きな臭い訪問者

　湖の中ほどの空間に横一文字に藍色のすじが現れじよじょに膨れてきた。みなが見守る中かがやく縦すじが現れ口がひらく。
「中から赤い水玉模様の服をきた人が出てきたぞ」
「どうやら武器らしきものは持っていないようね」

「平行世界から訪ねていらっしゃったのですか。すごい科学力をお持ちだ」
「恒星間飛行よりかんたんな技術ですよ、たいしたものではない」
「我われからすると魔法を見ているようなんですよ」
「どうやら正直のようだ。素朴な生活を過ごしているのですね」

「我われだとて未開ではない。ちゃんとした科学技術もあります」
「それくらい知っていますよ。だが学ぶところは見いだせない」
「目に見えるだけがすべてではありません。どうやら侵略が目的のようだ」
「見えない力、どちらが強いか試してみましょうか」