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夏の思い出

#3


カテゴリが学年別から
共通になったのもあるが
タイムは伸びていなかった。

ハードルは共通になると
高さが上がる。

大体、腰くらいの高さかな


冬季練習をそこまで頑張って
いなかったのも事実。

初戦だから身体動かないのも事実。


切り替えて、夏に向けて練習した。


夏の県大会、3ヶ月前のミーティング。

顧問から
「中西は四種だ」

-?


四種は
・110mH
・走り高跳び
・砲丸投げ
・400m
のことを言う。


8位入賞までポイントが貰える。

顧問としては総合順位で上位に行きたいという
想いがあったらしい。

その為、ハードルブロックとしては
先輩に雄太郎くんとタケがいたので
充分だと。

体力作りも兼ねて、中西は四種ということに
決まった。


雄太郎くんも四種に出る為、一緒に
毎日違う競技の練習をした。


楽しかった記憶はある。


400mの練習だけは嫌だった。

400mは人間がスプリントで走れる
限界の距離と言われている。

初心者が思い切り走ると
呼吸困難になり、吐いたりすることもあるらしい。

ほんまかい〜。





夏の県大会が始まった。


競技場までのバス移動は
1時間くらいかかる。

バスの中では、いつもウォークマンで
音楽を聴いていた。

少女時代とかYUIはよく聴いていた。
自然とリラックスできた。


競技中のことは殆ど覚えていない。

最後の400mで
ラストのコーナーを回ってから
全身に乳酸が溜まり、腕を振れているのか
足が動いてるのか分からないくらいに
なりながら、ゴールに向かって
走った記憶だけはある。


四種の順位は7位だった。
2年生の中では1位だった。


顧問から握手を求められて
握手をした。

「よう頑張った。ありがとう。おつかれさん。」

 -ありがとうございます。


初めて顧問と握手をした。

不思議な感覚だった。


学校の総合順位は覚えていない。



帰りのバス。

行きの時と同じ、YUIと少女時代を聴く。 


行きとは違う気持ちで聴きながら
帰りの景色を楽しめた。

周りを見れば、みんな疲れて寝ている。

それを見て、自分も目を閉じる。


中学陸上部の1番好きだった時間は
帰りのバスだったのかもしれない。



今日もお疲れ様でした。




中2の夏、終わり。




写真が何もなかったので
先日誕生日を迎えた愛犬を。


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