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昆虫のイベントで八百屋を開いた話。

1.はじめに

過去の記事で昆虫の紹介記事を書いている通り、筆者は昆虫マニアである。そして、本業でさつまいもを栽培しつつ、実家の畑を耕作している農民でもある。今回の記事は筆者が知り合いに誘われて昆虫やザリガニを販売しているマニアイベントに八百屋として出店した話である。

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2.自宅の菜園のはなし

これはおおよそ3年くらい前の話である。筆者は会社員としてさつまいもを栽培する傍ら、自宅の畑で野菜を栽培してSNSに写真を載せたり、地元の友達におすそ分けすることを日課としていた。特に好評をいただいていたのが、紫や赤のジャガイモやUFOの形をしたズッキーニ、白菜の菜花などの一風変わった野菜である。毎日発信をしたり、おすそ分けを続けていくうちにだんだんと地元の友達からは「お前、これマジで金とれるよ」といわれたり、フォロワーさんからは「マジで売ってほしい」「食べたい」等と声がかかることが増え、ある時思い立ってセット野菜として販売してみたのだ。すると、購入したフォロワーさんが料理のツイートや宣伝をしてくださり、徐々に徐々に売れるようになっていったのであった。。。

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3.昆虫即売会に誘われる

 そんなある日、懇意にさせていただいていたフォロワーさんから声をかけられたのだ。「自分、今度虫の即売会に出るんすけど、あきらさんも自分のブースに出ませんか?」驚き桃の木山椒の木なんてよく言う言葉だが、経験もなにもない筆者は少しはひよってしまう・・・こともなく二つ返事で「お願いします!!」快諾したのである。普通にうれしかったです。当時はありがとうございました。
 そんなこんなでブースの準備をしながら野菜の販売リストを作る日々、もちろんその間もセット野菜の発送は続けていた。
 その時のセット内容はUFOズッキーニや空心菜、グラウンドペチカというジャガイモ等少し珍しいものばかり、購入される方々はそういった変わった野菜をどういうレシピに作るのかを考えるのを楽しみにされているようでそんな楽しみ方もあるのかと目からうろこでございます。そして、購入された方の料理ツイートが新たに人の興味をそそるようだが、今回は少し雰囲気がちがったのだ。
 そうめんかぼちゃ。知っている人は知っているちょっと変わった野菜である。別名、金糸ウリとも言われるこのかぼちゃはその名の通り、湯がいた後にほぐすことできれいなそうめん状になるのである。今回も購入者としてそうめん状にほぐしている様子をツイートしている方がいたのだが、あらぬことにプチバズり。かぼちゃがそうめんになることに驚く人は思っていたより多かったのである。

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4.即売会当日

今回のイベントの現場は東京である。さすがにかぼちゃを人力で運ぶのは大変なため、宅配便で会場に発送することにした。午前着だからなんとかなるだろう。残りの野菜は筆者自身が人力で運べばいいや。と、いう感じで早朝に野菜を両手とリュックに詰め込んで、目指せ東京と言わんばかりに勢いよく新幹線に乗り込んだ。この日の野菜は少量多品目、UFOズッキーニや空心菜、グラウンドペチカに日光とうがらし、白いきゅうりもあれば、かぼちゃも複数種類準備をした。そうめんかぼちゃにミニ栗かぼちゃ、見た目がかわいい錦甘露もある。他にもオクラのスターオブデイビット等々本当に様々な野菜を準備してみた。もし余ったら他の出展者や運営の人に配ればいいや。経験上、野菜の直売は余るものだしそんなもんだろ!と、まぁぶつぶつ考えながら会場入りをしたのであった。
ブースに到着し、まずは誘っていただいた方と共同出展者に挨拶。他のブースの方の紹介もいただきつつ、設営をすすめた。写真やポップも並べて良い感じのブースになっただろう。後で到着するかぼちゃ類を並べれば完成だな。そんな気持ちでいる中、イベントが開場時刻を迎えた。

