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好きな石で、生きていく Vol.1 - 良い点と悪い点

石沼にどっぷりハマり、寝ても覚めても石の事ばかり、、いっそこれ(石)で暮らしていければ良いのに、、、と一度は思った経験がある方も中にはいらっしゃるのではないでしょうか。

結論から話をすると、私の実体験から言えば、それは十分可能です。
皆が思われるよりそのハードルは低く、豊かに暮らせる可能性すら感じる事ができます。また本シリーズで、具体的な方法論を触れていければと思います。

しかしながら、その前に石に限らず、好きなことをして生きていくというのは、実際に一歩踏み出してから分かる事も多いものです。
思いもよらない良い点と悪い点があったりします。今回のVol.1 ではそのことについて書いていきたいと思います。

ちなみに、私は、" 悪い点 "  > " 良い点 "と感じ、石の仕事に力を入れるのを止めました。現在はできる範囲の小さな副業レベルで細々とやっている事も忘れるほどです。

時代による労働観の変化

好きなことで生きていく

お気づきの通り、今回タイトルにした「好きな石で、生きていく」は、「好きなことで、生きていく」というYoutubeが仕掛けたヒカキンさん達を使ったテレビCMを含むプロモーションをもじったものです。

このプロモーションがなされたのは2014年。
この「好きなことで、生きていく」というキャッチコピーに対する個人的な好き嫌いはあるでしょうが、結果、多いに流行りました。

10年経た2024年現在でも、このキャッチコピーそのもの、またはそれに近しい言葉をメディア等で目にする機会が多くあります。もはやこれは一過性の話ではなく、時代背景に後押しされた、時代を象徴する言葉であったと感じます。

また、ディズニー映画『アナと雪の女王』にて、女王エルサが氷の階段を駆け上りながら「ありのままで」と歌ったのも同じ2014年。
この「ありのままで」は2014年の流行語大賞で見事トップ10入りを果たしました。

流行には、何らかの時代背景があるものです。
この「好きなことで、生きていく」「ありのままで」という言葉たち。
一見耳障りの良い言葉ではありますが、どちらも裏のテーマとして「解放」や「癒し」を背景に持つという事にはお気づきでしょうか。

それは何からの「解放」や「癒し」であるのか。
その答えは、戦後からの労働観の変遷を見れば分かりやすいと思います。

戦後からの労働観の変遷をざっくりと下3つの時代に分けてみました。
1. 戦後・復興期、2. 高度経済成長・バブル期、3. バブル崩壊後・低成長期
それぞれの労働観をみていきたいと思います。

1.戦後・復興期(~1950年代中頃)
下は三輪明宏さんのヨイトマケの唄にある始まりの歌詞。
1966年の発表ですが、唄の舞台は戦後の三輪さんの少年時代の記憶の物語になります。

"父ちゃんのためなら エンヤコラ 母ちゃんのためなら エンヤコラ
もひとつおまけに エンヤコラ"

ヨイトマケの唄

家族のため、生活のため、自分の好きなこと・したいことなんて二の次の時代。自分の欲を捨てて、人のために尽くす滅私奉公の精神が尊ばれた時代。

2.高度経済成長・バブル期(1960~1990年代初期)
戦後の復興期が過ぎ去り、日本が一気にどん底から世界の表舞台に駆け上がります。それを支えたのは復興期から続く日本国民のハードワークです。

「24時間、戦えますか?」のキャッチコピーで一斉を風靡したリゲインのTVコマーシャルが世に出たのが1989年。

企業と従業員の間に強い一体感がある家族集団的な組織が中心の時代。
一方で、仕事が嫌いであれば組織に馴染めず疎外感を感じることとなります。しかしながら、若者の離職率という意味では高くなかったと言われています。

3.バブル崩壊後・低成長期(1990年代初~)
続いて、円高による日本製造業の海外移転が加速し、バブルが弾け低成長時代に突入すると、労働の報いである金銭が割に合わないケースが散見されるようになります。つまり、苦労を我慢する程、甲斐がないという考えです。

ニート(NEET)という言葉も一般化し、「働いたら負けかなと思ってる」というネットミームが登場したのもこの時代、2004年になります。

ネットミーム

3段落ちではないですが、ネット上で有名なミーム画像を私も一度は使ってみたいと思っていました。 今回使えてよかったです。

話を戻すと、もうお分かりの通り、「好きなことで、生きていく」「ありのままで」は、従来からの労働の枠組みへの相対する言葉たちです。

すなわち、家族集団的な企業組織からの「解放」、組織になじめなくも良い、好きなことをしても良い、ドロップアウトしようがニートであろうが自分らしくあれば良い「癒し」が背景にあります。

