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子どもが地域をつくる

もう20年も前、大学生の頃に、子育て支援に関心を持ち、武田信子さんの「社会で子どもを育てる」(平凡社新書)や、小出まみさんの「地域から生まれる支えあいの子育て」(ひとなる書房)という本を読んだ。ちょうどその時カナダにスタディツアーに行く機会に恵まれ、本の中に出てきた「チルドレンズストアフロント」という場所も訪ねることができた。
安心して子育てができるということ。頼っていい場所があること。
子育てだけでなく、人が生きる上で大事なことを「チルドレンズストアフロント」では体現されていると感じた。

あれから20年。
自分も子どもを産み、育て、
そして最近改めて考えてみる。

社会で、地域で、子どもを育てる

ということ。

それがすごく難しくなったと言われて久しい。
遊び場の問題、安全面の問題、社会の許容力のなさ。。

でも本当にそうかなぁ?と、私は否定はしないが、決めつけなくてもいいと思っている。
もちろん、本当に難しい地域はあるのだと思う。人口構成、周辺環境、色々あると思う。

でも私の実感は

子どもって、地域をつくっちゃうんだなぁ

ということ。そして、もちろんその中で育ててもらっていくんだなぁということ。

子どもという自然な存在を、大人のあれやこれやの制約なしに、地域に放ってみる。

もちろん突然はできないけれど、徐々に徐々に、周囲との関係、環境をみながら、子どもたちに任せていく。我が家も子どもふたりが小学生になってから、少しずつ。

そうすると、子どもはあっという間に地域のネットワークを作ってくる。

入口は、例えば幼い子とそのお父さんかもしれない。一緒に小さい子と遊んであげるうちにお父さんと仲良くなって、逆にそのお父さんに体を使う遊びを教えてもらう。
あるいは、近所で犬のお散歩をしている飼い主さんたちの存在も大きいかもしれない。毎日だいたい同じ時間に散歩するから、毎日言葉を交わす関係になりやすい。そしてその間をつないでくれるワンちゃんの存在がある。
こうして子どもにとっても親にとっても安心できる顔が地域の中に増えていくと、安全面の心配もぐっと下がる。
そしてこうなってくると、子どもたち、あとはどんどんつながりが増えていく。

今では公園に行って、その時たまたま居合わせた異年齢の子たちで、ドッジボールをしたり鬼ごっこをしたり、ひとしきり遊んで帰ってくる。
なんとなぁくそこに、犬のお散歩をしているおじさんおばさんの見守りの目があったり、小さい子連れのパパママであれば、一緒に遊びに交じったり。

子どもたちは地域に住む子どものことも大人のこともよく知っていて、困っている人がいたら、みんなで手助けしたり、忘れ物を見つけたらそれをみんなで届けたりしている。
自然と、気にかけ合う関係ができている。

気にかけ合う


これってケアの本質

人とのつながりのなかで
こうしたことが育まれるということを
もっともっと大人は真剣に
考えなければいけないと思う。

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