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僕の職業がアイドルのマネージャーになりました。EP10(握手会編)

前回はこちら!!

丹生「握手会って楽しいですよね〜♪
   いろんな人とお話ができて飽きません!」

蓮加「まぁ、、、普通の握手会だったらね。」

〇〇「あの時だけはちょっとな笑。」

丹生「むむ。そういえば前回、白石さんから不穏な
   お話が出てましたね、、、」

〇〇「蓮加はあの握手会おぼえてる?」

蓮加「忘れるわけないじゃん!!
   もし〇〇が居なかったらと思うと、、、」

〇〇「まぁ、ちゃんと守ったでしょ?」

蓮加「、、、それなりにはカッコよかったかな?」

〇〇「なんだそれ笑。」

丹生「〇〇さんはお強いですもんね!」

蓮加「見かけによらずね〜。」

〇〇「余計なこと言うな。」


握手会前日、事務所にて。

僕は今野さんに相談をしていた。



内容は姉ちゃんの「嫌な予感」について。

〇〇「、、、と言うわけで今回の警備には僕も参加させていただいてよろしいですか?」

今野「〇〇くんに運動経験は?」

〇〇「えっと、、、色々あるんですよ、、、」

今野「軽くでいいから教えてくれるかな?」

〇〇「そうですね、、、
   剣道は小学生の時に全国で優勝、空手は赤帯で
   合気道は黒帯でした。」

今野「うっ、、、うん、、、」

〇〇「あっ!最近はジークンドーで師範の資格を
   取りました!」

今野「、、、君はどこでもやっていけそうだね。
   それじゃあ〇〇くんも警備に参加する旨を
   上に伝えとくよ。」

それから僕たちは様々な仕事の打ち合わせを終えた。

今野「それじゃあ今日はこれで終わりかな。
   おつかれさま!」

〇〇「お時間を取っていただきありがとうござい
   ました!それでは失礼します!」


僕は応接室の部屋を去り、エレベーターの方へ向かっていた。

ここから走っていけば帰りの電車に間に合うな、、、

しかしその時、前から歩いて来た女性とぶつかってしまった!

ドンッ!!!

??「いたたっ、、、」

〇〇「うわっ!申し訳ありません!!
   お怪我はありませんか?」

??「ええ、、、私も前をよく見てなくて、、、」

僕は女性の手を引き上げ、立つサポートをする。

〇〇「よいしょっと!」

??「ありがとう、、、あれ?」

チーンッ

女性が何かを言おうとした瞬間、エレベーターが到着した。

〇〇(これを逃したら帰るのが遅くなる、、、)

〇〇「あっ!それでは失礼します!
   本当に申し訳ありませんでした!!」

??「えっ!ちょっと!君って」

女性の言葉を遮るようにエレベーターの扉が閉まった。

〇〇「何か言おうとしてたのかな?
   それにしてもどこかで会ったことが、、、?」

??「あれって〇〇だよね、、、」


握手会、当日

〇〇「、、、、、、」

僕は今、握手会が行われる会場へ向かう車にあやめと乗っている。

あやめ「、、、ねぇ。」

〇〇「ん?」

あやめ「今日の〇〇の顔、何かこわいよ?」

さすが幼馴染、自分は普通の顔をしているつもりであったが気づかれてしまったようだ。

〇〇「ちょっと心配なことがあってなー、、、」

あやめ「心配なこと?」

〇〇「まぁ、それは後で伝えるよ。姉ちゃんの杞憂
   かも知れないから。」

あやめ「そっか、、、」

〇〇「大丈夫!僕に任せといてよ!」

昨日の晩、姉ちゃんから伝えられた『嫌な予感』のことが心配で顔が強張ってしまったようだ。

あやめにまで心配させるのは良くないよな!

あやめ「、、、ねぇ〇〇?」

〇〇「え?まだ何かある?」

あやめ「その、、、聞きにくいんだけど、、、」

真剣な顔をしてるあやめ、一体何を、、、?

