連作「徘徊日記」
気の利いた言葉が出ない韻律が好きだっただけもう帰れない
生き方を探して入るファミレスのメニューを見れば木こりが覗く
他人事みたいだったな挽き肉はケンタッキーの味がしていて
110円カード払いで。目的を持ったわたしはいちばんつよい
正しさはどこにでもないホームでは蛍光灯の中にかみなり
曖昧な君を探して歩くうち君のかたちは見えなくなった
完全に立ち止まってる右側で昼のあたしが怒鳴り始める
幸福を定義しましょう昨日より上手になった野菜炒めで
結論は愛だったからドトールへ 何時間でも話をしよう
しあわせにしてほしいとは言わないがソファ席には座らせてくれ
しなないで真面目なひとよこのあとは派手にベッドへ寝っ転がって
慣わしのうちのひとつを終わらせてあなたのための片手を空ける
恐縮です。