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【大学教員公募】模擬講義の実践【なんとか准教授になった僕の失敗談】
関西中堅国立大学の生命科学系の准教授です。助教・准教授の公募を併せて、これまで42大学に応募しました。そのうち面接に進んだのは10校です。
これまで9つの大学で模擬授業を行なってきました。合格したのはたった1つ。「たった1つか。こいつ雑魚だな」と思われたら、この先は読まなくて結構です。
この記事では、雑魚で不完全な僕が何とか准教授までたどり着いた方法を提供できたら、と思っています。
模擬講義に対するマインド
模擬授業を行うのは、通常3ー5人。合格まであと少し。でも、僕はなかなか勝てませんでした。
これまでの僕の敗因は、わかりやすさだけを求めたことにあると思います。もちろん分かりやすさは重要ですが、大学は予備校とは違います。講義で何を伝えたいか、どんなことを身につけて社会に出てほしいか、を念頭においた授業をすべきです。
僕がやったNG講義
✔️ 超簡単な授業をしてしまった
模擬授業では学生のレベルを設定します。低めに設定し過ぎてしまった失敗例をお話しします。
以前、関東の私立大学で生理学の模擬授業を行いました。Fラン大学にギリギリ入らないレベルの大学です。なので学力レベルを低く見積もりました。
そこで、30分の模擬授業のうち高校復習レベルを20分くらいかけてやっちゃいました。難しいことを話しても理解できないと考えたからです。分かりやすくできたと思います。
模擬授業終了後、面接官(多分、教授の方)が、「なぜ高校レベルの話をししたのか」と質問がありました。正直に「偏差値をベースに考えると、貴学の学生の学力は高くないと考えています。ですので授業は高校の導入から始めました」と答えました。
その教授は不快そうな顔をされていました。恐らく自分のとこの学生が馬鹿にされたと感じたのだと思います。
もちろん、その大学は不採用でした。
この経験から、授業レベルは大学の偏差値よりも上に設定することにしました。難しめの講義を行うことで、授業に対するモチベーションを伝えるというメリットもあります。
とは言っても、中には「ムズカしすぎる」という意見も出そうなものです。なので模擬授業の前には必ず、
「少し難しい授業を行おうと考えています。〇〇大学の学生は、少し難しくても理解できると思います。また、この程度のレベルは理解して欲しいという私の希望もあります。理解できないようならば、補修授業を行うことを考えています」
と言っていました。
✔️ Youtubeのパクリ授業をやったこと
Youtubeで検索すると授業動画がいくつも出てきます。
断言しますが、Youtubeからパクるのはやめるべきです。理由は、どのレベルの学生を想定しているのかが、評価者から見えづらいからです。
というのも、大学は、その分野の教育を回すことができなくなっているから公募をします。安心して任せられる人が欲しいんです。Youtubeパクリ講義では、任せられるかを判断できません。パクり授業では、着任後の講義が想像できないんです。
僕もYoutubeを参考に模擬授業をやりましたが、はっきり言ってウケはよくなかったです。
辿り着いた結論:いつも通りやる
普段の授業で僕は、比較的学生とよく喋りますし、雑談も結構します。あと完全にタメ口です。
一方模擬講義では台本を決めて丁寧語です。自分の話し言葉でもないし、自分のペースでもない授業をやっていました。100%他所行きのものでした。
あるとき、「いつも通り」をやってみたんです。なぜなら練習時間を取れなかったから。台本を決める時間が無くて、ぶつけ本番でやりました。
やけくそで適当に(いつも通り)やりました。すると、案外ウケがよかった。
それから、台本ガチガチではない模擬授業を始めました。評価者の教授陣を本当の学生だと思ってやりました。雑談を挟んだもあります。そうすると模擬授業で高評価をもらえるようになりました。
結局、「いつも通り」が採用への最短ルートでした。もし普段の授業の学生アンケートで高得点だったら、他所行き授業ではなくて、素の授業をしてみてください。「ここ間違いやすいから注意ね」とか、「ここ何回言っても理解してくれないから悲しい」とか、教える側の熱を示すことで他の候補者をリードすることができるかもです。
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