あやめ「杞憂ってどう言う意味?」

〇〇「、、、そこ?」


握手会、会場。

僕たちは会場である「幕張メッセ」に到着した。
すでに会場では着々と準備が進められている。

あやめ「そう言えば、〇〇って握手会に来た
    ことあるの?」

〇〇「うーん、、、だいぶ前に一回だけ行った。
   姉ちゃんから券もらってね。」

あやめ「えっ!!」

〇〇「うわっ!何だよ急に大きい声出して!」

あやめ「、、、麻衣さんのところ?」

〇〇「あー姉ちゃんの所も行ったけど
   もう1人だけね。」

あやめ「へぇ〜、、、飛鳥さんとか?」

〇〇「いや、奈々未姉ちゃん。」

あやめ「橋本さん!?」

〇〇「さっきから何だよ笑。」

あやめ「いいな〜!"アイドル時代"の橋本さんと
    握手したことあるなんて、、、」

アイドル時代?

そんな言葉に少し違和感を覚えるが、話を続ける。

〇〇「まぁでも、最近は会えてないからさ。」


やっぱり橋本奈々未ってすごいアイドルだったなぁ。

今になっても誕生日にはTwitterでお祝いメッセージが飛び交っているし。

今は何してるのかな〜。


〇〇「僕のことなんて覚えてないっしょ笑。」

ちょっと悲しい自虐をしたそんな時、後ろから僕の頭をポンっと叩く人が、、、

??「覚えてるに決まってるでしょー?」

〇〇「え?」

奈々未「やっほ。久しぶりだね〇〇。」

〇〇「なっ、、、奈々未姉ちゃん?!」

目の前に、以前よりも綺麗になった伝説のアイドルがいた。

あやめ「お疲れ様です〜!」

〇〇「なんで奈々未姉ちゃんがここにいるの?!」

奈々未「え?逆に何で知らないの?」
あやめ「〇〇引くなぁ、、、」

〇〇「いやいや!!
   誰からも伝えられてないよ?!」

奈々未「麻衣からも?今野さんからも?」

〇〇「何にも?」

奈々未「あやめは?」

あやめ「何にも言ってません!」

奈々未「なるほどね〜笑。」

〇〇「、、、何で奈々未姉ちゃんがここにいるの?」

奈々未「私が乃木坂46の運営側で働いてるから?  
    っていうか昨日、私とぶつかったよね?」

〇〇「昨日、、、あっ!」

あの人って奈々未姉ちゃんだったのか!
通りで綺麗な人だなーって、、、

奈々未「おっ、私のことを綺麗な人だなーって
    思ってる顔してるね?」

〇〇、あやめ「「えっ?!」」

〇〇「いや何であやめも驚いてんの?」

あやめ「いっ、、、いやぁ〜、、、」


あやめ(〇〇って橋本さんみたいに大人な女性が
    好きなのかなぁ、、、///)


