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母の畑

母は自分の畑を持っている。
夏はきゅうり、なす、ミニトマトができる。
レタスは年中できる。
冬の今、玉ねぎとネギが勢いよく育っている。

その畑は車庫の上。
家を建てた後、父と母が2人で作った。
父は普通の会社員なのにDIYがすごい。
母は父の助手。

車庫の上の畑は奥行50センチ、深さ60センチ。
コの字型に15メートルほどの変わった畑だ。
ブロックを組んで土を入れている。

若かった2人が協力して作っている姿を想像すると楽しい。

高さがあるので、あまり腰をかがめずに手入れができる。
母はそこに穴を掘って残菜を埋める。
昔から今も変わらず続けていることだ。

そのおかげか、野菜も花も良く育つ。
残菜を埋めたらカラスがいたずらして困る、と母が言う。
ある日、たまたま食べ残したキムチを埋めたら辛かったらしく、カラスが来なくなったと笑っていた。
ホントかな?
カラスが来なくなった理由はわからないが、いたずらがなくなって良かった。

昨年の夏はスイカができた。
どうやら埋めた残菜の中にスイカの種があったらしい。
スゴイ!!

トウモロコシができたときはひ孫たちが大喜び。

チューリップの間にレタスが育っている

4世代で暮らすなんて、ひ孫と畑と花に囲まれて暮らすなんて幸せな話。

嬉々として手入れをしている姿は幸せオーラに包まれている。 
会いに行けば必ずお土産にレタスやネギなど持たせてくれる母である。
私も家でできた大根や漬物を持っていくから、物々交換だ。

働きすぎて時々心配な事になるけど、程々ができないらしい。

もうすぐ95歳。元気!
今日のところは元気!

私はその年になれるのか?
なれたとして、母のように元気でいれるのか?

わからない事だらけ。
だから人生はおもしろいのだろう。

母は父が迎えに来るまで、2人で作った畑で花や野菜を育て続けるだろう。
父に会ったら何を作ったか、誇らしげに報告するのだろうな。
そしたら父はきっと言う。
「わかってるよ。見てたよ。」

そしてまた2人で仲良く、私たちを見守るのだろうな。

そんな夫婦になれるかな?
なれるかもね!と夫を見ながら思っている私である。

母が育てたヒカンザクラ









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