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人事は「孤独になりがち」である

こんにちは。
地方の中小企業で人事を担当している宮里(ミヤザト)と申します。

前回ものすごく期間が空いてしまったので気づいてから記事を大慌てで書き、急いで書きましたよアピールが凄い内容の記事になっていたのですが、今になって書き溜めた記事があったことを思い出し、今回は期間が空かないようにすぐに書き上げにかかっています。

仕事ではないことで定期的にアウトプットすることは苦手で、夏休みの宿題で「日記」があった幼少期は8月末に夏休み中の天気を調べ直したりして悲惨でした。。
このnoteが継続できていることで、本当にわずかばかりですが成長しているといいなと思っています。

今回はテーマそのままの内容なので、人事の考え方というよりも、
「秘匿性の高い情報を扱う身」としてどういうことに気を付けた方がいい/気を付けている、とか、
事例を踏まえて、こういう時にどうするなどの話が出来たらと思っています。

全国の人事の担当者が孤独にならないといいな、という願いを込めて。
いってみましょう。

情報が一方通行になりがち

このnoteでもたびたび言っていますが、人事のシゴトをやっていると「秘匿性の高い(情報を扱う)仕事だな」と思うことが多いです。

社員の情報=個人情報を扱っているので当然と言えば当然ですが、
コミュニケーションというか、「情報が『一方通行』になりがち」ですよね。

例えば、採用担当からすると、「〇〇さんが辞めそう」「〇〇さんが産休に入る」などの社員情報や、「▲▲という会社をM&Aしようとしている」「新しいシステムを■■事業部で使い始めた」みたいな会社の情報は採用に大きくかかわるので、いち早く手に入れたい=”鮮度の高い”情報が欲しい!と常日頃思っていますし、同僚にはそのアンテナを張って、情報があったら共有するようにしてほしいと伝えていますし、他部署の社員にはいち早く情報をくださいと日頃からうるさいぐらいに言っているのですが、
その一方で、「人事異動」や「応募者情報」など、採用担当からは持っている情報をあまり公にすることができないので、
情報を欲しがってばかりで「テイクが多いのにギブは無しかい!」と思われているんだろうとも日々思っています。

情報(だけじゃないですが)は基本的に「ギブ&テイク」である方が良いと私自身も思っているので、”公にできる情報”は可能な限り迅速に、そして可能な限り広範囲に発信する/届けるようにしています。
秘匿にしなければいけない情報はともかく、秘匿にしなくてもいい情報は隠す必要がないのだから、オープンにしていたいと思っています。

例えば現職では、
各部署の来期の事業方針や事業計画を、管理職以上の社員が出席する会議で発表・共有するのですが、
その会議に全社員が参加できるようにしたい!リアルタイムに情報を共有したい!と思っています。

会議で使った資料は後日共有され、部署の社員に見せてもいいということなので、隠す必要はないですし、(内容共有のための会議をせずに)資料だけが回っている部署もあると聞くので、それなら全社員が参加する方がいいじゃないか!と今年から声を上げています。

普段人事情報をあまり公にできないだけに、公にできる情報の透明性、公平性には声を”あげがち”です。

ちなみに、コロナの関係で2020年から2年間、その管理職会議が開催されておらず、時期をズラして今年久しぶりに開催されたことや、
私が管理職になったのが(実は)今年からで、参加した直後から「この会議を全社員が参加できるようにしましょう!」と鼻息荒く言い出したがために、上司からはやや引かれています。笑

人事の人:ジンジのヒト

続いて前職での話です。
前職の会社では非公認ながら「部活」があり、たまにあるノー残業デーなどで部活動をしていました。
私は過去にサッカーをやっていて、人事の担当者がそれを覚えていたので、入社して数カ月たったころ、フットサルの部活に声をかけてもらい、それ以降月に1回、多い時は月に2回参加していました。
フットサルのコートが取れる場所によって運動後に飲み会があったりなかったりしたのですが、行けるときは飲み会にも行き、運動と”交流”をしていました。
フットサルで6回、飲み会だと3回目ぐらいの時だったと思うのですが、飲み会で同じテーブルになった若手社員にこう言われました。
‟人事の人”も部活って参加するんですね。~中略~ 参加しない、というか、しちゃいけないと思ってました。」
あぁ、やっぱりそう思われてるんだな、と思ったのでこの話は6年以上前になりますがよく覚えています。