奈々未「へぇ〜、、、あやめも悩んでるのね笑。」

あやめ「えっ!」

〇〇「奈々未姉ちゃんは昔から人の心を見抜く能力
   とんでもないからな、、、」

奈々未「人生経験が違うのよ笑。
    それじゃあ2人とも準備してきな?」

〇〇、あやめ「「はーい。」」


楽屋。

〇〇「皆さん、おはようございます!」
あやめ「おはよ〜♪」

飛鳥「おー〇〇!
   今日は私のレーンに並んでみないか、、、///」

〇〇「今日は仕事で時間がないので次回に
   おねがいします笑。」

山下「え〜、、、せっかく〇〇さんと握手出来ると
   思ったのになぁ〜♪」

飛鳥「まっ、、、〇〇!やまの所には絶対に行くなよ!
   なんか変な事されるに決まってる、、、」

〇〇「変なことって笑。
   そんな事するわけないですよ!」

山下「当然です!ちょっとボディータッチが
   他の人より増えるだけ」

飛鳥「それがダメだって言ってるんだろ!」

〇〇「あはは、、、」


〇〇「皆さん!
   少しお話があるので良いでしょうか!」

与田「おはなし?」
梅澤「〇〇くんからって珍しいね。」

〇〇「実は、、、」

僕は今回の握手会について、姉ちゃんの嫌な予感のことについてを皆さんに話した。

賀喜「白石さんの嫌な予感かぁ、、、」
遠藤「大丈夫なのかな、、、」

〇〇「なので今回は僕も警備に参加させていただく
   形をとっています。みなさんに被害が生じる
   ことが無いよう、必ずお守りします!」


掛橋「むふふ、、、///」

あやめ「どうしたの紗耶香?」

掛橋「〇〇くんってかっこいいなぁって!」

早川「分かるわ〜!聖来より年下なのに男気があって
   めちゃくちゃ素敵やん!」

田村「優しくギューとかされたら堪んないよね💕」

あやめ「、、、、、、、、、」

清宮「あやめちゃん?顔こわいよ?」

あやめ「私の〇〇なのに、、、!!」

清宮「普段のあやめちゃんからは感じない
   殺気がする、、、」

あやめ「もうっ!!」


僕が幕張メッセに到着してから数時間。

会場内には次々に乃木坂46ファンが列を成して行き、瞬く間に人で埋まってしまった。

そうして遂に握手会が始まった。

僕は普段のスーツとは全く違う、青い制服に袖を通した。腰には警棒、トランシーバーなど使い方もよく分からない物がいろいろ。

〇〇「はぁ、、、つっかれた、、、」

会場へと繋がる扉の前で、息を整えるための深呼吸。

なぜ僕がこんな疲弊しているかって?

ここに来るまでメンバーの皆さんに「写真撮ってー!」とお願いされたためです、、、

僕は何とか抜け出してこの場所までやって来た。

〇〇「ふぅ、、、行くか。」

さぁ、ここからは仕事の時間だ。


〇〇「うっわ、、、人多すぎるな、、、」

集まった人の数を見て、僕は改めて乃木坂46の人気を思い知らされる。

僕は指示された場所に向かい、警備を始めた。

〇〇(今のところ怪しい人物はいないけど、、、)

そこから30分、特に気になる人物が現れずに時間は過ぎていった。

〇〇(やっぱり姉ちゃんの杞憂だったのかな?)

