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国宝の美しさ、なぜ何百年も前のものを美しく思うのか

東京国立博物館にて開館150周年記念、国宝展が開催された。
国宝展の人気は凄まじくチケットを取ることすら叶わないほどの、大盛況である。
かく言う私も残念ながらチケットを取ることが出来ず苦汁を飲んだ。

国宝は重要文化財の一種で日本の歴史の中で特別に価値があると考えられるものが認定される。
国宝展は長谷川等伯の松林図屏風や尾形光琳の八橋蒔絵螺鈿箱や他にも半端のない名作が並ぶ、正に日本の美術界の時を超えたオールスター祭である。

すさまじく価値があるのは当然だがなぜこれほどの人気があるのだろうか、コロナの影響で入場制限があるといえチケットがとれないほど人気があるとは思っていなかった。
現代の100年で時代は大きく変わった、そして文化も物も人も変わった。
それほど変わった今でも何百年も前に作られた国宝がなぜ多くの人の関心を惹くのか。その理由について考えてみた。

私たちは1000年前の物語に今でも感動する、500年前の工芸品に美しいと思う、200年前の着物をおしゃれだと感じる。
時の流れで様々な物事が変化していく、けれど変わらないものもある、四季の移ろい、花が咲くこと、夜に月が登ること、人が恋をすること、人が死ぬこと、朝がくること。
生きる中で感じたことを人は文書にして、絵にして、物にして表現する。
きっと1000年前の人と私たちはどこかで繋がっているのだ、同じ物事に心惹かれるのだ、だから1000年前の人達の感動を美しいと思ったことを、私達は美しいと思えるのだ。
秋の紅葉を綺麗だと思う気持ちは1000年前の人ときっと変わらない、ただそれを表現する方法が変わっているだけだ。

もし古いものを良いと思えなくてもそれは一つも悪いことではない、でもその中にもきっと美しいと思えるものが少しはあるはずだ、その気持ちを大切にしてほしい。

国宝展見に行けないのは本当に残念だが、国宝展に出る国宝は東京国立博物館の所蔵品だから、また展示される機会があるはずだ、人生の楽しみとしてそれをとっておくのも悪くないか。

とは言えキャンセル待ちのチケット取れないかな〜

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