この若手社員が「人事は他部署の人と交流してはいけない部署」という意味で言ったわけではないこともわかります。本当に他意はないんだろうなと。ただ、「部活」のような交流となると、業務とは一線を画すというか、親密度が変わってきますよね。
そして、そうなると「人事」という職業が急にフィルターになる気がします。〇〇さんではなく、‟人事の人”という見られ方に。

先の若手社員に返した言葉は都合のいいことにハッキリと覚えていませんが、
「いや、”人事の人”って。”営業の人たち”だって参加してるじゃん」
みたいに言ったんじゃないかなと。
こういう場ではお互い立場や職種は関係なしでいこうよ!
みたいなニュアンスを伝えたかったのですが、
なんとなく真っ向から返してしまったような記憶があります。
そして、その反応も覚えていないのは反省しないといけないなと。。

”人事の人”が部活に参加するのはダメなことかと言うとそうではないと思いますし、むしろ積極的に参加した方がいいとも思います。

人事が持っている情報は先に書いた通り「秘匿性が高い」ことが多いので、人事担当以外での情報共有は慎重にならざるを得ないですし、個人が特定されないように例え話をするにしても、業務があまり他部署と似ていないので汎用性が低いというのも難点で、他部署の人がいる場所で仕事の話なんてほとんどしないんじゃないかなと思います。
私自身、他部署の人と飲み会に行っても、仕事の話は全くしません。
なので、”隠している”、”本音で話していない”と思われるんですよね。

それでも、日ごろから、なんなら業務外で、どれだけ”交流”しているかによって、その後のコミュニケーションが変わってくることは嫌というほどわかっています。
先の若手社員への返しは秀逸ではなかったかもしれませんが、実際その後も社内で声を掛け合ったりする仲になりましたし、
別の社員ですが、急遽代打でOB訪問を対応してくれる社員を探していた時、フットサルに参加していたことで声をかけやすかった(向こうも認識してくれていた)社員がいます。

人事としては持っている情報を大事にしつつも、フットワークは軽いのが良いと思っています。

「孤独」にも「孤高」にもならないように

今までは”人事”からの目線で書きましたが、その逆の目線でも同様に書いておくと、
「‟人事の人”がいる」という場所ではやはり会社や仕事のことをざっくばらんに話すというのは、出来ないと思っている人も多いのではないでしょうか。
ここで何か言ったらチクられるんじゃないか?みたいな風紀委員のような一面も人事の印象として持たれているだろうなと思います。

前々職の話ですが(何回転職してるんだよって話ですが)
私は営業職だったので、転職を決意した際、人事に話をしに行きました。
”人事の人”と話すのはその会社では入社以来2度目で、「入社」と「退職」の時だけ話したのが”人事の人”でした。

人事の人に自分がなってからはそんなことないですが、今思うと、人事の人と一般社員が話すのはよっぽどの時=退職や異動の時ぐらいと自分自身が思っていたなぁと。
人事の人と話している人を見たら、「なにかあったのかな?」と、その人たちの表情などは関係なく、「人事の人と話している」という”側”だけを見ていた気がします。

そして人事の人になった今だからこそ、”そんな話”ばかりじゃなく、普段から相互に情報をやり取りできる関係になっていたいと思います。
人事は「会話」をしておくべきだと思うようになりました。
何気ない会話ができるようになっておく。
「人事の人と話している」と思われるのではなく、「〇〇さんと仲良いんだ」と思ってもらえるような関係性に、本人同士も、周りから見ても、なっておく、というのはすごく大事なんじゃないかなと思います。

先ほどは人事は「秘匿性の高い情報をあつかう仕事」と書きましたし、そうだとも思っているのですが、コミュニケーションはそれ以外でも出来るはずです。
ハラスメントの研修をする時、「”何気ない一言”が実はハラスメントになっていることがあるから気を付けて」と言うと、「そんなこと言われたら(異性の従業員と)何を話したらいいかわからない」と言われるのですが、決まってこう返します。「そんなにいつもハラスメントに関することしか話題はないですか?」と。
人事のコミュニケーションも一緒かなと思います。
秘匿性の高い情報はあるけど、コミュニケーションってそれだけじゃないはずです。
むしろそれ以外の方が多いはずです。
関係がないと言ったら語弊があるかもしれませんが、直接仕事には関係がないことでコミュニケーションを取ることは出来るはずです。