僕は少し気を抜いてしまったのだろうか。

後ろから近づいてくる2つの影に気づかなかったのは。

??「動くな。」

〇〇「!!」

背中に何か固い物が突きつけられている。筒状のものだ。

??「動いたらどうなるか分かってるな?」

妙に低い声だ、恐らく女性が無理に低い声を出しているのだろう。

??「そうだ、そのまま動くなよ。」

〇〇「、、、はい。」

??「動くな〜♪」

〇〇「、、、は?」

どこかで聞き覚えのある声。

この声は、、、、、、そうだ、学校で聞いたことがある。

??「ちょっと奈央ちゃん!」
??「えへへ〜♪」

〇〇「、、、何やってんだ2人とも。」

和「さくちゃんと握手しに来たの!」
冨里「そうなの〜♪」

振り返れば見知った顔の幼馴染と同級生の2人。

そういえば、2人も今日の握手会に来るって言ってたな。

〇〇「僕の背中に押し当ててたのは?」

和「ペンライト!拳銃かと思ったでしょ〜♪」
冨里「〇〇くんも意外にビビりなんだね〜笑。」

イラッ、、、、、、

〇〇「、、、2ヶ月は僕と会話するのやめてね。」

和「わぁ〜!ごめんごめんー!!」
冨里「ごめんなさ〜い!!」


それから約20分。

2人から猛烈な謝罪を受け、渋々と許しを出した。

和「もうしません、、、」
冨里「本当にごめんなさい、、、」

〇〇「はぁ、、、もういいよ。
   2人はもう握手終わった?」

和「うん!
  今日もさくちゃん可愛かったなぁ、、、///」

冨里「久保ちゃんもめちゃくちゃ白いし可愛いしで
   至福の時間だったなぁ、、、///」

〇〇「まぁそれなら良かった。あっそだ!
   2人とも変な人とか見てない?」

和「変な人?」
冨里「そんな人いたっけ?」

2人は少し考え込むポーズをとりながら数秒。

冨里、和「「あっ!」」

〇〇「なに?!」

和「そう言えば変なスタッフの人がいたね!」

冨里「うん!何を聞いても『いやぁ、、、』みたいに
   はぐらかしてる人!」

〇〇「どんな質問したの?」

和「さくちゃんのレーンってどこですか?とか
  会場のこと聞いてもあやふやで、、、」

冨里「そう言えばスマホもすごい気にしてたね!」

〇〇「、、、その人って今どこ?」

冨里「入り口から入って右側にいたかな!」
和「その人がどうかしたの?」

〇〇「2人ともありがと!!」

和「ちょっと!〇〇ー!」

僕は和の制止も気にせず走り出した。


たぶん、2人が言っていた運営の人がかなり怪しい。

今回の握手会に向け、僕らには事前の説明で誰がどこのレーンにいるかなどは知っているはずなのだ。

しかし、2人の言っていた奴は知らなかった。

そして必要以上にスマホを気にしていたと言う。
仲間からの連絡を待っているのだろう。

握手会が始まる前に本物のスタッフを襲い、入れ替わりでもしたのだろう。

それよりまずいぞ、、、

もしもスタッフ側に内通者が居たとすればバックヤードにもアクセスが出来てしまう恐れがある、、、

その様なことを考えながら走り、ようやく冨里さんの言っていた場所に辿り着いた。

〇〇(どこだ、、、どこにいるんだ、、、)

いやいや、こんな時こそ普段とは別の視点から見るんだ。

お客さんの誘導をしているスタッフ、物販のサポートに入ろうとするスタッフ、、、、、、違うな。

あの人も、、、あの人も、、、、、、

いた!!

大勢のお客さんに目もくれず、目線を下ばかりに向けているスタッフが。

〇〇「、、、おい。お前スタッフじゃないだろ。」

「チッ、、、!!」

〇〇「おい待てっ!!」

僕が声をかけた瞬間、そいつは走って人混みに紛れていった。

しかし、、、

〇〇「遅いな。」

あくびが出る様な鈍足さ。

あいつは人混みに逃げたは良いものの、身動きが制限されているようだ。

「おい邪魔だよ!!」
「なんだよ順番守れよ!!」

急に走り込んできたスタッフに、お客さんからの怒号が響いている。

僕は2回ほど「すみません」とだけ言ってあいつの元へ走る。

〇〇「、、、よっと。捕まえた。」

「くっ、、、」

〇〇「はい、じゃあこっち来ようか。」

他のスタッフに連絡した後、僕はバックヤードにこいつを連れていく。


バックヤード。

奈々未「よっ。お疲れ〇〇。」

〇〇「お疲れ奈々未姉ちゃん。」

バックヤードに到着すると、奈々未姉ちゃんが待っていた。

奈々未「今は一旦、握手会を中止して警備の体制を
    整えてるから安心して。」

〇〇「ありがとう。そんでさ今から事情聴取するから
   同席してもらっていい?」

奈々未「もちろん。」

僕は簡易的に机と椅子を置き、ガムテープで犯人の両手を塞ぐ。

奈々未「〇〇の方が犯人みたいで怖いね〜笑。」

〇〇「うるさいですよ〜、、、っと!」

僕は無理やり犯人を椅子に座らせ、事情聴取を始める。

〇〇「んで、あなた達の目的はなんですか?」

「、、、一度でいいから事件を起こしてニュースに載ってやろって集まったんだよ。」

奈々未「、、、ったく。そんなくだらない事に乃木坂を
    巻き込まないでくれる?」

〇〇「事件ってのは具体的に何を?」

「、、、メンバーに刃物を突きつけて、あわよくば怪我させてやろ」

パンッ!!!

犯人の答えを聞き終わらない内に、奈々未姉ちゃんの平手打ちが決まった。

奈々未「、、、そんで後は何人いるの?」

淡々と進めていく奈々未姉ちゃんに少し恐怖を覚えるが、僕もそのまま続けた。

「、、、あと5人。それぞれメンバーのところに行ってるよ。」

〇〇「あと5人、、、!!」

奈々未「そいつらの特徴は?
    着てる服とか口調とか、、、」

「そんなもん知らん。SNSで知り合ったからDM上でしか会話した事ねぇよ。」

奈々未「、、、めんどくさ。」

〇〇「そのメンバーってのは誰のことだ!」

「俺が行こうとしてたのは齋藤飛鳥。他には遠藤さくら、生田絵梨花、与田祐希、、、」

次々とメンバーの名前が挙げられていく。

しかし、最後の5人目の名前を聞いた時、僕は目の前の人間を殴り倒してしまった。

「あとは"筒井あやめ"だ。」


僕はあやめの居るレーンに無我夢中で走っていた。

奈々未姉ちゃんに、名前が挙がった5人のレーンを停止するように頼んだが間に合うかどうか、、、

〇〇(あやめ、、、無事でいてくれよ、、、!!)

