレスのレベル、健康的な行動の頻度、余暇の時間などに影響を及ぼし、これらが心血管健康に直接関連していることが示唆されています。つまり、富の減少は心血管健康を悪化させる要因となる可能性があります。

  • 収入と富の異なる影響: 収入は定期的に受け取るお金を表し、富は資産と負債を包括的に考慮します。この研究は、収入の変化がなくても、相対的な富の増加(例えば借金の返済など)が心血管健康の向上に寄与する可能性があることを示唆しています。

  • 富の動きと健康政策: 研究者は、富の大きな変動を緩和することが、健康政策の重要な焦点であるべきだと指摘しています。富と健康は密接に結びついているため、今後の研究では富を心血管健康の重要な決定要因として定期的に測定する必要があるとしています。

論文を参考にして、私たちが今日から取り組めること

この研究は、経済的な富と心血管の健康状態との間に重要な関連があることを示しています。つまり、私たちの財産や資産の増減が、心臓病や脳卒中などのリスクに影響を与える可能性があるということです。これに基づき、以下のような具体的な行動を取ることが推奨されます:

  1. 財政管理の重要性: 経済的な安定や富の増加が健康に良い影響を与える可能性があるため、資産管理や財政計画に真剣に取り組むことが重要です。貯蓄の増加、投資、借金の管理など、経済的な安定を図るための取り組みを考えましょう。

  2. ストレスの管理: 経済的な不安定性はストレスの原因となり、これが心血管の健康に悪影響を及ぼす可能性があります。ストレスを管理し、リラクゼーションの技術を身につけることで、健康維持に役立ちます。

  3. 健康的なライフスタイル: 富の増減だけでなく、日々の健康的なライフスタイルも重要です。適度な運動、バランスの取れた食事、十分な睡眠、禁煙など、健康的な生活習慣を維持しましょう。

  4. 定期的な健康診断: 心血管の健康は、経済的な要因だけでなく、他の多くの要因にも左右されます。定期的な健康診断を受けて、リスクを早期に発見し、必要な場合は治療を受けましょう。

この研究を通じて、私たちは経済的な要因が健康に与える影響を理解し、それに対処するための行動を取ることができます。健康と富は互いに影響し合い、全体的な生活の質を高めるためには、両方に注意を払うことが重要です。

研究の限界

研究の限界として、参加者による自己報告に依存していること、さらに心血管健康に影響を及ぼす可能性のある環境や社会経済的変数の一部がHRSによって収集されていないことが挙げられます。

終わりに

今回の内容は以上です。
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最後まで読んでいただきありがとうございました!

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