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人間として生きる社会へ

SDGs採択から5年。男だから、女だから、性的少数者だから、、といった固定概念の多く残るこの社会。そんな息苦しい世を打破するにはどうすれば良いのか?

ジェンダー平等って?

             

まず、ジェンダーとは、社会的・文化的に形成された、「男=仕事」「女=家事」のような社会的な性別を指します。私のテーマである「ジェンダー平等を実現しよう」とは、そのようなアンコンシャスバイアス(無意識の偏見)をなくし、男女関係なく平等に扱われる社会の実現を目指そうということなのです。

探求活動を通して、私は第一に、ジェンダー平等はSDGsの中で、最も難しい問題だと思いました。

というのも、性は生物学的に、男(オス)と女(メス)とで分けられているからです。身体的な面でいうと、骨格の違い、生殖機能の違いなどがあり、それらの違いが性別役割分業を生み出し、古代から固定概念として定着してきました。そのような、何千年も「当たり前」とされてきた固定概念を、私たちはこれからのジェンダー平等の実現のために更新する必要があると私は思います。

アンケートからわかる現状

私はこのレポートを作成するにあたり、50人に匿名でアンケートに協力してもらいました。(協力していただいた皆さんありがとうございました!)

そこで得られた回答に対し、講義で学んだことを踏まえ、図やグラフと共に、コメントしていこうと思います。

①女性の生涯年収が低い、男女間で賃金格差がある。

上の図は、SDGs採択前(2013年)と採択後(2018年)における男女別の賃金の実態を年齢別にグラフにしたものです。次にこちらをご覧ください。

内閣府男女共同参画局 吉田真晃さんの講義より引用

女性の就業者数は、2012年から2019年にかけて、およそ330万人増加しており、更には、妊娠、出産を機に離職することでみられるM字カーブも、この30年間でほぼ見られなくなっていきているということがわかります。つまり、雇用に関して、女性だから出産を機に仕事を辞めるという偏見は、時代遅れといってよい時代になったのです。

しかし、一つ目のグラフが示すように、賃金格差は一向に改善されていない現状にあります。それは、管理職の女性が少ないことも挙げられますが、第一に、企業が女性に対し、未だ偏見を持っていることだと私は考えます。管理職に女性を指名するのも企業。だからこそ、「人」として見るということが重要なのではないかと思います。

②女性の政治参加が遅れている

世界経済フォーラムによる、「ジェンダーギャップレポート2020」から発表された「ジェンダーギャップ指数」の日本の総合スコアは、153か国中121位で、特に政治分野が足を引っ張っている現状にあるということがわかりました。私のInstagramでも投稿したように、日本の内閣とニュージーランドの内閣における女性の数は明らかに日本が少ない現状にあります。

衆議院議員の野田聖子さんの講義で野田さんは、「地方議会に女性がほとんどいない。地域に密着できる地方にこそ女性議員が必要。」とおっしゃられており、国として政治分野に女性がもっと進出していくには、まずは地方から推薦していくことが必要なのだと分かりました。そのために、現状、女子トイレがない地方議会もある(吉田さんの講義より)ということなので、環境整備も早急に行うべきだと思いました。また、政党にクオーター制を取り入れるなど、政治は男の人が行うものという偏見をなくし、歩みやすい政治の場をつくることも重要なのではと感じました。

③同性婚ができない。

私のInstagramでのアンケート結果

現在の日本では、法律上の問題で同性における婚姻ができません。ですが、同性パートナーを地方自治体が公的に認める、「パートナーシップ宣誓制度」が増えてきました。これに対して、「異性同士のカップルには宣誓なんてないのに、同性同士のカップルだったら宣誓するのはある意味差別化されているのではないか。」と意見をくださる方もおられ、やはり同性婚の法整備を確実化してほしいと感じました。

なぜタイトルは「男女平等」ではなく、「人間」なのか

皆さんは、タイトルについて、「どうして『人間』として生きる社会なの?『男女平等』に生きる社会でよいのでは?」と思う方がいるのではないでしょうか。私がこのタイトルにした理由。それは、ジェンダーは男女二元論ではなく、多様性を含むものでもあるからです。このテーマでは、男女格差をなくすことももちろんなのですが、そのどちらにも当てはまらない人、つまり、LGBTQといった性的少数者への差別、偏見をなくすことも課題となっています。

結局なぜ「人間」にこだわるのか、ということなのですが、最終的に私は、「男」「女」「LGBTQ」ということ関わりなく、自分らしく多様性に富んだ社会にしたいからです。この活動の中で、私はLGBTQについて、Lがレズで、Gがゲイなどといった説明を投稿しませんでした。なぜなら、そのLGBTQというのは、性的指向によって分けられており各個人の性的指向はプライベートな事だと個人的に感じたからです。第三者が「あの人は男が好き、女が好き」などを知る必要性は全くもってなく、加えてそれを知った人がその人に異論を唱えるのもおかしいことだと思います。

そのような、「誰が誰を好きでいてもいい」という考えがイレギュラーではなく、普通の考えになっていけば、最終的には、LGBTQという区別する言葉はなくなっていき、一人の人として尊重し合えるのではないかと信じています。

世を打破するために

私が考える、ジェンダー平等実現のための初めの一歩は、現状を知り、その現状を頭に浮かべて考えることだと思います。私は活動の中で、いかに相手に「あ!」と思わせることができるかを重点に置き、投稿を作成しました。その効果もあってか、友達がストーリーにあげてくれたり、ライブ配信を家族みんなで見てくれるなど、自分自身のアクションが周りに伝わっているということを実感することができました。 

現状を知り考えることは、誰にでもできるSDGsのための貢献だと私は信じています。身近なニュース、小耳に挟んだ出来事でも、考えてみることで「塵も積もれば山となる」というように、自分の糧になり、将来のアクションを起こす最高の土台となると思います。

しかしながら、私は読者の皆さんに「発信してください。」と一概に言うことはできません。(本当は言いたいのですが笑)なぜなら、一人ひとりが違うからです。発言したくても、周りに何を言われるか分からないと思って言えない人も多くいます。実際私も、周りでいきなりの真面目な投稿に驚きを隠せない人がおり、「何してるん。」と言われることもありました。その中で投稿を重ねることによって、周りの理解も得られ、最終的には、恵まれた環境の中で発信することができたなと実感しています。

この未だ息苦しい世を打破するために必要な二歩目は、まさに読者皆さん自身の意識の改革です。私自身も正直まだまだなのですが、無意識の偏見を意識的に「これはあたりまえ」と思い込ませることが必要であると感じました。例えば、「旦那さんがお弁当を作る」や、「女子が制服でズボンを履く」などが挙げられます。

これからに向けて

このせかい部×SDGs探求高校生レポーターとしての活動が終了しても、未だ息苦しい世を打破するため、私は教育の道に進みたいと考えています。そこで、ここで探求したジェンダー平等について、賃金格差、女性の政界進出、同性婚の現状などの問題から、SDGs教育、グローバル教育を考え、ジェンダー関わりなく、自分らしく「人間」として生きることができる社会をつくりたいです。そのために、これからも発信活動やこの活動を通して出会った最高の仲間との交流を盛んに行い、アクションにつなげていきたいです。そして10年後に、笑える未来を信じ、猪突猛進していきたいと思います。

未来に笑顔を!✌️

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