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人間ウォッチング

私は観察するのが好きだ。
観察の対象は人、動物、景色、食べ物と多岐にわたる。
実家には庭や畑があったので、子供の頃はアリやダンゴムシなどの行動を観察した。
ダンゴムシは指で触ると丸くなる。なぜこのダンゴムシの体は丸くなる仕組みになっているんだろう。子供ながらに観察し、触れることで、そんなことを考察していた。

大学生になった私は、高田馬場駅のロータリーで友人を待っていた。10時に待ち合わせの予定だったが、私はいつも早めに行動するタイプなので30分前には着いていた。いつも心に余裕を持っていたいため、時間にも余裕を持たせている。10時になったが、友人は来ない。連絡をしてみたが返事がない。私はすっぽかされたとも考えたが、しばらく待ってみることにした。

人を待つ時、人気のお店で列に並んで待つ時、野球の試合で次に打順が回ってくるのを待つ時に、私は必ず何かを観察している。自分と同じように待っている人や周りの景色、その店の料理、それを食べている人の表情や会話、相手チームの投手の仕草や癖。


高田馬場駅は近くにW大学があり、ロータリーはいつも人で溢れかえっている。私にとっては、観察対象の宝庫なのだ。

一言断っておくと、私は変な人でも怪しいものでもない。

(あの人は、あんなに急いで何かあったのだろうか。スーツを着ているから次のクライアント先に急がなければいけないのかな。)

(あの大学生グループは、BIGBOXに向かっている。ボーリングやゲーセンに行くのかな。)

(首を捻っている人がいるけど、肩凝ってるのかな。それとも何か困りごとを抱えているのかな。)

と、そんな想像をしながら観察している。

答えはわからない。

観察し、そういった想像を働かせるのが好きだ。

そうこうしているうちに3時間が経った。
お昼も過ぎ、かなりお腹も空いたのでそろそろご飯を食べたくなってきた。
友人から連絡が来た。
「すまん!寝坊した!あと1時間で着く!」


さて、今日は何を食べようか。

私の観察はまだまだ続く。

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