情報を欲しがっているのに、情報は与えることが少ない
何でも気軽に話してほしいと思っているのに、何でも気軽には話せない
そんなギブアンドテイクの中で「薄い壁」が出来てくるのは当然だと思うのですが、それは扱う情報の一部であって全部ではないですし、「会話」や「コミュニケーション」は秘匿性の高い情報をもってしないと行えないわけじゃないです。
人事の業務でも、すべてが秘匿性が高いわけではないはずなので、今こそ声を大にして言いたい、「開かれた人事を目指しましょう!」

と、仰々しいことを言っていますが、「開かれた人事」とはならないまでも、普段からコミュニケーションを心がけましょうってぐらいでいいんじゃないかなと思う次第です。

「人事」という部署は企業によっては“花形”と言われる部署で、各部署のエリートが集められる部署だったりします。人事戦略は経営戦略に直結するのでそれはそうだと思います。
そのぐらい”デキる人のいる部署”というイメージもいいと思います。
ここであえて言っておきたいのが、自分がそうだとは断じて思っていません。自分がデキる人事ならnoteの記事をもっとコンスタントにコンパクトに書いています!笑

ただ、その人事のイメージが「孤高」になってしまうとやはり違うとも思っています。
個人的には、人事はやはりいろんな人とつながっているといいので、「愛嬌」は必要だと思っています。

人事は社外にも社内にも営業的な感覚を持ち、
様々な情報を収集し、魅力的な情報を発信し、
ネガティブな社員は対応し、
やんちゃな社員は母性全開でおとなしくさせ笑
全面的に交渉したり・調整したり・折衝したりしてコミュニケーションを取っていかなければいけないと思います。

人間関係はむしろ積極的に構築していかなければいけないのが人事だと思います。

越境学習

私自身、noteを書こうと思ったきっかけが実はこの孤独にならないようにという意味が大きかったです。
先に書いた通り、人事のシゴトは汎用性が低いし、社員に言いにくいことも確かに多いです。加えて、ヒトに関することなので一筋縄じゃいかないことも多い。(あまり悩みませんが)課題は尽きません。

でも、明確な答えがないのも人事のシゴトだと思っているので、自分の中で、または自部署だけで悶々と考えていても答えは出ないときがあります。そんな人が多くなってきたからでしょうか。
イノベーション」という言葉と合わせて「越境学習」という言葉も流行っています。
irootsという人事系の情報サイトでは「人事の課外活動」という特集も始まりました。
人事はもっと自分の外側に、社内だけでなく社外にも、目を向けて、
情報を収集するだけでなく、経験もしなさいね
と言われている気がします。

少し前までは人事系のセミナーや講演会に参加しても、「その会社だから出来ている、うちの会社だと出来ない」と斜に構えていたこともありました。今でも、「その会社だから出来る」と思う施策などは少なくないですが笑、斜に構えることはなくなりました。
考えてもわからないことは調べるしかないですし、そのうちの一つの大事な情報源が他社事例(セミナー)だと思うようになったからです。

自社以外で接点を持つ機会も自分から意識的に動かないと取りにくいのではないかと思います。
このため、人事担当者は誰よりもコミュニケーションを取り合ったり、社内に限らず、社外に良い場所を見つけることもアリだと思います。
(社内のコミュニケーションを疎かにしていいという意味ではないです。)

そりゃあ扱っている情報からして「孤独になりがち」ですが、そこに甘んじて、一人で黙々と仕事を進めるのは違うと思っています。
意識は「開かれた人事」を目指すべきです。

こんな偉そうに書いていますが、私自身、まだまだアウトプットや情報共有、他部署との”何気ない”コミュニケーションは苦手です。
仲良くなると愚痴ついでに人事情報を言ってしまいそうにもなるので、気を付けないといけないとも思っています。
でも、他部署の忘年会には誘ってもらう仲になった人がいます。
この次は自分から。勇気を出してみようかなと思っています。
その時に、身構えられなければいい関係性だなと思えますね。

なんだか書いているといつも言いたいことが言えているのかわからなくなるんですよね。。笑


次は年内にもう一記事書きます!言ったからには頑張ります!

ご覧いただきありがとうございました。

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