そう願いながらレーンに辿り着く。どうやら丁度他のスタッフがファンの皆さんを誘導しているところだ。

しかし、誘導に従わずに真っ直ぐあやめの居る場所を目指している男がいた。

〇〇「あいつか、、、!!」


あやめ「来てくれてありがと〜♪」

「これからも頑張ってね!」
「ずっと応援してるー!!」

ファンの皆さんが沢山の温かい言葉をかけてくれている。

それに涙が出そうなほど嬉しい、、、が。

さっきまでの〇〇に少しイライラしている。

なによ!
可愛い子達ばかりだからってデレデレして!

警備員の格好をした〇〇も新鮮でカッコよかったけど!

私も2ショットはしっかり撮ったけど!

でも私はただの幼馴染だから変なことは言えないし、、、

〇〇のバカ!!

理不尽ではあると思うけど〇〇への怒りが募ってしまう。

すると、、、

あやめ「あれ?」

先ほどまで並んでいた人たちが一斉に列を崩して移動し始めた。

あやめ「何かあったのかな、、、」

スタッフ「筒井さん!不審者の情報が入ったので
     一旦、安全な場所に行きましょう!」

あやめ「あっ、はい!」

不審者の情報か、、、ちょっと怖いな、、、

ガタッ、、、!!

あやめ「ん?」

後ろを振り返ると変な男の人がいた。

それに手に何か持ってる、、、、、、ナイフ?

「お前が筒井あやめか、、、、、他の奴らは全員捕まりやがったが俺だけはやってやるぞ、、、!!!」

ナイフをこちらに向けて突進してくる男の人。

先ほどのスタッフさんも手を伸ばしてくれているが、遠くて間に合いそうもない。

あぁ、ここで死んじゃうのかな。

ヤダっ、、、

まだ乃木坂46でやりたい事が沢山あるのに、、、!!

それに〇〇ともっと一緒に居たい、、、!!

助けて、、、〇〇、、、

〇〇「あやめっ!!」

その瞬間、後ろから私の大好きな人が走って来た。その姿はまるでスーパーヒーローの様に見えた。

あやめ「〇〇、、、!!」

「あ?なんだテメェは?俺の計画の邪魔をす」

バキッ、、、!!

男の人が何かを言い終わる前に〇〇の右手が鳩尾にクリーンヒット。

「うっ、、、!!」

男の人は蹲ってしまい、これ以上は動けない様だ。

〇〇「ふぅ、、、あやめ!どこか怪我とかしてない?」

あやめ「うっ、、、うん、、、///」

〇〇「そっか!それなら良かった!」ポンポン

私の頭を優しく撫でてくれる〇〇。

あやめ「、、、怖かった。」ギュッ

思わず〇〇に抱きついちゃった、、、///

それでも優しく頭を撫でてくれる〇〇。

〇〇「そりゃそうだよな、、、頑張ったね。」

あやめ「うん、、、///」


その日の握手会は全面的に中止、対応策は追って連絡するという。

そしてメンバーは他のマネージャーさんやスタッフさんに送り届けてもらうらしい。

そして僕は奈々未姉ちゃんに、、、

奈々未「〇〇はあやめを送り届けてあげなさい。
    あの子が1番怖かったはずだから。
    それに〇〇なら安心して任せられるわ。」

という事で僕は今、あやめと2人で一緒に帰っている。

あやめ「ねぇ〇〇、、、」

〇〇「なに?」

あやめ「手、、、つないでもいい、、、?」

〇〇「手?」

あやめ「いいからー!」

〇〇「はいはい笑。」

そう言ってあやめは僕の右手をギュッと繋いだ。

少しの沈黙が2人を包む。

辺りは既に日が暮れ、月の光だけが僕らを照らしている。

あやめ「、、、守ってくれてありがとう。」

〇〇「いいよ。それが僕の仕事だからね。」

あやめ「、、、仕事だから?」

〇〇「え?」

あやめ「橋本さんから聞いちゃった!〇〇が私の
    名前が出たらすぐに走って行ったって!」

〇〇「、、、あやめは大切な人だから。」

あやめ「えっ、、、///」

〇〇「小さい頃から一緒に居たし、よく分かんない
   けど体が勝手に動いちゃってた笑。」

あやめ「へぇ、、、///」

この時、あやめの手を握る力が強くなった気がした。

あやめ「私も〇〇のこと、大切だよ!」

〇〇「ありがと笑。」

あやめ(きっと〇〇は本気で捉えてないよなぁ。
    でもいつかは絶対に、、、!!)