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5.開幕。東京なめてた。

開場と同時に場内になだれ込むお客様たち。当時はコロナ前のため、開場内も即混雑したのだ。人が多いなぁと思っていると声をかけられた。
「そうめんかぼちゃありますか?」
あいにく、まだ開場には到着しておらず、その旨を伝えたところ「また後できます!」と明るい返事を頂けた。と、思うも束の間、意外と客足が止まらないのだ。
「そうめんかぼちゃ残ってますか?」「シナモンバジルありますか?」「あきらさんこんにちは!フォロワーの〇〇です!」とてもとてもありがたかった。
 地元のイベントやフリマには参加したことは数あれど、野菜が飛ぶように売れる経験なんてしたことがない。ましてや挨拶にきて頂けるなんて。本当にありがたくうれしい経験であった。そうめんかぼちゃは中々会場に届かないけれど、それでもある野菜はかたっぱしから売れていく。ブース内のイベントに誘っていただいてくれた方も自分の接客もしながらも筆者の野菜をオススメしてくれたりと本当にありがたい時間と経験であった。
 そして、時刻は12時ジャスト。そうめんかぼちゃが到着した。


6.そうめんかぼちゃ

「お待たせしました!そうめんかぼちゃ来ましたよ!」
今でも忘れられない。ブースに人が溢れたのだ。
「そうめんかぼちゃ1カットください!」「私は1玉いただきたいです!!」「そうめんかぼちゃと栗かぼちゃ買います!!」
 午前中に会場入りをして、そうめんかぼちゃが届くのを今か今かと待ちわびていたお客様。全員が殺到した。とにかく、とにかく売らなきゃ!
もちろん、イベントは楽しく仲良くやることが大事。お客様とのコミュニケーションも楽しかった。ただ、とにかくそうめんかぼちゃは飛ぶように売れた。本当に想定外だった。東京に持っていけば売れるんだ。フォロワーさんの宣伝や紹介も上手だったのだろう。
それでも、田舎にいる限りイベントに出ても野菜が飛ぶように売れる経験なんてすることがなかった。この日は野菜は完売した。本当に衝撃的で楽しくてたまらなく最高の一日だった。

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7.その他の野菜も

今回はそうめんかぼちゃがメインだったが、とにかく食べごろの野菜は全部もっていった。その中で心に残っている野菜が日光唐辛子である。いわゆる青唐辛子。辛いです。本当に。うまいけどからい。そんな日航唐辛子。ブースの仲間も「余ったら買ってっていいですかー?」なんて声をかけていただいたけれども、これももちろん完売した。しかもちょっと面白い感じで。
 この日「この唐辛子辛いですか?」って声をかけてきたのは若い学生二人組。「ピリ辛でおいしいですよ!刺身のづけダレなんかに最高です!」なんて伝えてみたら「じゃあ買いますよ!」一袋買っていったのだ。
 ありがたいよね。野菜が売れるのは。若くても辛いの好きな人はいるんだなーなんて思っていた30分後、学生二人組が戻ってきた。
「さっきの唐辛子マジで辛くてうまかったですよ!」「俺たち、実は韓国人の友達がいて、今生でとうがらし食べるの流行ってるんですよ!!」「買ってすぐに外で食べたんですけど本当に最高でした!!」「残り全部買います!!!!!!!!」
 形容しがたい出来事でした。すごいライブ感。味の感想、とてもうれしい。リピートしてくれたこともとてもうれしい。でも、でも筆者は思ったのだ当時その時頭の中で。

「そんなことある!!????」と。
東京ってすごい街なんだなぁ、と思った出来事だった。

8.今後のイベントの予定

あのイベントから数年が経ったが、あの日のことは筆者の心の中にいつまでも残り続けるだろう。本当に忘れられない一日だった。その後も何回かはイベントに出ていたが、ほどなくしてコロナ過となってしまい、イベントそのものがなくなってしまった。イベント向けに作付けしていたからしっかりと損は出てしまったりもしたが、それはそれということで。
 最近はイベントも開催されるようになり、筆者もイベントに参加したいなと思い始めている。現在は自宅畑で収穫できるものが少ないが、これから畑の収穫期がはじまるタイミングで一度出店をしようと思う。どんなイベントに出るのか、どんなものを売るのか。それらも含めて、畑の話も含めて今後も当ブログで紹介をしていきたいと思うので、興味がある読者の方はよろしくお願いします。岬ボタニカル(ブース名)。復活します。

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