現在はというと、まだまだ一般的ではありませんが、4. 個人時代の夜明けとも言える時代かと思います。
では、次にそんな好きなことで生きていく事の「良い点」・「悪い点」を見ていきたいと思います。

好きなことで生きていく - 良い点

好きなことをして生きていけるなんて最高じゃないか。
私に良い点を挙げられるまでもなく、皆さま数多くの良い点を想像されるかと思います。

実際に著名人やメディアも好きなことで生きていくことをとりあげています。下は参考までに、2017年に発売された堀江貴文さんの著書になります。

表紙をみれば、組織を選ぶ時代は、もう終わった。
個人で仕事を作れば必ず稼げる!と謳われており、本の中では下引用の如く、人生における働き方のレールチェンジを煽ってきます。

既存のレールに乗って生きていくことは、これからの時代通用しなくなる。
あらゆる分野において皆さんの想像以上のスピードでテクノロジーが発達しAI化が進み、これまで普通にあった仕事がなくなる。稼げなくなる。

つまり、それは人生を楽しむことができなくなるということ。
本当の意味で仕事に没頭することはできなくなる。

堀江貴文『好きなことで生きていく。』

確かにそういう考えもあるかもしれない。
ここまで読めばまるで「好きなことで、生きていく」というのは時代の流れに沿った・時代の後押しを受けた働き方であるような印象を受けます。
しかしながら、何事もそうですが、一つ得れば、一つ失うものです。一長一短があります。

それでは次に、悪い点に触れていきたいと思います。

好きなことで生きていく - 悪い点

「好きなことをして、生きていく」働き方の究極の悪い点は、あなたが周りから嫌われてしまうということです。

周りから嫌われるといってもどうせネット上のアンチの話でしょと、、
いえいえ、それは学生時代の友人であれ、同じ釜の飯を食った会社員時代の同期や同僚はもちろん、果ては、家族からでさえも嫌われる可能性をはらんでいます。

かつてあれだけ仲良く、一緒にバカ話をした友人・同僚達から他人行儀、無関心な態度を何故とられるというのか?
何も彼ら彼女ら直接悪いことをしていないじゃないか!?
それなのに嫌われるというのは不思議な話に聞こえるかもしれません。

しかしながら、その答えはシンプルなものです。

このストレスの多い現代社会において、「好きなことをして、生きていく」という行為が最も羨望を集めるからです。
仮に、成功なんてした日には激しい嫌悪の対象にすらなりえます。

何故嫌悪の対象となるのか?
実は、周りはあなたから被害を受けていると感じるからです。

好きなことをして生きるという行為は、好きなことをして生きているあなた自身の存在が無言のプレッシャーとなり、彼ら彼女ら周りのメンタルや常識に被害を与えていると言えます。

上で述べてきた通り、好きなことで生きていくというのは、従来の労働の枠組みからの離脱を意味します。しかしながら、まだまだ一般的な選択ではなく、従来の枠組みの住人にとっては、好き・自由といった新たな価値観をベースに生きるあなたは異物・見たくないものとして扱われるという訳です。

「好きなことをして、生きていくと嫌われる。」
これは受け入れたくない現実でしょうが、事実として存在する悪い点です。

個人的アドバイス

「好きなことをして、生きていく」
もちろん、これによる上記で記載した良い点・悪い点それぞれの大きさは、当事者の環境によって異なります。
極端な話、友人や同僚などおらず、家族はいても疎遠な方からすれば、周りに嫌われるという悪い点は存在しえないでしょう。

また、良い点を最大化したり、悪い点をより小さくする方法も無数にあると思います。

ともあれ、悪い点が存在するのも事実。

そこで私の個人的アドバイスとしては、
「好きなことをして、生きていく」この生き方を選択された方は、一気に自分が思うゴールまで駆け抜け、これまでの人間関係の中ではなく、新たな出会いや繋がりの中で生きていくことをおススメします。

最後に、一歩踏み出せず迷われいる方がいましたら、この歌の一節を贈りたいと思います。いきものがかりで『ブルーバード』。
高く翔び、突き抜けられるのをお祈りしています。

飛翔(はばた)いたら 戻らないと言って
目指したのは 白い 白い あの雲
突き抜けたら みつかると知って
振り切るほど 蒼い 蒼い あの空

いきものがかり『ブルーバード』


それでは、本日はここまで。
皆さまの宝石ライフが色鮮やかでありますように。

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