すると、僕のスマホから着信音が流れて来た。

あやめ「電話?」
〇〇「誰からだろ、、、あ。」

相手はもう1人の幼馴染、井上和だ。

そう言えば和から鬼の様なLINEの通知が来てたのだが、事件の対応で返す暇もなかったのだ。

僕は恐る恐る電話に出た。


〇〇「あー、、、もしもーし。」

和「おそーーい!!
  何でもっと早く返さないのー!!」

〇〇「いやこっちも忙しかったんだって。」

和「もう!事件のニュースがテレビで流れる度に
  心配になっちゃってたんだよ、、、」

〇〇「ごめん!でも和と冨里さんのおかげで犯人を
   捕まえる事が出来たんだ。ありがとう!」

和「まぁ役になったなら良いけど、、、  
  あっ!あやめちゃんは大丈夫?!」

〇〇「うん。何とか間一髪で間に合った。」

和「良かったぁ、、、!」

〇〇「今度は学校行くから、またその時な。」

和「うん!待ってるから!」


〇〇「和にも心配かけちゃったな、、、
   後で冨里さんにも連絡しないと。」

あやめ「そうだね!」

そして僕はあやめと手を繋いだまま、あやめを家に送り届けた。

ちなみに、、、


麻衣「〇〇ー!!無事で良かったー!!!」

〇〇「ちょっと、、、離れてくんない、、、」

母「そうよー。〇〇だって疲れてるんだから。」

麻衣「やだ!
   どれだけ心配したと思ってるのー!!」」

この後、30分ほどくっつかれました。


〈おまけ〉

これは握手会とはまた別の日のこと、、、

この日は夕方から強い雨が降り始め、傘を持っていない人達を苦しめていた。

麻衣「傘持って来てて良かった〜♪」

私は仕事帰り、歩いて帰るのが好きだった。

それは晴れの日でも雨の日でも関係なく。
色んな景色を見ながら帰るのが好きなんだ〜♪

麻衣「ふんふ〜ん♪」

雨の日も悪くないけど、今日は雨が特に強いなぁ、、、

お家帰ったらお菓子でも食べながらゆっくりしよ〜♪

、、、あ。

そう言えば、この前のお休みに全部食べちゃったな。

だけど、もうお菓子の口になっちゃったしな、、、

よし!

私は近くにあったコンビニに入り、好みのお菓子をいくつか購入する。

麻衣「あっ!〇〇はコアラのマーチが好きだから
   これも買ってこ〜♪」

そして私はお会計を済ませ、外に出る。

相変わらず雨は強い、、、ん?

??「どうしよ、、、」

隣を見ると中学生くらいの女の子が少し困った様子。

手元を見ると傘を持っていない。

どうやら傘を持たないまま家を出て、雨が降り出してしまった様だ。

ふっふっふ、、、

ここは白石お姉さんの出番の様ですな。

麻衣「ねぇ君!傘忘れちゃったかな?」

??「はっ、、、はい!」

麻衣「そっかそっか!お名前は何て言うの?」

彩「小川 彩です!」

麻衣「彩ちゃんか!それじゃあこの傘使ってよ!」

彩「えっ!そんなの悪いです、、、」

麻衣「いいのいいの!それじゃあね!」

彩「あっ、、、ありがとうございます!!」


麻衣「あー、、、」

〇〇「それでカッコつけたくて走って来たけど
   自分はびしょびしょになったと。」

麻衣「風邪ひきそう、、、」

〇〇「っていうかコンビニに居たならビニール傘
   買えば良かったじゃん。」

麻衣「それじゃあカッコつかないじゃん、、、」

〇〇「馬鹿だなぁ、、、」

麻衣「弟が辛辣だぁ、、、」


小川「あの女の人カッコよかったなぁ、、、!
   私もあの人みたいになりたいなぁ、、、!」


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