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奇奇怪怪明解事典 と わたし

何から書いていけば良いのか…個人的な心情をnoteに残しておきたいとずっと思いながら、もうすぐ2年が経つ。

今年2月に書籍化され、「鈍器本」と称された全544ページも10日と掛からず読み終わった。
それくらい夢中なのだ。

まず、奇奇怪怪明解事典との出会いの前にMONO NO AWAREの話をしたい。

初めてバンドを知ったのは、2017年頃。
たまたまスペシャで流れてきた「イワンコッチャナイ」のMVを見たことがきっかけだった。

5年も経ってしまうと、記憶は曖昧になるもので、正直YouTubeだったかもしれない…。「イワンコッチャナイ」が知ったきっかけであるのは確実。

すぐにバンド名で検索をかけて、アルバム「人生、山おり谷おり」の予約をした。


20代を過ぎたあたりから、新しい音楽を聴かなくなっていた。少し良いなと思ってアルバムを購入しても、次のアルバムが出る数年の間に興味が薄れていることが常態化していた。
それが年齢による感受性の衰えなのか、新しいものを取り入れる体力も気力も残っていないそんな虚無感のような、これが「大人になる」ことなら、寂しいような郷愁に似たような感情。

新鮮な出会いの喜びより、安心感を優先するような。

そのことが悲しくもあった反面、当たり前なのかもしれないとどこか諦めていたが、MONO NO AWAREはその『普通』をいとも簡単に崩してくれた。

特に意識していた訳ではなかったけど、「人生、山おり谷おり」を購入したあの日から現時点の最新アルバム「行列のできる方舟」まで欠かさずタワーレコードで予約をして発売日に必ず受け取っている。

数年前に体調を崩し、音楽が聴けなくなった時期があったのだが、そんな時にもMONO NO AWAREの音楽は自然と身体が欲するような感覚があった。

インタビューを読んだり、玉置さんのnoteを読む中で自分の中でこの人の"ことば"は、なぜこうもしっくりくるのか、この人の眼差しの先に見える世界を体感できるのがMONO NO AWAREの音楽だとしたら、これからも追い続けて行きたいと心の底から思って、今に至る。


更に話は逸れるが、養老先生の本をちゃんと読むようになったのも玉置さんがきっかけだった。
アルバム発売からだいぶ経った頃に「かけがえのないもの」のタイトルを本から取ったことを知り、その感想をツイートしたら引用RTされた。そんな驚きと喜びで感情がぐちゃぐちゃになったときのことも昨日のように思い出せる。

全然、奇奇怪怪明解事典の話に辿り着けないので、ここらへんで一旦止めよう…。
いつか機会があったら、フジファブリックのこととも併せてnoteに残せたらと思う。

そんなこんなで玉置さんのTwitterは、ずっとフォローしていた。ある日から、タイムライン上に朱い表紙と「奇奇怪怪明解事典」という分かりそうで分からない言葉が流れてきた。
最初は新しく何か始めたんだなーくらいで流し見ていて、そんなことが何度か続いたある日、ふとリンクをクリックしてみた。

それが第4巻だった。

同世代であるからなのか、共感ともちがう居心地の良さがあり気付いたら、それまで更新されていた過去3回も貪るように聴いていた。

その時まで、TaiTanさんのことは存じておらず…。自然と知る日がくるだろうと呑気なことを思って特にプロフィールは調べることなく聴いていた。
その方が先入観なく入っていけるような不思議な感覚もあって、そこにおもしろさを感じていた。

そのまま数ヶ月が過ぎた。

グランジ遠山さんのMC目当てでTOKYO MX「69号室の住人」を見ていたら、Dos Monosがゲスト出演した回が放送された。

そういえば、最近ネット上でよく耳にする名前だったけど読み方は分からず、いかついお兄さん達という印象のあったアーティスト写真から興味はあったので、そのまま放送を見ていた。

メンバー紹介の映像でTaiTanという名前を耳にして、そこで初めて奇奇怪怪明解事典のTaiTanと同一人物であることに気付いた。


既に奇奇怪怪明解事典を聴き始めてから、数ヶ月が過ぎていた。

私にとって「タイタン」という響きは、特別なものでそれはなんといっても『爆笑問題』の所属事務所の名前だからである。

そして、奇奇怪怪明解事典に虜になっていく大きな要因の一つとして、TaiTan氏・玉置氏の両者が太田光氏を敬愛していることがあげられる。

そのことがよくわかるのが、単行本にも収録されている『第四十九巻(後篇)R-1はなぜノれないのか問題』内の「ファインアートとしての太田光」に詳しい。



書籍が発売されてから、早数ヶ月。出版記念イベント『鼎巻』の開催予定も段々と増えている。

私も4月12日に青山ブックセンターにて開催された「鼎巻(壱)」ゲスト:大前粟生氏に参加してきた。

年明けに観劇をした玉田企画「夏の砂の上」にて、TaiTan氏とは偶然遭遇したことがあったのだが、玉置氏を生で拝見するのは初めての機会だった。

サイン会に並んでいる最中から伝えたいことは、頭の中で何度も反芻していたのだが、実際ご本人を目の前にすると目を見ることもできず、終始『あたふた』していたとしか表現できない醜態を晒した。

伝えたいことの2mmも言葉にして、口から発することはできなかったが『爆チュー問題』のステッカーをスマホに入れていることを伝えられたので、目標は充分に達成できたといえる。

この文章を投稿する時には、自分自身もPodcastを始めていたいと考えていたが…いつもの体調不良のせいで、しばらくPodcastは始められそうにもない。

2年分の『おもい』を自分なりに綴ってみたが、うまく書けている自信もなければ、そもそも長いだけで読みにくい文章になっていそうで、読み返すのが少し怖い。

これを読んで、もし奇跡的に【奇奇怪怪明解事典】に興味を持った人がいたならば幸いです。

最後に。
このPodcastを立ち上げたTaiTan氏と玉置周啓氏に心から敬意と感謝を伝えたいです。
また、出版に関わった国書刊行会ならびに石原某氏に同様の敬意と感謝を。

これからも、楽しみにしています。
そして、どうか「無理のない範囲」で細く長く続いて行ってほしいと心から願っています。

編纂員及び、一粒の豆より(2022/05/10 Tue.12:43)

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